ほおずきってナス科なんだ
学校帰りに神社の前を通るとお祭りをやっていた。
「もうそんな時期なんだ」
「行く?」
「行こう」
一緒に歩いていた京極君とのぞきに行く。屋台はいっぱい出ているけど、いつものお祭りと違って、売っているものは一種類だけだった。
「ほおずき市だ」
「いる?」
「どうしようかなあ」
縁起物だから、買ってもいいし、買って帰ったら母さんや父さんは喜ぶかもしれない。でも必要かって言われるとそうではないし。
せっかくなので一軒の屋台に近づいてほおずきを見てみる。まるっとしたほおずきが、枝にいっぱい成っている。うーん、どうしよう。
「これだと大きいけど、あっちにほおずきをデザインしたアクセサリーとか、小物とかの屋台もあるよ」
悩んでいると、屋台のおばちゃんが教えてくれた。お礼を言って、言われた方に行くと、確かにアクセサリーや雑貨が並んだ一角があった。
「わあ、かわいい!」
「へー、おしゃれだ」
京極君も面白そうにしげしげと眺めている。と、その中にほおずきをデザインしたペアのお守りがあった。ここの神社が出している屋台みたいで、巫女さんが売り子さんをしている。
……かわいいなあ。受験のお守りにって京極君と一緒に持ちたいって言ったら、持ってくれるかなあ。
「うーん」
「どうしたの? あ、これ? これくださーい」
早い! 気づきからの購入が早い!
私がびっくりしている間に京極君はお守りの片方を私にくれた。
「どうぞ」
「あ、ありがとう。嬉しい……」
「良かった」
そう微笑む京極君があまりにイケメンで腹が立つ。ぐぬぬ。
それはそれとして、私もなにか買おう。他にもペアのお守りがあったので購入する。これは双子の姉妹にあげよう。気になる人にでも渡すがいい。あとは……。
「これ、ください。……京極君、どうぞ」
「……ありがとう」
京極君は目を丸くしつつも、受け取ってくれた。
「一緒に頑張ろう」
「うん」
通学鞄に、さっきのお守りとほおずきをデザインしたチャーム。両方おそろいだ。チャームの裏には文字が書いてある。
『あなたとともに未来へ』




