久しぶり、太陽
「お、今日は晴れてる」
朝、学校に行こうと家を出たら晴れていた。ここ最近雨続きだったから癖で持って出てしまった傘を家に戻してから通学路を急ぐ。ようやく梅雨明けだろうか。梅雨明けと、夏休みとどっちが先かなあ。たぶん一番早いのは期末テストなんですけどね!!!!
「……あれ」
学校の少し前まで来ると、同じような高校生が増えてくる。しかし、俺と違うところがあって。
「おはよう、いーちゃん。傘忘れたの?」
そう声をかけてきたのは同じクラスで幼なじみのけいちゃんだった。当然のように彼女も傘を手に持っている。
「え、だってめっちゃ晴れてるし」
「午後から土砂降りの予報だけど」
「マジで」
けいちゃんは苦笑しながらも並んで歩く。
「教室に折りたたみ傘が置いてあると思うから帰りに貸そうか」
「オネガイシマス」
「……相合い傘でも良いよ?」
ニヤッと笑ったけいちゃんが言う。それはそれで大変魅力的なお誘いだ。相合い傘したい。肩が触れる距離で、少し恥ずかしそうにこちらを見上げるけいちゃん、見たい。めっちゃ見たい。でもからかわれるよなー。悩ましい。
「長考だ」
「いや、相合い傘はしたいけど、クラスの連中に見つかったらからかわれるだろ」
「そうだね」
「でもけいちゃんと相合い傘はしたいんだよ。肩寄せ合って1つの傘で並んで歩きたい……。どうしたらいいんだ」
真剣に悩む俺を見てけいちゃんはやはり笑っている。
「じゃあ、少しゆっくり帰ろうか」
「?」
けいちゃんは笑いながら説明を足してくれる。図書室で少し時間を潰して、帰宅の波が去ってから一緒に帰ろう、と。
「最高では」
「じゃあ決まり。放課後は図書室に集合」
やったー! 嬉しいなー! 好きな子と放課後の静かな図書室で二人っきり。これはワンチャンあるのでは? というかこんな約束するくらいなのに、なんで俺ら付き合ってないんだ? でもまあ、いい。たぶん放課後ワンチャンある。




