人物紹介5 ーネタバレありー
注意!ネタバレを含みます。
※下方にショートストーリー有り。是非ご覧ください。
《ざっくり、これまでのあらすじ》
●『第4部:魔女と狂気の王子(下)』
ライザタニアの内乱に巻き込まれたアーリア。『狂気の王子』との異名を持つ第二王子シュバルツェに拉致監禁され、絶望の最中にいた。
監禁先は地下牢ではなく、何故か第二王子の住まう宮。監視の名目で飼い殺される事になったアーリア。第二王子からペットと称されるもの、尋問との名目で行われたのはただのお茶会、捕虜の披露目はただの夜会と、侍女からのイジメには遭ったものの3食昼寝付き(但し自由行動はなし)の監禁生活は思った以上の快適さ(?)を得ていた。
一方、攫われたアーリアを追ってライザタニア入りを果たしたのは、行商人に身を窶したリュゼたち。リュゼはナイルと共に移民親子リンクとバイゼンを伴ってエステル帝国からライザタニアへと入国。北から東、そして南へと行商を行いながら南下していたが、偶然か必然か、東の地を治めていた領主の誘いにより第一王子イリスティアンへと引き合わされる事に。
第二王子との争いの末に東都に逃れていたと思われていた第一王子は、東都にて仲間となる貴族を集め、王都奪還を目論んでいた。
何やら思惑渦巻く夜会に参加させられたリュゼたちは第一王子による演説の後、第一王子に正体を看破され、手下として働くように懐柔されてしまう。已む無く第一王子のスパイとして王都を目指したリュゼたちだが、途中、未曾有の大地震に遭遇。その直撃を受けた王都では多くの都民が怪我に喘ぎ、神殿に救いを求めていた。
ライザタニア建国より象徴として崇められている姫巫女。姫巫女の起こすキセキを頼り、連日人々が神殿へ集う中、リュゼたちは第一王子の命により神殿へ侵入をはかる。そこで姫巫女として信者たちを癒していたのは、なんと記憶を失くしたアーリアでーー!?
●『第5部:魔女と砂漠の戦士』
ライザタニアの覇権を賭けた内乱、それは二人の兄弟王子が起こした計画的内乱であった。
第二王子シュバルツェを王にする為に不穏分子を集めていた第一王子イリスティアン。兄イリスティアンに正当な地位を返しいずれは王にと画策する弟シュバルツェ。互いに思い合う王子たちだが、内実、それぞれの思いは掛け違っていた。また、それは王子たちの父親であり元凶と思われた現王も同じであったのだ。
一方、記憶を失くしたアーリアは様々な思惑に翻弄されていた。
アーリアを使い隣国の足止めを画策する王子たち、アーリア奪還を目指すリュゼたち一行、アーリアに父親を止めて貰いたい幼い兄妹、自らの利益の為にアーリアを使い現王を呼び起こしたい大司教……。様々な思惑が更なる混乱を呼ぶ。即ち、現王の復活である。
ライザタニアの内乱、その原因は悪逆の限りを尽くした狂乱の王、現王アレクサンドルによる悪政であった。しかし、目覚めた現王は大司教の思惑とは外れ、アーリアに危害を加えるどころか仲良さげに話し始める始末。
混乱する周囲を他所に現王自らが語り出す。「愛する息子らをどうして手に掛ける事ができようか」と。現王は家族を何より愛していたのだ。
次第に掛け違えたボタンが正され、遂に混乱は収束かと思われた時、思惑から外れた軍人たちが暴挙にはしる。王都を内外から破壊しようと無知なる亜人を地竜へ変化させ魔獣をも召喚したのだ。
城内を暴れまわる地竜。王都を襲う亜竜。正に今、王都は壊滅の危機かと思われたが、それでは困るとアーリアが立ち上がった。勿論無報酬のボランティア活動などではない。約束された報酬の為、何よりタダで転んでなるものかとアーリアの魔術は炸裂するーー!
魔獣は討伐され混乱は収められた。紆余曲折あったものの、ついにアーリアはシスティナへの帰還を果たす。待ち受けていたのは王太子ウィリアム。ウィリアム王子はアーリアの帰還を真っ先に喜ぶものの辞表を受け取る気配ななく、それどころか訳アリな指導教官を寄越してきて……?
《人物紹介:主要人物のみ》
◆side:Sistina◆
【アーリア】
※年齢:18歳
※職業:魔導士、魔宝具職人、東の塔の魔女
※容姿:雪のような白髪、虹彩色の瞳、白磁の肌、小さな顔、平均より小柄、実年齢より幼く見られがち
※性格:基本的に温和で温厚、お人好し、恋愛に疎い
※備考:ある女性を生き返らせる為に造られた人造人間、生まれつきの盲目、魔宝具の目は『精霊女王の瞳』を材料にした師匠のお手製
【リュゼ】
※年齢:21歳
※職業:専属護衛、護衛騎士
※容姿:茶色の髪、琥珀色の瞳、ニヤついた笑顔が標準装備
※性格:自他共に認める『長い物に巻かれる』気質、気まぐれ、気の赴くまま、初恋を拗らせ中
※備考:元は魔導士バルドの手下、アーリアの事情を本人より聞く以前から知っている
【ナイル】
※年齢:29歳
※職業:塔の騎士、第二小隊隊長、侯爵家出身
※容姿:黒髪黒目、切れ長の瞳、童顔
※性格:生真面目を絵に描いたような性格、苦労性
※備考:小隊長の任を降り、アーリアの専任護衛騎士へ転任、一個小隊を指揮する
【アルヴァンド公爵ルイス】
※年齢:51歳
※職業:システィナ宰相、アルヴァンド公爵家当主
※容姿:金髪、碧眼、整った顔立ち、笑うと目尻が下がる
※性格:基本的に物腰柔らかで人当たりも良い、怒らせると苛烈で敵に対しては容赦がない
※備考:ジークフリードとリディエンヌの父親、妻を早くに亡くしている、若い頃はさぞモテただろうと言われる整った容姿は現在にも通じている
【ジークフリード】
※年齢:23歳
※職業:第一王子ウィリアム殿下直属の近衛騎士
※容姿:黄金の髪、青い空のような瞳、典型的な王子様タイプ
※性格:基本的には紳士、闇堕ちしてから性格が捻くれたが根は真面目で素直、本気の恋をした事がないので自分の想いに気付きつつもどうすれば良いのか判らず瞑想中
※備考:アルヴァンド公爵家子息、父親はアルヴァンド公爵家当主にして宰相のルイス、バルドから呪いを受け獅子の獣人として悪の組織に属した過去がある
【王太子ウィリアム】
※年齢:24歳
※職業:システィナ国王太子
※容姿:金髪碧眼美形、ザ王子様
※性格:竹を割ったような性格、無駄が嫌い、兄貴肌、大雑把に思えて几帳面、現実主義
※備考:システィナ国第一王位継承者にして王太子、二人の弟王子と産まれたばかりの妹姫を大切に思っている、二代前の姫がアルヴァンド公爵家に降嫁している為ジークフリードと容姿が似通っている、ジークフリードを偶に影武者として使う事がある、アーリアの後見人、アーリアを実の妹のように可愛がっている
【第二王子ナイトハルト】
※年齢:22歳
※職業:システィナ国第二王子
※容姿:背中まである金髪、透き通る蒼の瞳、けぶる睫毛、創りものめいた均等のとれすぎた目鼻立ち、絶世の美丈夫
※性格:常に穏やかな物腰と言動、滅多に感情を表に出さない為内心が読めない
※備考:システィナ国第二王子として兄王子ウィリアムを助けている、第二王位継承者、美術面に明るい、外交や祝典などを担当、常に穏やかな言動で微笑んでいる正義漢を覗かせる場面もある、整い過ぎた美貌の所為で婚約者がいない
【ガナッシュ侯爵】
※年齢:55歳(自称)
※職業:塔の魔女付指導教官、ガナッシュ侯爵家当主、元サリアン公爵家当主
※容姿:燻んだ金髪、薄青の瞳、最近髭を伸ばし始めた、年齢よりも若く見られる
※性格:口八丁手八丁、人を煙に巻くのが上手い
※備考:先先代国王の子の一人、元王族で一代限りのサリアン公爵を名乗っていたが反逆により失脚、元システィナ国宰相、システィナ国王とは叔父と甥の関係、『ガナッシュ侯爵家』というはライザタニアの貴族家の一つ、ライザタニアにある領地は代官に任せてある、一人娘は自身の失脚の後ライザタニアへ避難している、反逆者であった彼が極刑にならずにいる理由は未だ語られていない
【ルーデルス】
※年齢:42歳
※職業:東の塔の騎士団団長
※容姿:赤い髪に金の瞳、褐色肌にガタイの良い体躯。鍛えられた肉体
※性格:正義漢、悪を許さぬ信念を持つ、やや融通の効かないきらいがある
※備考:元ライザタニア貴族、濡れ衣を着せられ処刑が目前に迫り已む無くシスティナへ亡命、出自は侯爵家、妻帯せずに生涯をシスティナ王家に捧げている豪傑
【アーネスト】
※年齢:32歳
※職業:東の塔の騎士団副団長、知能派騎士
※容姿:栗色の長髪、菫色の瞳、銀縁眼鏡、長身痩躯
※性格:柔らかな物腰と口調、見た目を裏切る辛辣さを持つ
※備考:ルーデルス団長を右腕として支える敏腕副団長、参謀としても優秀、カイネクリフとは幼馴染み、カイネクリフと共謀しアーリアを擁護している
【カイネクリフ】
※年齢:32歳
※職業:アルカード領主、アルヴァンド家の異端児
※容姿:金髪碧眼、絵本の中の王子様のように整った相貌、ジークフリードの容姿とそっくり(髪が肩より少し長い)
※性格:柔らかな物腰と口調、計算高い
※備考:敏腕領主、アルヴァント公爵ルイスの甥、ジークフリードの従兄弟、『アルヴァンド』の名を使う事を許可されている、アーネストとは幼年学校以来の付き合いであり幼馴染、元既婚者で一児の父、女と見れば誰にでも口説くので女性関係にだらしがないと周囲から思われている
【リンク】
※年齢:11歳
※職業:下町少年、ライザタニアからの移民の子
※容姿:焦げ茶の髪、赤茶の瞳。頬にそばかす
※性格:基本的に素直、純朴
※備考:移民の子だが生まれも育ちもシスティナ人、元下町の悪ガキ、成長期真っ盛り、初恋は『年上の魔女』、アーリアのただ一人の弟子、魔術は初心者
【バイゼン】
※年齢:39歳
※職業:大工見習い、ライザタニアからの移民
※容姿:焦げ茶の髪、黄の瞳、掘り深い目鼻立ち
※性格:穏やか、空気を読むのに長けている
※備考:元ライザタニア人、移民、今は穏やかな性格だが若い頃は相当尖っていた、後に妻となる女性に叱られて真っ当に生きるように、足の古傷が原因で壊れかけていた家族を救ってくれた魔女に恩義を感じ一生涯何らかの形で尽くす気でいる
【師匠/お師さま(名は未公開)】
※年齢:29歳
※職業:魔導士、魔宝具職人
※容姿:美しい黒髪、深い透けるような蒼い瞳
※性格:サバサバした思考の持ち主、大雑把、自己中
※備考:『漆黒の魔導士』の二つ名を持つ優秀な魔導士、アーリアの師匠であり保護者、親バカ
【弟子その1(名は未公開)】
※年齢:21歳
※職業:魔導士
※容姿:白い癖毛の短髪、碧の瞳、複数のピアスに指輪、チャラそうな外見
※性格:軽い足取りに軽い口調、その割に苦労性、頼まれたら断れない所はアーリアと似ている
※備考:アーリアの兄弟子、アーリアより先に造られた人造人間、同じ経緯を持つ姉がいる、重度のシスコン(自覚あり)
◆side:Raizatania◆
【第二王子シュバルツェ】
※年齢:不詳(見た目年齢二十代前半)
※職業:ライザタニア国第二王子
※容姿:薄銀色の髪、蜂蜜色の瞳、氷の美貌
※性格:高圧的な言動、怜悧な思考、ドS
※備考:病床の現王と東都にいる兄王子に代わり国政を熟す、憧れだった兄王子の変貌を諦めつつある、現在は兄と共に傾いた国政を糺すのため精力的に活動中
【ゼネンスキー侯爵リヒャルト】
※年齢:不祥(見た目年齢三十代前半)
※職業:軍務省長官、宰相(兼務)
※容姿:黒髪、灰緑色の瞳、ノンフレームの眼鏡
※性格:冷静沈着、打算的、眼鏡で実力を隠し相手の出方をジッと待つ狩人的精神の持ち主
※備考:第二王子殿下の右腕、二児の父親、子どもたちを溺愛している、ライハーン将軍とは態度とは裏腹に仲が良い、自分の犯した罪を食いつつ第二王子の右腕として誠心誠意仕えている
【ライハーン将軍】
※年齢:自称三十代
※職業:ライザタニア国軍総大将、中央軍を指揮する将軍
※容姿:猛禽類の眼光、鳶を思わせる赤褐色の瞳、筋肉質、身長は2メートル越え、触れてもいないのに感じる高体温
※性格:物事に執着しない冷静な判断力を持つ、面倒見が良く部下からの信頼が厚い
※備考:本名ジークムント・リュイス・ライハーン、軍務省長官ゼネンスキー侯爵とは『チキン野郎、ノーキン将軍』と言い合える仲、大柄で威圧を感じさせる顔つきから女子どもにはよく避けられる(←気にしている)
【第一王子イリスティアン(自称麗しの治療士アリストル)』
※年齢:年齢不祥(見た目年齢二十代中頃)
※職業:ライザタニア国第一王子、(治癒士)
※容姿:淡い金髪、毛先に向けて薄い翠のグラデーション、薄青の瞳、絵画の中の天使のように神秘的で整った容姿
※性格:悲観的な現実主義、辛口評論家、(悪戯好きでお茶目、オネエ口調に仕草、可愛いもの好き)
※備考:エルフ族の母を持つ美麗王子、影武者を使い敵味方に己の正体を隠している、賢王の再来と言われる剣技の才を持つ、薬学にも精通した塔の騎士団所属の治療士アリストルとして侵入しアーリアと交流を持った、アーリアに腕の古傷を治してもらった経緯で恩義を感じている
【現王アレクサンドル】
※年齢:不詳(見た目年齢三十代後半から四十代前半)
※職業:ライザタニア国王
※容姿:腰ほどもある金の髪、血のような赤い瞳、長身痩躯、シャープな顎筋、恐ろしく整った容姿、切れ長の柳眉
※性格:俺様王様(生来から命令し慣れている)、色々あって無気力に、面倒事を嫌う
※備考:ライザタニアの現国王、『狂乱の王』の呼び名を持つ、血を好み乱を好んで戦争を起こした、若い頃は『強さこそが全て』と思い込んでいた、妖精族の住処たる地の王らしくその身の内に妖精族の血が流れている、妖精猫に変化できる(不本意)、家族を何よりも大切に想っている、若く見えるが本来孫やひ孫がいてもおかしくない年齢らしい、現在は国主としての名こそ返上していないものの国政を息子二人に任せて隠居中
【レオニード】
※年齢:不詳(見た目年齢二十代後半)
※職業:特殊工作部隊『月影』の部隊長
※容姿:黒髪長髪、真紅の瞳、彫りの深い顔立ち
※性格:冷静冷徹な思考、感情の起伏が少ない、ヤンチャな部下を複数持つ苦労人
※備考:亜人部隊である特殊工作部隊『月影』の部隊長、長命長寿、地獄犬の亜人、アーリアの元飼い犬
【セイ】
※年齢:自称130歳(見た目年齢二十代前半)
※職業:ライザタニア国軍所属、特殊工作部隊『月影』部隊員
※容姿:赤茶毛、黒に近い濃紺の瞳、左目の下に泣き黒子、長身
※性格:口調も態度も軽薄そのもの、妄想癖あり、夢見がち、絵に描いたような女好き
※備考:母親はライザタニアにある伯爵令嬢、父親は純粋な妖精族である黒竜、自身は黒竜の亜人、人間と黒竜の身体を自在に変化できる、交換留学生として『東の塔の騎士団』に在任中
【ミケール】
※年齢:不詳(見た目年齢二十代中頃)
※職業:ライザタニア国軍所属、特殊工作部隊『月影』部隊員、建国王の時代からの古参
※容姿:黒髪の長髪、金の瞳、細身の長身、くっきり二重、笑うと垂れ目になる
※性格:常識人、基本的に誰にでも優しい、柔らかな言葉遣い、柔軟な思考と行動力を持つ
※備考:元『東の塔の騎士団』騎士寮の料理人、セイの先輩(年齢も上?)、セイの指導係(苦労人)、何らかの亜人、調理師免許を持っている、薬にも通じている、交換留学生として『東の塔の騎士団』に在任中
◆side:Estelle◆
【皇太子ユークリウス】
※年齢:24歳
※職業:エステル帝国皇太子
※容姿:銀の髪、真紫の瞳、ニヒルな笑み、非常に整った顔立ち
※性格:裏表のないサッパリとした性格、計略・策略・画策を得意とする、魔法を使わせれば右に出る者なし、天才肌だが努力家、懐に入れた者への面倒見が良い
※備考:大帝国エステルの皇太子、第一皇位継承者、次期皇帝の座を確固たるものにする為にエステル帝国内で足場固め中、アーリアを好いており本当に婚姻を結んでも構わないと思っている(それが本人の幸福に繋がるとは思っていない)
【ヒース】
※年齢:24歳
※職業:近衛騎士、近衛第八騎士団団長、ユークリウス殿下の右腕にして側近
※容姿:薄い灰色の長髪、色素の薄い紫の瞳、眼鏡使用
※性格:話し口調は温厚、理知的、常識人、非常に面倒見が良い(誰にでもという訳ではない)
※備考:ユークリウス殿下に生涯の忠誠を誓っている、アーリアをユークリウス殿下の婚約者として認めている以上に信頼している
《SS:雑談という名のショートストーリー2》
「ねえ見た見た?ほら、ジークの名前があるよ!」
「はっ、当たり前だろう。寧ろ、前回のが何かの間違いだったんだ」
「ただ単に書き忘れられただけだって?へー、ふーん」
「リュゼ、なんだその目は。何か言いたい事でもあるのか?」
「いやだってさ、それにしてはジークの名前がルイスさんの下にあるんだなーって。それは偶然なのかな?」
「うぐっ!あ、あれは……」
「仕方ないよね。ジークよりルイスさんの方が出番が多いし」
「くぅっ!」
「寧ろ、ルイスさんのついでにジークの事が書かれてるみたいな?」
「なっ!? つ、ついでだとっ……?!」
「だってそうじゃん。ルイスさんとアーリアってちょいちょいやり取りしてるし、アーリアがルイスさんを頼ってるのは一目だよ?それに引き換え……ジークってさ、アーリアに頼られてる?」
「っっっ!!」
「ウィリアム殿下の護衛で来る事はあってもそれ以外に来る事って殆どないよね?てか、僕が知らないだけで手紙のやり取りなんてのはマメにしてるのかな?そこんとこどーなの?」
「お、俺だって頼られてるさ!現にお前の事を知らせてきたし……」
「え、僕のこと?なになにそれ知らないんだけどー?」
「げふんげふん、いや何でもない。兎に角、俺だってアーリアには頼ってもらっている。手紙だって交わしている」
「ふーん。で、手紙の頻度はどんくらいなのさ?週七ってのは難しいとしても週三くらいはあるのかな?え、まさか週一?隔週?月一ってコトはナイよね?因みにルイスさんからは2日に1回は来るんだよねー。でジーク、君は?」
「………………」
「で?」
「………………。……頻度が多ければ良いって訳じゃないだろう?手紙ってのは、どれだけ心が篭っているかが重要であってだなァ」
「まるで『亭主関白こそ正義だ』って恥ずかしげもなく言っちゃう旦那のイイワケみたいだね?」
「ッ!!!?」
「口にしなきゃ伝わんないのに『言わなくてもアイツなら分かってくれている』トカ言っちゃってさ。嫁には誕生日プレゼントすら渡さないのに飲み屋のお姉ちゃんには貢いでて、『俺の給料で養ってやっているんだ、あいつにはなんの文句も言わさん!』なーんて強気になってる男の醜いの何のってッ!結局、嫁さんがいなきゃ家のコトなーんもまわっていかないのにさぁー」
「……………」
「ナニ?そのカオ」
「いや、随分と具体的な例えだと思ってな。というかリュゼ、その亭主関白の勘違い旦那ってのと俺が同じとでも言うのか?!」
「だってそーじゃん。言わなくても伝わるなんてこと、ないんだよ?」
「っ、そ、そうだな。分かった、俺の負けだ。これからはもっと想いを伝えるようにするさ」
「だね。あーあ、僕も負けてらんないな……」
「そうだ、お前こそどうなんだ?いつまでそうして悠長に……」
「……ルイスさんなんて手紙の他に流行りのスイーツにドレス、宝飾品、最新の魔宝具まで送ってくるんだよ?アーリアも『後見人として、男として当然の事をしているだけ』『日用使いできる物をリディエンヌと共に選んだから使って欲しい』なんて言われたら断れないしさ。もー、ほんと敵わないよねー!とりあえず僕もルイスさんに見習って花でも贈ろうかな……ってあれ、どうしたの?」
「……っ、あんの女誑しが!良い年して娘程の年のアーリアを口説こうなんて、何を考えているんだ!」
「えー…………。『麗しい女性が目の前にいたらとりあえず口説くのは礼儀でありアルヴァンド家の男としては当然の行為だ』って聞いてるけど?そこんとこどうよ、アルヴァンド家のジークくん」
「女性を褒め讃え、輝かせるのは男として当然の権利だ。権利を行使して何が悪い?」
「あー、うん。キミ、人のコト言えないわ。とりあえず今日はもう解散ね。オツカレー」
「お、オイ、ちょっと待て!何かおかしなこと言ったか?なぁリュゼ!」
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『人物紹介5』をお送りしました。
第4部『魔女と狂気の王子(下)』に挿入しようかと思っていましたが、できないようなので、第5部頭に載せる事にしました。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
登場人物は登場回数の多い者のみ載せています。
(載せてほしい人物があればリクエスト受け付けます。)
また、登場人物が増え次第追加していきます。
予めご了承ください。




