表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

〜プロローグ〜

よろしくお願いします

「今日も周回プレイか。」

 だるそうに呟き、ヘッドをかぶる。

 今私がプレイするゲームはアドベンチャーズオブワンダーアンドドリーム。1週間前に発売されたバーチャルリアリティのゲームだ。

 前作はPC用ゲームで私はトップ100に入っていたんだが、今作は違う。前作トップ30で新作に10万課金した人、それ以外で新作に100万課金した人は3日早くゲームをプレイできるクソ仕様で、特典が武器を一つだけ持っていけてアイテムを2倍持っていける。制限はあるみたいだが。この差はひどい。そのほか豪華特典とか。

 現在のトップ100はこの重課金勢の独占で私はトップ800だ。

 ありがたいことに、前作プレイし、2万5千円課金していた人は特典がある。先行プレイした人にはこの特典は無効になると聞いたのでそれは嬉しいのだが差が大きい。

 課金特典は武器を一つ持っていける。ただしレベル100にならなければ解放できない。アイテムは基本100個のところを1.5倍持っていける。家具を全て持っていける。一部無効の家具あり。ペットを初期のレベルに下げた状態で引き継ぎ。アイテム収納300まで。アイテム倉庫3000まで。周回ダンジョンと言う名の経験値、アイテム、進化素材などを集めるダンジョン、初級〜上級を無制限にできる券。2万5千円課金プラス500円ごとにガチャチケット。その他細かい特典。

 これだけ特典があっても上級者に勝てない。

 って私は何に話しかけているのだろうか。仕事の疲れで頭がおかしくなったのか?

「ログイン。」

 と言うとログイン画面が出てくる。

「アカウントID。」

 キーボードが現れ慣れた手で打つ。

「パスワード。」

こちらも素早く打つ。


 名前[ルティ] Lv89

 称号(不思議を探求する者)

 職業(剣士)


 これでよろしいですか?


  [YES]    NO


 もちろんイエスだ。

 いつも見てきた木製の家だ。PCで見続けた部屋を再現できるのはやはりいい。

 ショボい装備に着替える。

 今日で95まであげようかなと思いながら。上級ダンジョンへ向かう。

 このゲームは一部不思議なダンジョン方式で周回用ダンジョンは毎回違う攻略をしなければならない。

「さて今日はお宝部屋を見つけられるかな?」

 ダンジョンに足を入れると、モンスターの声が聞こえる。この声はドラゴンだ。

 この声が聞こえるなら今回は当たりだ。

 いつものようにチャチャッと雑魚を倒して、隅々までアイテムを探す。

 今回は入り組んで45分かかった。残りはドラゴンだけ。

 ボス部屋に入るとなんとバグっていた。

「うわっ。なにこれ。」

 壁に謎の裂け目ができていたり、空間に歪みができている。異世界に吸い込まれそうだ。

 そんなバグを気にしないでドラゴンはこちらに向かって攻撃してくる。

 1、2、今回はドラゴンのスピードが速い。3、4、5、いつもならこの次で...6!?

 おかしい。基本ボスの体力は2000〜3500。私の与えるダメージは約600〜800。ドラゴンの防御力は硬いから約650ダメージ。

 体力を確認する。するとドラゴンの体力は半分しか削れていない。

 クソいつも通りやっていた。アップデートとかあったっけ?まさかバグ?

 いつもの舐めプじゃやばいかも。装備は攻撃型にしている。ドラゴンの攻撃をくらえば瀕死だ。

 慎重に、的確に攻撃を与えていく。

 7、8、9、次の攻撃は、て知らないパターンきた。

 地面から岩の刺がたくさん生える。

 10、11、ブレスがくる。大きな岩の刺に隠れる。

 12。

「これでとどめだ!!」

 ドラゴンは光の粒子となり消えていく。

 戦利品は無し。これだけ頑張って無しはひどい。

 ドラゴンがいた所に鍵が落ちている。

「あれ?なんで画面に書いてないの?」

 鍵を拾う。

「ドラゴンがボスだったからこの先はお宝部屋だな!」

 ボス部屋のさらに奥へ進む。

 あれ?部屋が二つある。鍵がかかった部屋。大きな宝箱がある部屋。

 鍵を持っているので鍵がかかった部屋に向かう。

「入るといいけど...」

 鍵は綺麗に入った。

 扉を開くと金ピカの宝箱がある。

 早速宝箱を開く。

 するとアナウンスがなる。


『アカウントID:RutiHuyukiのステータスを初期化します。おめでとうございます。あなたは選ばれました。』

「えっ?ふざけないでよ!」

『繰り返しします。アカウントID:RutiHuyukiのステータスを初期化します。おめでとうございます。あなたは選ばれました。待ってます。こちらの世界で。』

「こちらの世界...で?意味がわからない。なにがしたいの?」

 問いかけても誰も答えない。

「ステータス!」


 名前[ルティ] Lv1

 称号(選ばれし者)

 職業(未)


 だめだプロフィールからクソだ。


 STR20

 VIT20

 AGI20

 INT20

 DEX20


 これもだめだ全部初期化してる。

 アイテムは?

 よしこれは大丈夫だ。

 そういえば宝箱の中はまだ見てない。

 中には綺麗なクリスタルが入っている。しかしグラフィックが違う。良すぎる。

 アイテム名を確認するためクリスタルを手に取ると体が光り出す。転移する時と同じ感覚だ。

「どこにいくの?ちょっと!」

 アナウンスに話しかけるが返事はない。

 体が光の粒子となり別の所に転移する。

「ここは?」

 ここは見覚えがある。ログインや設定をするためのホームだ。

『あなたの名前を教えてください。』

 アナウンスとは違った男の声が聞こえる。

 恐る恐る答える。

「ルティ」

『それがあなたの名前ですね。』

「なんで私はここにいるの?なんで私は弱くなったの?このおかしなバグはなんなの?」

『すみませんが、すべてはお答えできません。答えられることは、なぜあなたがここにいるかです。あなたには勇者の一人となってもらい、世界を救っていただきます。』

「なにかのアップデート?勇者なんてできない。上位10人がなれる職業でしょ。」

 勇者なんて無理だ。良くてもトップ100に入れるくらいだ。

『ゲームではなく現実で勇者になってもらいます。ただし試練があります。10日あなたが行く世界で生き延びてください。』

 謎の男が話し終わった後森に転移した。



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ