最初の町
「ちょっと!待ってよ!」
無理矢理森に転移された。
「あれ?おかしい。何で綺麗なの?」
VRゲームのグラフィックじゃない。リアルだ。落ち葉を触れる感じもリアルだ。
おかしい。私はただゲームで遊んでいたはず。
「アイテム!」
アイテム欄は出てきたが、見たことがないものが上にある。
「月のアーティファクト?とりあえず現実化。」
現実化するとさっきのクリスタルが出てきた。
説明欄を開くと、私の名前ルティと書かれていた。
全くわからない。仕方がないから、アイテム欄に戻してアイテム欄に変わったことがないか確かめる。
「よかった。月の秘剣生き残ってくれたか!」
月の秘剣ツクヨミは前作の愛剣である。この剣の能力は月の光を貯めて使うもの。限定一名だけがもらえる、唯一無二の剣だ。今使えないのは残念だが、これを使うためにまた最初から100レベにしないといけない。
「最初の町はどこ?」
基本まっすぐか、そのままワープする。この場合森に転移したから、まっすぐ進むパターンだ。
道中には雑魚敵がいるのが当たり前。
現れたのは雑魚のブルースライム。
「5回だったっけ?」
初期の時に5回叩いて倒したことを思い出し、5回剣で叩く。
「よし、体力は変わらないっと。」
この調子でスライムを50体倒す。
確か同じ種類の敵を50体以上倒すと、親玉が出てくる。この世界、同じ仕組みなら...
ブルーマザースライムがあらわれた。
奴の攻撃は、粘着製のフィールドを作り、仲間を呼び寄せ溶かしてくる。時間をかけ過ぎればファザーがやってきて、合体して、キングか、クイーンになる。
奴を最短で倒す方法はある。奴のフィールドに入ると、必ず襲ってくる。そこを打つ。
「よし。かかってこい。お前なんか怖くないんだよ!」
奴の体力は初期の攻撃力で15〜で倒せるはず。
「倒れろ!」
合計21回ボコボコにし倒した。
「レベルアップか。」
5Lv力53魔力42速さ41
物防45魔防43技術80
技術が80あるのはテクニックという意味でいいのか?確かにモンスターを効率よく倒すことも技術と言うのか?
現在被ダメは0だが、死んだら帰れるのだろうか?痛みはどうなのだろうか?
そうだ最初の町に行くんだった。
さすがにチュートリアルを終わらせれば帰れるだろう。
「はぁーあ。」
ため息が出てしまう。
こんなバグにあって。帰り方わからないし。
ようやく町につき、周りのおかしさに気づく。
「安いよ!安いよ!さあさあ買ってってぇ!」
「おーそこのにぃちゃん。かっこいいな。お安くしとくんでどうです?」
普通NPCはこんな芸をしない。これでは、本当の人間のようだ。
屋台の美味しそうな香りがする。ここまでリアルだと、明らかにおかしい。
とりあえず聞いてみる。
「あのあなたはNPCですか?」
「えぬぴーしー?違うし聞いたことがないよ。他を聞きな。」
「すみません。ありがとうございます。」
異世界転移とかゆう奴だこれ。
どうせ帰り道がわからないし、現実で楽しいことがないので、この際異世界を楽しもうと決意したルティであった。
そうだお金を確認していなかった。
「アイテム!」
お金の欄に2564279メルと書かれていた。
大きな声を出したおかげで近くの人に注目された。次からは気をつけよう。
お金はそのままだったので、装備を整えるために武具屋を探すのであった。
猿の髭。どう見ても、武具屋に見えない名前の店に入った。
「お嬢ちゃん。その年で冒険者かい?」
お髭の長いおじいさんがいた。
「冒険者?何なの?」
「クエストを受けて、報酬をもらって生きてく人のことかな?冒険者じゃないのにどうしてこの店に来たんだい?」
「武器が欲しい。」
「冒険者にならないとダメだよ。でもこの店は、登録できる店だから大丈夫。」
大体こういう奴はお金を取られる。
「いくら必要?」
「1000メルだけど、お嬢ちゃん、出せる?」
「銀貨5枚だよね?」
「えー!?」
おじさんは驚いている。
「そっそれは、お母さんが出したのかな?」
「自分で稼いだ。」
モンスター一体倒せばもらえた額だったからな。
「でっては、かっ、この端末に手をあっててください。」
ものすごく取り乱しているけど大丈夫かな?
「カードに名前、ランク、成績が書かれます。ルティさんでランクはF成績は無しです。カードの更新は冒険者組合にお願いします。」
「ありがとう。防具と武器でいいやつ、ある?」
「もちろんです。魔鋼鉄の剣とミスリルの鎧です。」
求めてるのは違うんだよなあ。着るなら可愛いやつがいい。
「上の剣はないの?」
「はい。ありますドラゴンの鱗をとかして作った剣。竜王です。」
名前の割に弱そう。
「持っていいんだよね?」
「はい。手に取り、お客様が気に入ったものを売るのがこのお店。」
「攻撃力80か。一番のやつ見せて。」
「これ以上ですか?仕方がありませんね。勇者の剣と思われる剣です。装備しようとするとピリピリします。」
「どれ?」
ピリピリなんて感じない。むしろフィットする。ステータスは赤く300と書かれている。赤文字は初めて見る。よくわからないがもうこれでいいや。
「これいくら?20000メルです。」
武器はいいとして、防具はどうしよう。
「可愛い防具で最高なやつある?」
「可愛いかはわかりませんが、スノーホワイトという、雪が降り続く地でしか取れない金属をふんだんに使った逸品です。もちろん着たら寒くなるというわけでもなく、むしろ温度調整ができて快適です。サイズも使用者に合わせるので最高の防具です。」
私の本名は冬樹深雪。スノーホワイトとか最高にあってる。
「それはいくら?」
「お値段は35000メルです。」
「じゃあ、これとこれ、あとこれもお願いします。」
「お嬢ちゃん。いいの?80000メル出せる?」
「はい。」
「どこのぼんぼんだよ!?」
「ありがとね。おすすめの道具知らない?」
「妹が働いている。ネズミの髭って店だ。」
なんで髭?よくわからない。
「ありがとう。またくるね。」
そう言い、ネズミの髭に向かった。
「教えてくださり、ありがとうございます。」
ようやくつきそうだ。あそこが道具屋か。
「いらっしゃいませ。」
ふーん。コンビニ並みに揃ってるじゃん。
地図に、お菓子、飲み物に、ポーション。籠いっぱいにものを入れる。
「あの、お客様。お金は大丈夫ですか?」
「いくら?」
「2346メルですが...」
「はい。猿の髭の妹さん?」
「そうですがどうして?」
「おじさんから聞いてきたの。全然イメージと違ったけど。」
「あの、どうぞ。」
謎のカードを渡される。
「髭カードです。家族が出している店を2つ行くともらえるカードです。くるたびに1割引します。次からもどうぞよろしくお願いします。」
「あ、ありがとう。」
「では2116メルです。」
「銀貨11枚からで大丈夫?」
「銅貨84枚数えますのでお待ちを。」
こんな買い物は新鮮で楽しい。今まではボタン一つで買い物ができたから。次からは、めんどくさくなるかもしれないけど、これはこれでいい。
お釣りを受け取り、店を出る。
「ありがとうございました。」
せっかくだ。宿屋に泊まろう。
すぐ近くの宿屋に向かい、銅貨10枚で部屋を借りた。
買った装備を取り出して、装備する。
鏡がないのは残念だが、多分いい感じになったと思う。白い鎧に赤と金の剣。可愛くてかっこいい。
ステータスを確認するとやはり赤くなっていた。これはわからない。
とりあえず、試し切りをしに行こう。
受付の人にオススメの場所を聞く。
「あの、オススメの狩場はどこにありますか?」
「あなたのレベルですと、この山がよろしいと思います。」
レベル5と書かれていた。
「ありがとうございます。」
「馬車を使いますと楽ですよ。」
教えてもらった通りに馬車乗り場へ行き目的へ向かった。
実はこの世界、当てて逃げれば弱くても勝てたりするかもしれない世界です。前知識重要。