※裏舞台2※真相に迫る頬のあざ
side:Sistina
※(王太子ウィリアム殿下視点)
いくら此方が被害を被ったからといって、怒りのままに行動を起こせば、それこそ相手の思うツボという場合がある。
今回のような場合がそうだ。
例えば、システィナがライザタニアへ抗議の声を挙げたとしよう。すると、システィナの怒りを受けたライザタニアは責任を取らねばならなくなる。説明責任は勿論、被害に対する賠償などにはなるが、国として抗議する以上、責任を取るのは国主たるライザタニア王だ。しかし、それこそが今回の騒動を引き起こした者の狙いならば、我々はその者の思惑に乗せられた事になるのだ。ムカつくことに。
かといって、抗議もせずに放置すれば、ライザタニアはシスティナを腑抜けと見下すだろう。この度の事件を察知している他国とて、同様の印象を受けるに違いない。なかなかに間々ならぬ状況だ。自国を守り立てる為には相応の対策が必要なのだが、それこそが難題であった。
「何にせよ、彼方の都合の良い動きを見せる訳にはいかん」
これは集まった皆の総意であった。しかし、いや、だからこそ、それ故の動き難さに一同は頭を悩ませていたのだ。我が国が納得いく結果を得る為に、相手方の出方を見なければならないのだから……。
顔を突き合わせた重臣たちの顔色は、いつになく暗い。上座に座しておられる陛下さえ、その威厳に満ちたその表情に暗い影を落とされている。重いカーテンの向こうを叩く雨音と時折聞こえる雷鳴が、我々の心に影を落としているかのようだ。ガラスに写る曇天がまるで心に反映したかのようにも思える。
ーラチもないー
大会議室に集まる面々は各省庁の長官たちを始め、国の大事を決める際に判を必要とする者たちだ。にも関わらず、かれこれ半刻以上も繰り返し行われてきた議題に未だ終止符が打たれる事はなく、延々たる押し問答が途絶えない。いい加減、飽き飽きとしてきたのは何も俺だけではない筈だ。
ただ、それを表に出すのは愚行。表情筋を停止させたまま官吏一人ひとりの顔を観察するが、皆、似たり寄ったりの雰囲気を滲ませている。
「塔の魔女を拉致されたからといって、この場合『誰』に抗議すれば良いのか?ライザタニア王は病床にあり、王宮は第二王子殿下の麾下にあるというが、第二王子殿下の手に裁量権がある訳ではない。ならば第一王子殿下か?それも違うだろう」
と、誰ぞ官吏が問えば……
「ライザタニア王宮へ抗議したところで、魔女を拉致したのが第二王子殿下でなければ返って悪手をひく。『どうぞ侵攻してくれ』と誘っているようなものだ」
と、別の官吏が返す。
「だからと、王宮を離れている第一王子殿下に抗議文を送る訳にもいかんしなぁ……」
と、髭面の長官が顎を撫でれば……
「ですが、第一王子殿下が無関係という訳でもありますまい。ライザタニアの内乱、その首謀者のお一人なのですから」
と、眼鏡が最もらしく宣う。
「王宮を離れ東都に居を移した第一王子殿下がシスティナを侵略せんと動く筈はないと、確か宰相閣下が仰っておいでだったのでは……?」
と、女ったらしが首をかしげれば……
「それは何とも大胆な予測を。宰相閣下には何ぞ核心がおありなのかッ⁉︎」
と、ハゲが怒鳴る。
ハゲの言葉を皮切りに後押しの声が上がり始め、忽ち言葉の応酬が始まった。言葉の裏読みをし、歪曲した解釈を真実とばかりに他者へーーいや、敵対勢力の筆頭に責任を擦りつけようとする姑息なやり口だ。敵国相手に生温い対応を取ってきたと言わざるを得ない宰相派閥を、奴らは目の敵にしているのは誰の目にも明らかだ。
しかし、かの宰相は国王陛下の一の忠臣。彼の意志は陛下のご意志だ。そんな事も解らぬとは『頭の悪い連中だ』と言わざるを得ない。
「……やはり、第二王子殿下の策ではないでしょうか?私はそうとしか思えぬのですが、貴殿はどのようにお考えになる?」
催事を担当する礼部の尚書が静かに言葉を紡いだ。首を傾げた尚書の長い黒髪が金の房のついた耳飾りと共に肩に流れる。男とは思えぬきめ細やかな肌。整えられた指先。無駄に煌びやかな装飾品が目に痛い。が、この年齢性別不明の麗人相手に『ここは夜会ではなく職場なのだが』などと小言を口にする者はもういない。無駄だからな。
金縁の丸眼鏡の中にある糸目を向けられた軍務尚書は一瞬チラリと目線だけを向けると、溜息混じりに口を開いた。
「そうとも限らぬ。ライザタニアには第三の組織があるではないか。貴殿も知っているとは思うが……」
「なるほど。神殿ですか」
再び、『神殿』という単語に官吏たちの空気が揺れる。小声で交わされる会話を無視し、礼部尚書はさも憂いを帯びたような表情で首を緩やかに振った。
「神殿の姫巫女なる者は王族に継ぐ権威を持つという。しかも姫巫女が齎す『神託』を王宮も無視できないと聞きますからね?」
「神託の内容如何によっては、王宮もそれ相応の対応が必要となろう」
礼部尚書と軍務尚書の会話から推測される事態を、官吏がそれぞれに口ずさむ。ピーチクパーチクと、まるで木の実に群がる小鳥のようだ。
「魔女の誘拐は神殿の思惑という可能性もあるのか?」
「神殿は何故に魔女を狙った?」
「神殿が魔女を拉致する理由が分からぬ」
「そもそも接点がなかろう?」
「神殿に軍隊が動かせるのかも疑問です」
「信者たちを扇動しているのでは?」
「いや、アルカードを襲った者たちは特別な訓練を受けた者だと聞く」
「亜人だとの情報もあるが」
「神殿の暴走を許すほど、王宮は腐っているのだろうか?」
ライザタニア王宮関連だけでも『病床の現王』、『第一王子』、『第二王子』と三つの勢力が動いている。そこに第四の勢力『神殿』が浮上する事態。情報不足からの誤情報も含めると、この混線した状況に糸口が見えないようにも思えてくる。
「病床のライザタニア王に代わり治世を敷く第二王子殿下は『狂気の王子』との噂ですが、この三年、アルカード襲撃以外に目立った侵攻はございません」
「うむ。無能な王子ならば、三年もの間国に秩序を齎せまいよ」
大声を挙げた訳でもないのにこの騒めきの中、二人の声は自然と耳に届いてくる。礼部尚書の柔らかな声音と軍務尚書の低い声音。浮き足立っていた者たちも二人の会話には注視して耳を傾け始めていた。
「ならば、魔女殿誘拐はやはり第二王子殿下の策である可能性が高いと……?」
礼部尚書の問に軍務尚書は応えない。確証もなく他国の王族を疑う事はできないからだ。内部干渉になってしまう。しかも、それがドコぞのダレかの思惑によって為された策謀ならば、システィナはこの事態を計画したそのダレかの思惑通りに動かされる事になるのだ。
我が国に利がなければ動く理由もなく、利がなければ誘導に乗ってやる義理もない。だからこそ、これ程までに後手に廻っているのだが……。
ー塔の魔女を拉致した目的は?
ーシスティナ侵攻への足掛かりとしたいのか?
ー《結界》の無力化を謀ろうとしているのか?
ー魔女を誑かし、自国に取り込むつもりか?
官吏たちの声は最もであり、誰もが疑問に思うものばかり。しかも、それら疑問における解答用紙は此処にはない。そればかりか、「何故、未だにライザタニアは再侵攻して来ないのか?」との結論にぶち当たり、立ち往生を余儀なくされるのだ。
「《結界》が目的ならば、三年前のように塔の魔女を殺せば良いだけの話。それをせず魔女殿を誘拐したのは何の思惑あっての事か?ーー貴殿の考えを聞かせてくれないか」
鉄壁の無表情、軍務尚書が問う。すると礼部尚書の眼鏡が煌めいた。ほんの一瞬、その糸目が開かれ面白そうに口角が上がったのを、俺は見逃さなかった。
「あくまで個人的な見解ですが……やはり、内部干渉させぬ為ではないでしょうか?」
「貴殿のいう『内部干渉』とは……?」
「……ライザタニア王のご病気、第一王子殿下と第二王子殿下お二人の王子の対立、神殿の暴走……ライザタニアは未曾有の混乱に晒されています。そこを転機だと突いてくる隣国を牽制しなければなりませんでしょう?」
「成る程。貴殿は、魔女殿誘拐はその為の布石だと仰るか。我が国の介入を防ぐ為の……」
礼部尚書は是とは答えず僅かに唇を和らげるに留めた。今はあくまでも個人的な意見交換の場。それを理由に未だ陛下は一言も言葉をかわされてはいない。ただ座して、じっと臣下たちの言葉に耳を傾けておられるのみ。ただ、陛下の側にある宰相閣下をも口をつぐまれているのは、些か不気味ではある。
彼は宰相に向けられた不平不満の言葉にすら反応していない。反応しているのは、彼の部下である宰相府の官吏ばかり。
「貴殿は、軍務尚書はどうするのが最善たと思われる?」
「……それは『魔女殿を助けるかどうか』という事か?」
「ええ。それもありますが……」
礼部尚書が眉根を顰めやや口を濁したその時、別の声が横槍を入れた。
「お見捨てになるおつもりですか⁉︎」
どこぞの若い官吏から非難の声。
「魔女殿が塔を守護なさるからこそ、この国は近隣諸国からの脅威を受けずにいるのです。彼女たちがおらねば、我が国は今も戦乱の渦中にありましょう!それを……」
確か彼はつい先頃、魔導省の副官に抜擢された者だな。まだ二十代半ばでの副官の座にあるのだ。頭の出来は良いのだろう。だが如何せん、言葉の駆け引きというものが苦手なようではあるが。
軍務尚書や礼部尚書のように一国の組織の長官にまで登り詰めた高級官僚たちは、当然ながら独自の情報網を持つ。王宮は貴族社会の縮図なのだ。他国に縁を持つ者も多い。いくらライザタニアの情報が少ないといっても、収集しようとするから幾らでも手段はある。
二人の長官たちは、自らの持つ情報を小出しにしながら言葉遊びをしつつ、情報のすり合わせを行なっているに違いない。情報一つとってもそれをどのように受け取るか、どのように受け取らせるかは、その者の手腕にかかってくるという事を知るが故の言動だろう。
一方のこの若き副長官。彼ら魔導士は知識を尊び、言葉を操る事の得意な者が多いと思われるが、実際には知識重視なだけに何処か一点特化したーーいや、言葉を暈すのはやめようか。魔法や魔術にのみ興味を持ち、執着する奇人変人が多い。他者と関わるよりも自己に向き合う時間が長いだけに、他者とのコミュニケーションが苦手なのだ。だからこそ、二人の長官たちの遣り取りの意味が分からなかった。今回のは多分そういう事なのだろう。
「あんまりではありませんか!これ以上、魔女殿の尊厳を踏みにじる権利が我々にありましょうか?これまでも散々魔女殿を利用しておきながら、いざ国に利とならぬならば切り捨てる等と……!そもそも、我が同胞が魔女殿を罵った事が発端だと言われたらそれまでです。ですが、これでは余りにも魔女者が不憫でなりませんっ!」
拳を握って力説する若き副長官。その必死の訴えにも関わらず、長官たちの会話を遮った代償とばかりに、他の官吏たちの視線は冷たい。
暫くすると自身の置かれた状況を察し、知らず針の筵に座らされていた若き副長官は、周囲からの視線に赤かった顔を青く変色させていくがーーもうそろそろ良い頃合だろう。ここは一つ、助け舟を出そうか。
「見捨てる訳がなかろう。でなければ、陛下が東の奇行をみすみすお見逃しになる筈がない」
ーーですよね?陛下。
わざと声音を強調させて問えば、狙い通りザワリと周囲が騒ついた。即座に皆の視線が俺へ、そしてシスティナ王陛下へと集中する。
かく云う俺も陛下の横顔を見遣ったが、すぐに目線を外した。いつも余裕ある表情を崩さぬ陛下だが、今日はどことなく平静でなく見えるのは、俺が陛下の息子だからだろうな。逆に言えば、家族として接する機会がなければ気づかなかったに違いない。それほど些細な表情の変化。
ー父上。その頬のあざ、どうなされたのですか?ー
放って置いても治る程度の赤いあざ。だが、それを一国の王たる者がつけたまま放って置くのは、明らかにオカシイ。どう考えてもワザと治していないのが丸わかりだ。
ー母上の仕業か?ー
納得からの嘆息。ま、それしか思いつかないがな。
きっと、王宮の沸切らぬ態度に痺れを切らした王妃殿下が国王陛下を問い質し、漸く知らされた真実に大激怒。その結果、久々の夫婦喧嘩と相成ったという所だろう。
ああ見えて陛下は王妃に甘い。ーーいや、この国の男の殆どが女に甘いのではなかろうか。女にカッコイイ所を見せたくて張り切るあまり、最終的には女に尻に惹かれ、尻尾を振るようになってしまうのだ。度し難い性癖だと思うが仕方がない。その濃い血が私にも流れているのだから。
そもそも、考えればすぐに分かる事だった。
何故、陛下が隣国へ使者をやらぬのか。
何故、陛下が隣国へ抗議せぬのか。
何故、陛下が隣国を攻め込まぬのか。
一見、弱腰に見えた陛下の態度、それら一つひとつに疑問を持つべきだったのだ。我が国の国王は、それ程甘い人ではない。それを知っているならば。
陛下は隣国から狙われる我がシスティナを三十年に渡り守護しておられる。その守護者たる顔が甘いモノである筈がない。時に苛烈とまで云える態度で、時に辛辣だと思わせる言動で、時に残酷だと震撼する政策で、陛下は我が国に平和な治世を布いておられる。その様な陛下が、隣国ライザタニアの暴挙を甘んじて受けておられるのだ。どう考えてもオカシイだろう、そんな事は。無害なら兎も角も、我が国にも多大な被害が出ているのだ。
「既に、お気づきなのでしょう?」
敢えて『何を』とは言わない。だが、この言葉のみで私の意図は伝わった。度し難い血が、親子の縁が意思疎通をスムーズにしている。間髪入れずに入った返答こそがその証拠だ。
「ああ。かの地にある騎士団、その一部隊が動いているのは知っていた。ーーが、それは特段、注意すべきモノではなかろう。お前が指揮を執っているのだから……」
ーやはりー
陛下の目は王都近郊に留まらず、システィナ各地を見通しておられる。どんな小さな領地のどんな小さな事件であろうとも、その些事を掴んでおられるだろう。ならば、現在、最も注視すべきアルカードの動向など、筒抜けに違いない。
だが、国王陛下と王太子との会話に驚きを隠せぬ官吏とているもので、平然と受け止めている長官たちの周囲には、あからさまに顔を顰める者の姿も見て取れた。
「やはりご存知でしたか?」
「知らぬ筈がない」
「ならばご説明を。我が独走を許し賜うた理由をお教えください」
恭順の礼。胸に手を押し当て、恭しく頭を下げれば、頭の上に「よかろう」と陛下の呟きが落ちた。その声に何処となく疲れが読み取れ、私は表情も変えぬままに内心ほくそ笑んだ。
「あれはもう三年前の事だーー……」
そうして語られた真実は、我々の心に驚きと焦りとを浮き上がらせた。
前宰相サリアン公爵と前軍務省長官バークレー侯爵との密約。利益協力。利益供与。隣国ライザタニアの王子たちはアルカードに縁のあるバークレー侯爵に助けを求め、バークレー侯爵はライザタニア移民と共に一人のライザタニア王族を受け入れた。その後、バークレー侯爵は密売組織とも繋がるりを持ち、魔宝具を通じてライザタニアと繋がりを持つ。それら全てがサリアン公爵の指示であった。
更に、サリアン公爵は自身の娘を『東の塔の魔女』に据えた上で掌握し、そのままライザタニアに侵攻をかけるつもりでいたとのこと。
サリアン公爵捕縛後も一度交わされた密約は途切れる事はなく、バークレー侯爵もまた自身に課せられた使命を胸に、国内の不穏分子を集めてアルカードへ集結し、そのままライザタニアへ仕掛けて全てを一掃しようとしていた。
ーまさかこれ程とは……!ー
自身を罪人に陥してまで、己が忠誠を貫くサリアン公爵のシスティナ貴族としての矜持に、私は頭を押さえつけられる思いになった。
サリアン公爵は一時の感情でーー王家を蔑め、自身が王位を得る為に暗躍した件ーー大罪を犯したのだと、事件の表面しか見ずにいた自身の浅慮さには、ほとほと嫌気がさす。
国王陛下の言葉に、私の中に築かれていた『前宰相サリアン公爵』という為人が崩れ去る。
もしかすると、サリアン公爵が件の事件を起こした理由には、未だとんでもない裏が潜んでいるのではないか。だとすれば、公爵が悪の魔導士と関わりを持った理由は、私の考えていた理由とは全く違うのではなかろうか。ーー次々と湧き出る想像の渦に飲み込まれそうになったその時、渦を真っ二つに斬り裂くが如く、陛下の言葉が光となって放たれた。
「我が国は些か慎重になり過ぎた。動くのが遅過ぎたのだ。だが、それは全て私の判断によるところ。皆にはいらぬ心配をかけたと思う。ーーが、これが皆に相談を持ちかけなかった理由だ。如何なる理由があろうとも、罪人であるサリアン公爵を表に出す訳にはいかぬ。彼の策をーーいや、彼自身を重宝したと言われかねん。だが、それは間違いだ。彼は大罪を犯した反逆者なれど、我が国を長年率いてきた宰相でもある。その彼が交わした約束。それを公爵が宰相位を降りたからと反故にして良い訳がない。何故ならこれは、国家間で交わされた約束であるからだ」
国家間で交わされた約束。例え密約であろうとも、一国の宰相と一国の王子とが交わした約束は法的な拘束力を持つ。担当替えを理由に反故するなど、あってはならない。その密約が我が国と隣国との平和に少なからず影響を与えるモノなれば余計に。
憶測だが、陛下はサリアン公爵の暴虐なる行動の数々、その理由に見当がついておられるのだ。そして、アルヴァント公爵もまた、サリアン公爵から後を任されている。
「だからこそ、私は東の行動を黙認した」
黙認。それは積極的でなくとも支援した事に他ならない。
「我が意志に否を唱える者はあるか?……そうか。ならば、次に進めよう。我が国が腐っておらぬ事を近隣諸国へと示さねばならぬからな」
有無を言わさぬ眼光が飛び、押し黙る重臣たち。
陛下は一瞥する事なく決断を下すと、コツンとテーブルを爪で弾いた。すかさず陛下の側近たちから配られる書類の束。それを捲り中を確認する臣下たちの表情には、最早、それまでの焦りや苛立ち、恐れや不安は消え去っていた。
ー未来は示されたー
協力なリーダーシップを持つ国王陛下に手綱を引かれた忠臣たち。我々の意志を一つに束ね、陛下は我々を未来へ導かれる。だからこそーー
ー彼らは陛下、貴方を敬愛してやまないのですー
それは陛下の息子たる私も同じ。貴方に認められる王太子となるべく足掻き、努力する。自身の思い描く未来を現実のものとする為に……!
お読み頂きまして、ありがとうございます。
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裏舞台2『真相に迫る頬のあざ』をお送りしました。
いよいよシスティナでも、ライザタニア対策とも取れる動きが活発になってきました。そして現在進行中の作戦ーーアルカードを拠点とした『東の塔の魔女』奪還と、それに付随する作戦が公のものとなり、本格的に動き出します。
伸ばされた手は、記憶を失くした魔女へ届くのか?
次話も是非ご覧ください!




