本当の貴方はどちらなの?
「もう!信じられないっ」
ぼす、ぼす、ぼす……と、アーリアは長椅子の上のクッションに向かって何度も拳を叩きつけた。
「あの王子、私の事を拾ってきた子猫か何かだと思ってるかな!?」
まさか!とアーリアは毒づいた。
ライザタニアにやって来て以降、アーリアには食欲がなかった。元々は怪我の所為で落ちていた食欲だったが、傷が塞がり初め熱も引いてからも、失った食欲が回復する事はなかった。特に固形物が身体を受け付けずにいたのだ。その為、毎食スープ生活という病人のような生活を送っていた。
にも関わらず『あの王子』ーーシュバルツェ殿下は食欲のないアーリアに食事を無理強いした。何をしたのかと言えば、なんと、アーリアの口内に肉の乗ったスプーンを突っ込んだのだ。しかも……
「口移しなんて、あり得ない……!」
ボスリとアーリアはクッションの中に顔を埋めると放った言葉もクッションの中に吸い込まれていった。
『飲み込めないから要らない』と断るアーリアに対し、シュバルツェ殿下は自らの口の中で肉を咀嚼すると、それを口移しでアーリアへと食べさせようとしたのだ。
勿論、アーリアは抵抗した。慌てて椅子から立ち上がり、猛ダッシュを決めたのだ。しかし、シュバルツェ殿下はそんなアーリアの背に余裕で追い付くと、扉の前でアーリアを捕らえ、そのままアーリアの顔を上無かせて唇を重ねてきたのだ。口を塞がれたアーリアはムームーと虚しく呻く事しかできず、口の中で移された肉を嚥下させられた。そうしてやっと唇が離れた時、アーリアは涙目であった。だが、シュバルツェ殿下はアーリアの目線など構いもせずーーいや、それどころか楽しげに嗤うと……
『そんなに嫌ならしっかり食べる事だな』
と宣うと、アーリアの唇を己の親指で拭った。
「~~~~!」
柔らかな唇の感触やヌルリと舌が口の中を這う感触が思い出され、アーリアはクッションに顔を埋めながら身悶えた。
ーぼすぼすぼすぼす……ー
朝から何度叩いたかしれないクッションは最早当初の面影はない。中から羽が出ていないのが奇跡なほどヨレヨレになっていた。
恋愛のいろはも知らないアーリアだが、世間のお嬢様同様に恋愛小説を嗜むお年頃なのだ。しかも、最近では美麗治療士アリストルの勧めで恋愛小説を沢山読まされていた事もあり、ほんの少しだけ『恋愛』というモノに憧れを抱くようになっていた。
『乙女にとってキスは特別なモノなのよ?』
唇に人差し指を付けてウフフと笑う美麗治療士の笑顔はそれはそれは眼福だった。
「特別……⁇」
ボスともう一度だけ叩くとアーリアはハァと溜め息を吐いた。その途端、激しい頭痛と目眩が襲いきて、アーリアはくっと苦しげに目を閉じた。それは、魔女が暴れださない為の枷だった。感情が昂ると体内の魔力と魔宝具とが同調し、一定以上の魔力を感知すると魔宝具が発動し、自動的に吸い取っていくのだ。
首に嵌められた《隷属》の魔宝具を目に留めて、アーリアはまたハァと溜め息を吐いた。魔宝具の効果は一律なのだが、アーリアの体内で生成される魔力には限りがある。魔力とは朝が一番充実していて、夜に向かって徐々に減っていくものなのだが、平時ならその消費は気づかぬほど微々たる量。しかし、今は魔宝具の効果により僅かではない量の魔力が消費させられていた。朝はまだ余裕があるのだが、午後を過ぎれば転がる坂のように魔力が尽きていく。それに伴い、身体を動かす事も億劫となっていく。
「いいや。このまま寝ちゃえ」
どうせやる事もない。寝れば魔力も回復される。そう考えると、アーリアはクッションを胸の中に抱え込んで広い長椅子へと寝転がった。すると、さわさわと心地好い風が僅かに開けられた天窓からもたらされ、だんだんと睡魔が忍び寄ってきた。
アーリアは食べて寝るだけの生活なら後宮でも牢屋でも同じことだと考えていた。後宮の方が柔らかな布団がある分、有りがたくはあったが。
ー但し、あの変態王子さえいなければ!ー
変態セイの上司はドシガタイ変態だった。『類は友を呼ぶ』ならぬ、『上司は部下を呼ぶ』ではないだろうか。それがこの数日間でアーリアが悟った真実だった。
セイの雇い主に出会ったならば、文句の一つでも言わなければ収まらない!と意気込んでいたアーリアであったが、雇い主が凶悪で変態な王子様であった為に完全に尻込みしてしまっていた。流石に昨夜はキレて『この変態王子!』と罵りながら暴れてしまったアーリアであったが、本当なら、この王宮ごと丸焦げにしてやりたい気分であったのだ。
アーリアは第二王子殿下と出会ってから今の今まで先手を取られっぱなしであり、これからも取られっぱなしではないだろうかとの疑念に駆られていた。しかし目下、アーリアの目標は『タダで変態王子の役になど立ってなるものか!』であった。
現在、アーリアは第二王子殿下に生死を握られている現状だが、件の第二王子殿下は『今はまだ』アーリアをーー『システィナの魔女』を殺す気はないようであった。この先、第二王子殿下がシスティナの魔女をどんな用途に使用する考えかは知れないが、第二王子殿下は魔女に餌付けするくらいだ。捕らえた魔女に望むのは『生』であって『死』ではない。ならば……
ーまだ、私にも出来る事があるはずー
『祖国システィナの為に自死を選ぶか?』
『大切な者を残して逝くのか?』
そうシュバルツェ殿下に問われた時、アーリアは心の奥底から『イヤだ』と叫んだ。同時に、大切な護衛騎士の顔が思い浮かんだ。
『次に会うときまでに考えておいてよ。僕が何故ーー……』
頭に響く言葉を最後まで聞かず、ギュッと目をきつく閉じ、アーリアはイヤイヤをするように頭を左右に降った。脳裏に浮かんだ者の顔を掻き消すように、強く、強く……!
「もう、会えない……」
ーー私にはもう、会う資格がないの。
知らずポロリと流れる水滴がクッションを濡らす。
アーリアはクッションに顔を埋めると、夢へと誘う睡魔の手を取り、自ら深い闇へと落ちていった。
※※※※※※※※※※
夕刻。まだ陽の落ちぬ時刻、後宮唯一の王族が帰還を果たした。
護衛の騎士たちに伴われ、何十ものセキュリティを抜けて来宮したその青年に、侍従、侍女たちは頭を垂れていく。
「お帰りなさいませ、殿下」
「変わった事は?」
「特にございません」
「そうか」
後宮の主ーー第二王子シュバルツェ殿下は侍従長へと上着を手渡しながらその日一日の報告を受ける。『狂気の王子』と知られる第二王子だが、侍従や侍女に対して横暴な振る舞いをする事はない。報告や指示も実に的確であり、侍従たちを困らせる事などなく、現場責任者に全幅の信頼を寄せ任せる体制をとる殿下は、彼らにとっては正に『理想の上司』であったのだ。
「子猫は?」
「あちらの室に居られます」
「体調は?食事はとったか?」
「昼にはフルーツとリゾットを少し。やはりあまり食欲がないご様子でございますね」
一日、二日で体調が改善される筈はないと分かってはいても、シュバルツェ殿下にとってはどうしても歯痒く感じるものであり、そう感じる度に『普通の人間の身体とはかくも弱いモノか』と独言を溢してしまうのだ。ライザタニア国民の血には多かれ少なかれ妖精族の血が流れている為に頑丈で丈夫、しかも長命だ。だから、どうしても基準が自分たちの身体になってしまいがちであった。
「他には?」
「そうでございますね……」
そこで侍従長は「あ!」と何かを思い出したかのように声をあげた。
「なんだ?」
「侍女が申しますには、『アーリア様の背には大きな傷があり、それがまだ塞がりきって居らぬのではないか』と……」
「傷……」
「『清水で清め、新しい包帯を巻き直した』との報告もありました。薬などは処方しておりません」
「治療士に診せん事には薬など出せぬからな」
「では明日にでも治療士様をお呼び致しますか?」
「手配を」
「畏まりました」
「あぁ、それと……」
シュバルツェ殿下の指示を受け、頭を下げてその場を後にしようとした侍従長を再度呼び止め、更に二三言付けをすると、王子殿下は保護した子猫の居る部屋の扉をノックもなく開けた。
※※※
「ーーん?」
ガチャリとドアノブを引いて入ったシュバルツェ殿下は、その部屋に件の魔女の姿が無い事に訝しんだ。視線を左右上下に巡らせ魔法や魔術の気配がない事を確認すると、ズカズカと部屋の中へ入っていく。女性が過ごす部屋への無断進入する行為はとても紳士のソレとは思えぬ行為なのだが、この後宮に於いてシュバルツェ殿下を咎める者などいない。侍従や侍女に至っては『知らぬ存ぜぬ』を通している。
「魔女……?」
昨夜、シュバルツェ殿下が嫌がる魔女に餌付けしたが為に、魔女は堰を切ったように第二王子殿下を『変態王子』と罵り、身体のあちこちに小さな引っ掻き傷をつけ、更には紙とペンを使って魔術を発動させて大暴れしたのは記憶に新しい。その為、流石の変態王子も部屋に入る事に警戒を表したという訳だが、待てど暮らせど魔女からの攻撃も口撃もない事には、疑問符を浮かべさるを得なかった。
シュバルツェ殿下が魔女を後宮で飼ってから三日。当初、魔女は第二王子殿下を盛大に警戒していた。拉致監禁された当人としては当たり前の警戒心だ。だが、昨夜の出来事によってその警戒心は変質を遂げた。無理矢理餌付けされた事によって警戒心よりも羞恥心の方が勝ったのだ。顔を真っ赤にして怒り憤る魔女に、シュバルツェ殿下は眉を吊り上げるーー事はなく、口角が上がりっぱなしだった。『なんと初々しい反応か』と。
ーあれほど嫌がるとはな?ー
たかが唇一つ奪っただけではないか。しかも、その行為が餌付けならば『口づけ』にも入らない。シュバルツェ殿下からすれば、自ら口にした食事を与える事で『毒など入ってはいない』と示しただけに過ぎなかったのだ。
そう考えていたのは当のシュバルツェ殿下だけ。側に控えていた侍従長も見て見ぬふりを決め込みながらも、『殿下、それは頂けませんよ』などと心の中では総ツッコミを入れていたのだから。
「さて、どこに居るのか……?」
後宮より外へ逃げたとは考え難い。いくら魔女がライザタニア軍の侵入をただ一人の力で食い止めている力ある魔導士だと云えど、魔力を封じられている現状では大した事はできぬはず。しかも、敵国の中枢に於いて騒動を起こすのは全く得策ではない事は、当の魔女が一番理解している。敵国でか弱い女が一人、地理も判らず、文化も知らず……見知らぬ地を横断し、自国システィナまで帰る事は容易ではないのだ。距離も勿論だが、旅には路銀も必要となるのだから。
本来なら、ライザタニアが『システィナの魔女』を捕らえたならば『捕虜』として牢に繋ぐのが正しい扱いだろう。しかし、直ちにそうしなかったのは、シュバルツェ殿下がこれでも魔女に対して『敬意』を持っていたからに他ならない。
ー阿呆な貴族共に殺される訳にもいかんー
第二王子殿下がシスティナから『塔の魔女』を拉致してから一月余りが経つ。だが、システィナから親書ーーいや、親書という名の『陳述書』の類は届けられてはいなかった。そう、システィナは未だ『うちの魔女返せ』との文句一つすら言って来ていないのだ。それは即ち、システィナはライザタニアの内情が未だに掴めていない事に他ならず、加えて、『塔の魔女の拉致』という事態に於いて『システィナは隠蔽する気で居るのではないか』との疑惑を生んでやまないものであった。
軍事都市の襲撃と魔女の拉致。これをシスティナは敵国ライザタニアの仕業だとの断定は済んだとは思われる昨今、今後、隣国システィナはどう動くかのだろうか。
一つ、表沙汰にして真正面から叩いてくる。
一つ、表沙汰にせず、知らぬ存ぜぬを突き通す。
一つ、表沙汰にせぬまま背後から叩いてくる。
一つ、他国と連合を組んで経済面から叩いてくる。
ナドナド、その予想は多岐に渡るが、第二王子シュバルツェ殿下は事態の首謀者でありながら、それらを自由に選ぶ権利を手にしていた。いや、システィナを意のままに動かす策を持っていたのだ。
「……あぁ、このような所におったか」
シュバルツェ殿下は中庭に面した部屋に置かれた長椅子の上に探し人を見つけると、知らず、安堵の息を吐いていた。
魔女の為に設えた後宮の一角。貴族のセカンドハウス程度の広さを持つ宮。その宮の暖かな日差しが差し込む部屋には、大小様々な椅子と幾つかの卓、壁面には広いジャンルをカバーする本が並べられた本棚と、なかなかに過ごしやすい空間が広がる。中庭に面した硝子窓には施錠されており、自由に外へ出ることは儘ならないが、開閉式の天窓からの換気は可能。読書や団欒したりするには居心地の良い空間であった。
「やはり子猫ではないか?」
シュバルツェ殿下は「リヒャルトはとやかく言っておったがな」と呟くと、魔女の居る長椅子へと静かに近づいた。魔女はーー子猫はシュバルツェ殿下が近寄っても逃げなかった。何故なら、子猫は長椅子の上に小さく丸まって、スヤスヤと寝息を立てていたからだ。
シュバルツェ殿下は魔女と同じ長椅子の端に腰を下ろすと、魔女のその柔らかな白髪に指を差し込んだ。サラサラと絹の糸のような髪は指の間を清水のように流れていく。頬や頭を優しく撫で梳けばふにゃふにゃと顔を緩める。その仕草は正に子猫と言えよう。
「さて、何の夢を見ているのであろう?」
ー夢の中ぐらいは心穏やかであればよいー
『狂気の殿下』の異名を持つ王子殿下は、態々子猫の眠りを妨げる事などせず、子猫が起きるまでその隣で見守り続けたのであった。
※※※
その後、目を覚ましたアーリアは、あれほど変態と罵った第二殿下の膝を枕にして眠っていた事に驚きを隠せなかった。シュバルツェ殿下と云えば、アーリアの髪を片手で好きなように手慰みながら書類に目を通しているではないか。
「起きたか?」
「な⁉︎ ででで殿下っ⁉︎」
「なんだ?今日は変態王子とは呼ばぬのか?」
「っ!」
「ハハハ。そのように急に動かずとも良いぞ?」
尻尾を踏まれた子猫のように毛を逆立て飛び降りようとするアーリアを、シュバルツェ殿下の腕が素早く掴んだ。そして、細腰に腕を回して引き寄せると、そのまま膝の上に乗せた。
「子猫は主人の膝の上で休むがよい」
「だ、誰が子猫ーー⁉︎」
「貴様だが?」
「~~~~!」
シュバルツェ殿下は子猫の抗議の声を無視すると、膝に抱いた子猫の乱れた髪を撫でつけ、首から背へと流し、一房手に取るとやんわりと口づけを落とす。その一連の動作に借りてきた猫のように固まる子猫。冷や汗を流して固まる子猫に飼主は満足した笑みを浮かべると、血色の良い唇の端を開け「そうそう……」と話し始めた。
「今夜の晩餐は楽しみにしていろ?」
「え……?」
「そう怯えずともよい。女どもの喜ぶらしいモノを用意させた」
「え……?」
昨晩の出来事があるだけに、アーリアの警戒心は最高長に上がっていた。『また何か良からぬ事をされるのだろうか』と内心どころか身体をびくびくさせるアーリアだったが、実際にはそれは杞憂であった。
何故か虜囚の身である敵国の魔女と晩餐を共にしたがるシュバルツェ殿下。この晩もアーリアの咳はシュバルツェ殿下の側にあった。しかし、この日、この晩ばかりは、宿敵シュバルツェ殿下の存在など気にもならなかった。目の前に広がる美しい光景に、アーリアは魅せられてしまっていたからだ。
「!」
生クリームが乗ったふわふわのケーキ。生クリーム乗せプディング。生クリーム乗せフルーツ盛り。晩餐と謳いながら、アーリアの前で並べられた料理はお茶会のソレ。それらの料理を前にキラキラした目線を向けるアーリアに、シュバルツェ殿下もどこかご満悦の表情。「どうだ?これならば口にできるだろう?」等とドヤ顔で言おうとしたシュバルツェ殿下の台詞を遮るように、アーリアが先に口を開いた。
「殿下、これ……?」
「食せ。毒など入っていない」
ゴクリと生唾を飲むアーリア。生クリームとシュバルツェ殿下の顔を見比べながらどうするべきかと悩んでいる。シュバルツェ殿下はそんなアーリアの苦悩顔にニヤリと意地悪く笑うと、徐に、匙を生クリームケーキに突っ込んだ。その行為に「あ!」とアーリアが口を開けマヌケ顔を晒していると、その口内にシュバルツェ殿下は生クリームケーキを乗せた匙を突っ込んだ。
あ、しまった。昨晩はこれで暴れだしたのだったな。ーーそう思い至ったシュバルツェ殿下ではあったが、その考えも杞憂に終わる。子猫は飼主からの餌付けを受け、生クリームを口の中に頬張るや否や、言葉もなく身悶え、頬をトロンと緩めたのだ。
「……旨いか?」
肯定したい。だが、ニヤニヤと王族らしからぬ嫌らしい笑みを浮かべるシュバルツェ殿下には、素直に返事をしたくない。アーリアは暫く葛藤した上、やはり言葉もなく首を縦に降ったのだった。
「そうか。なら、我が食べさせてやろう」
「け、結構です!自分で食べれますから!」
「ハハハ。遠慮するな」
「遠慮なんてしていません!」
嫌がるアーリアに嬉しげなシュバルツェ殿下。王宮の晩餐とは言い難い騒がしい晩餐ではあったが、それを咎める者はこの場には誰もいない。
アーリアはこの晩、本心のまるで見えない『第二王子殿下』という人柄について、再考するのであった。
ー本当の貴方はどちらなの?ー
……と。
お読み頂きまして、ありがとうございます!
ブックマーク登録、感想、評価など、とてもとても嬉しいです!!ありがとうございます╰(*´︶`*)╯♡
※たまに読み直して誤字脱字などの修正を行なっていますが、もし、宜しければ、お時間あります時に教えて頂ければ幸いです!
『本当の貴方はどちらなの?』をお送りしました。
第二王子殿下の子猫として飼われ始めたアーリア。飼主であるシュバルツェ殿下の奇行に振り回され、子猫はグッタリとお疲れ気味です。しかも、捕虜であるはずが中途半端な客人対応を受ける現状には、子猫の思考も対応も追いつかず……。
まだまだ第二王子殿下の奇行は続きそうです。
次話も是非ご覧ください!




