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そろそろ梅でも漬けるか

「やってみたいことが、ありまして」

 西浜さんに、そう呼び出されて、俺こと南雲透は西浜さんと未吉が同居する家にやってきた。

「実はですね、梅を漬けてみたいと思ったんですよ。で、その話を香にしたら、力仕事に人手がいるから南雲さんに声をかけよう、ということになったのです。お休みのところ申し訳ないです」

「いえいえ、かまいませんよ。その分、出来たものを試食させてもらえればOKです」

「南雲くんちゃっかりしてるなあ」

「当然の報酬だろうが。で、何を作るんですか? よくあるのは梅酒ですよね」

 茶々を入れる未吉に突っ込みを入れながらも、西浜さんに確認をする。西浜さんは少し悩みながらスマホのサイトを見せてくれた。

「えっと、梅酒もなんですけど、梅シロップを作りたいなって思ってるんです。香も私もそこまで飲むわけではないので、シロップの方が気軽に飲めるかと」

 見せてもらったサイトには梅シロップの作り方が書いてある。そこそこ親切なサイトのようで、必要な材料から手順までちゃんと書いてあった。

「良さそうですね。材料はこれからですか?」

「そのために南雲くんを呼んだんだよ」

「はいはい、荷物持ちですね。了解です」

 いつの間にか未吉は薄手のパーカーを羽織ってボディバッグも装着している。西浜さんもリビングのソファにトートバッグを用意していて、すぐにでも出かけられるとのことなので、3人でさっさと家を出ることにした。


 外は雨は降っていないもののじんわりと蒸し暑い。そろそろ梅雨入りかとニュースで言っていたので順当な天気であるものの、背中が汗ばんでくる。すぐそこのスーパーにくるまでにTシャツはじんわり湿っていた。

 西浜さんは必要なものをすべてリストアップしていたのと、シーズンだからかスーパーの店頭に梅を漬けるのに必要なものがほとんど並べてあったことで、買い物はあっという間だった。また汗をかきかき帰宅すると、西浜さんが冷えたタオルとアイスを出してくれる。

「お疲れ様です。一息入れましょう」

「ありがとうございます」

 未吉はすでにアイスを流し込んでいて、西浜さんも麦茶を飲んでいる。ふうっと息を吐いた。暑いけど、頑張ろうかな。アイスは普通のバニラだけど、すごくおいしかった。半年後には、これに梅シロップをかけて食べられるかな。もうその頃はアイスなんて時期じゃないかな。

 でもそれを楽しみに、もういっちょ頑張ろう。


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