全力鬼ごっこ
響斗と帰り道を歩いている。
今日は木曜日なので3時半には下校だ。響斗の傘に雨があたり俺の顔にかかる。冷たい。
マジで鬼ごっこやる気なのか?俺が考えていると、
「まさか鬼ごっこやりたいだなんてな〜
普通の女子なら『私鬼ごっこなんて出来ないよ〜』っていうのにな〜」
響斗が言う。
「ほんとに、『私もやりたい!女子の中で一番足速いんだからっ!』って普通言わないよな〜」
笑いながら返す。
「そういえば今日はいいのか?彼女。鬼ごっこなんてしてる暇ないんじゃないか?」
「大丈夫、圭祐の家にいくって言っておいたから。けどお前の彼女と遊んでるの見られたら殺されるな」
どうか見つかりませんようにと俺は思う。
「圭祐君〜とそのお友達さーん。こんにちは〜」
「圭祐から話は聞いてました。俺は紺野 響斗。圭祐の幼馴染です。」
「マジでやるのか。この雨で」
俺が聞く。
「やるよ〜私の瞬足を見せつけたいからね〜」
「しゃーないな。圭祐諦めろ。やるぞ」
俺は渋々家に向かった。紗凪と。えっ?
ガチャッ
「お邪魔しまーす」
いや何すんなり入ってきてんだ。親居なくてよかった〜。変な誤解を生みそうだからな。
「ここに荷物置いていくぞー」
「了解〜」
荷物を置き響斗との待ち合わせ場所に向かった。
「なんか二人で歩いてんのカップルみたいだね〜」
何言ってんだこいつ。俺は足を早めた。
「待って〜」
響斗と合流した。
「鬼に捕まったら俺の家に集合、。範囲はこの地区の中。それじゃスタート」
最初の鬼は俺。絶対捕まえてみせる。