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魔宝石物語  作者: かうる
魔女と塔の騎士団
234/497

魔女と契約1

※東の塔の騎士団編※

 森の中に聳え立つ巨塔。システィナの東の国境を守る『東の塔』だ。中心に一際ひときわ太く高い塔があり、その両側に立つ二本の塔は中央に立つ塔を支えるように立っている。重厚感があり且つ荘厳な佇まいはまるで神々に祈りを捧げる神殿のようだ。

『東の塔』は城と呼んでも遜色のない複合建造物。真白に輝く漆喰の壁。屋根瓦は東を示す青。塔の周囲を囲む柵は、正門の石柱を支点として円状に建てられており、柱と柱との間には金属の飾り細工が施されている。花を模した飾り細工は刺繍のように緻密で鮮やかだ。漆喰の壁にはステンドグラスが飾り窓として嵌められており、晴れた日には神秘的な美しを醸し出していた。

 ライザタニアとの戦争で『東の塔』はその渦中にあったが、塔はどこも壊された跡はない。その事からも塔を守る騎士たちの誇りと執念を感じる事ができた。


 アーリアは『東の塔』の掃除を終えると塔の内部に虫除けの香を焚き、一室ずつに《状態維持》の術を施していった。今は使う人のいない部屋だが、次の管理者の為に出来る限り美しい状態で受け渡したいという狙いがあった。出来ればもうここに囚われる管理者が現れぬ事を祈るばかり。しかし、前任者の遺した塔が荒れて朽ち果てる事を希みはしなかった。


 アーリアが作業を終了させ塔の正面扉から外へ出ると、そこには思わぬ人物が待ち受けていた。


「やぁ、アーリア」


 ウィリアム殿下はアーリアに向けて軽く手を挙げてきた。


「ウィリアム殿下!何かご用がありましたか?」

「いやなに。帰る前に一度、『東の塔』を見ておこうと思ってな」


 そう言いながらウィリアム殿下は、眼前に聳え立つ『東の塔』の真下から頂上へ向けて視線を動かした。


「見事な塔だな。これほど美しく保たれているとは思わなかった」


 アーリアはウィリアム殿下の感嘆の声に同意した。『北の塔』へ訪れた事のあるアーリアだが、湖と雪に囲まれた『北の塔』よりも森の木々に囲まれた『東の塔』の方が、圧倒的に美しく思えたのだ。


「アーリア、この塔には王太子わたしであっても入る事を許されないのか?」


 ウィリアム殿下は視線を塔からアーリアへと移動させた。アーリアはウィリアム殿下の言葉に「はい」と一言で返した。


「それは『東の塔』のーー《結界》の機密を守る為か?」

「はい、殿下。それは即ち国民の平和の為、いてはシスティナ国の未来の為です」


 たとえ王太子からの命令であろうと、ライザタニア国軍という脅威が目の前にある限り、この『東の塔』を解放するつもりは毛頭なかった。例えアーリアに罰が下るとしても。


「ならもし、私がこの塔を開け放つように厳命すれば、お前はどうする?お前の行動如何こうどういかんによって、お前の大切な者が傷つくとしたら、お前は……」


 ウィリアム殿下の言葉を受けて、アーリアの瞳が、眉が険しい表情を形作る。困惑、苦痛、苦悩……様々な感情で押し込められたようなその表情。最終的には悲痛感を瞳の中に宿した。


「この《結界》を解く事が、システィナに暮らす人々の幸せに繋がらないのなら、私は……」


 唇の端をキュッと噛み締め、震える右手を左手で覆ったアーリアは、絞り出すように言葉を紡いだ。


「すまない。お前を苦しめたかった訳ではない。許せ」


 ウィリアム殿下はアーリアの震える肩に手を置いて、安心させるようにトントンと叩いた。そしてアーリアの手をそっと握った。

 『もしも』という過程の話であったとしても、王族ーーしかも王太子からの言葉には重みがある。王族の言葉を拒絶する事は即ち『反逆罪』に適応されるからだ。それを知った上で、ウィリアム殿下は敢えてアーリアにこのような意地悪な質問をしたのだ。王族から命が下った場合はどうするのか、と。そうしてでもウィリアム殿下は『東の塔』の管理者たるアーリアの反応を見たかったのだ。


「お前たちもそう怖い顔をするな。俺が可愛い妹を害するハズがなかろうが?」


 ウィリアム殿下はアーリアの肩に手を置いたまま、護衛騎士たちに顔を巡らせた。ウィリアム殿下を守護する近衛騎士ジークフリード、アーリアを守護する護衛騎士リュゼの両名は、王太子であるウィリアム殿下に対して、大変冷ややかな視線を浴びせていたのだ。中でも特に冷たい視線の持ち主はウィリアム殿下の側近ラルフだった。しかもラルフは眼鏡に手を掛けながら、『なんて大人気ない!』とでも言いたげな冷たい視線をウィリアム殿下に寄越してくる始末。


「アーリア。王都でも話していたが、『東の塔』の管理をもう暫くお前に託したい」


 ウィリアム殿下はそんな騎士と側近たちからの塩対応にそっと溜息を吐くと、話を元へ戻した。


「はい。お任せください」


 アーリアは元よりそのつもりだった為にあっさり頷き、ウィリアム殿下からの命令を快諾した。


「塔の定期点検と聞いたが、進捗はどうだ?」

「ほぼ完了しました」

「そうか」


 アーリアの言葉にウィリアム殿下は軽く驚いたが顔には出さず、一番重要な事を訪ねた。


「では、この塔の《結界》だが、どれくらい保ちそうだ?」

「ご心配なく。殿下のご治世の間ーーいいえ、殿下のお孫様がお生まれになるくらいの期間あいだならば、悠に保たれるでしょう」


 そう答えるアーリアの顔には笑み。

 しかし、反対にウィリアム殿下は驚愕を現した。一年、二年の話ではなく、十年、二十年という長期に渡って《結界》を維持できると断言する魔導士に向かって、ウィリアム殿下は思わず詰め寄っていた。


「そんにか⁉︎」

「ええ。それが当初からのーー国王陛下との契約やくそくです」

「陛下と……⁉︎」

「はい」


 約二年半前、アーリアと師匠が国王陛下に相対し、『東の塔』に《結界》を張る事を申し出た時、アーリアは国王陛下とトアル約束を取り交わしていた。


『『東の塔』の《結界》を、王太子殿下の治世の間は保たせる』


 アーリアと国王陛下とは《契約》を取り交わし、見返りとして魔宝石を頂戴した。


「ですから、ウィリアム殿下。殿下のご治世の間にライザタニアとの国交を正常化してくださいね?」


 アーリアからウィリアム殿下に対してのビックリな『お願い』に、ウィリアム殿下を始め、側近ラルフ、数名の近衛騎士たちは驚愕を露わにし、それぞれがマヌケにも口をあんぐりと開けた。


「な、なんという無理難題を……⁉︎ しかも陛下と既に《契約》を結んでいるのなら、王太子わたしに拒否権などないではないかッ⁉︎」


 ウィリアム殿下はアーリアからの脅迫紛いのお願いに、両手を広げて叫んだ。ウィリアム殿下は王太子。しかし、このシスティナの最高権力者は国王陛下なのだ。国王陛下が決定を下した計画に対し、王太子と言えど軽々しく否を唱えられる筈がない。

 しかも、国王陛下は約二年半も前にこの魔女と《契約》まで結んでいるという。それは真に『国を守る』為の契約であり、そう簡単に反故して良いものではない。

 要するに、ウィリアム殿下が『塔』システムを改変しようと考え始めるよりもずっと以前から、国王陛下は『塔』について思案されていたという事になる。


「部下に働かせてておいて上司が仕事をサボるおつもりですか?」

「ぐっ!」


 ワナワナと身体を震わせていたウィリアム殿下はアーリアからの口撃に言葉を詰まらせた。正にその通りだ、と。

 システィナに存在する四つの『塔』ーーその管理者を管理する役目はウィリアム殿下に引き継がれた。塔の管理者だけに辛い任務を押し付けておいて、自分はのほほんと過ごす事など出来はしない。


「アーリア様の仰る事は最もです」

「えぇい、煩いッ!外野は黙っておれッ」


 側近ラルフからの言葉にウィリアム殿下はヤケクソ気味に叫ぶと、かぶりを大きく振った。


「大丈夫ですよ、ウィリアム殿下。貴方様にならお出来になります。それに、国王陛下はご自身にも出来もしない仕事を王太子殿下に押し付けたりはなさいません」

「ラルフ、お前と言うヤツは……!」


 黙れと言われて黙っている様では、ウィリアム殿下の側近など務まる筈がない。ウィリアム殿下は思い立ったら吉日。即決、速攻をモットーにしているのだ。悪を憎んで人を憎まず、など生温いなど正直『糞食らえ!』と思っているので、犯罪者には実に容赦がない。しかも、一人と百人の命なら、例えその一人が身内であろうと切り捨てられる冷徹さをも兼ね備えていた。そして、いざとなれば国の為に自分の身をも捧げる覚悟すら持ち合わせていたのだ。

 そんなウィリアム殿下もたまには暴走する事がある。だからこそ、苦言を呈する事のできる優秀な側近が必要であったのだ。その側近に求められる第一の資質は『権力に靡かぬ鋼の精神力』だ。

 金や権力に溺れる貴族、金や権力に目の眩む貴族、そのような貴族はゴミ同然。己の為だけに擦り寄ってくる貴族は十把一絡げで屑箱行きだ。

 そのような信念を持つ王太子殿下だからこそ、王太子殿下の側近集団には国と王家への並々ならぬ忠誠心に加え、誰にも媚びぬ自尊心を兼ね備えた者しかいなかった。


 アーリアはウィリアム殿下と側近たちのやり取りに、思わずクスリと小さく笑ってしまった。


「殿下の為にも、私はこの《結界》を維持しましょう。ですから、殿下は存分にお仕事なさってくださいね?」


 アーリアは笑顔を浮かべると、ウィリアム殿下に握られている手をアーリアからもそっと握り返した。


 ー仕返しか?仕返しなのか⁉︎ー


 ウィリアム殿下の心中は穏やかではなかった。普段より大人しいアーリアからの思わぬ反撃に、麗しの王子様は顔を盛大に痙攣らせた。

 ウィリアム殿下はアーリアをハメて、エステル帝国の皇太子殿下ユークリウスの下へ囮 兼 駒として送り込んだ前科を持つ。何の事情も知らぬ乙女を魔の巣窟にその身一つで放り込んだのだ。アーリアはあの時の事に対し、システィナへ帰国して以降も恨み言一つ溢して来ない。だがしかし、もしかすると、アーリアの内心は常にウィリアム殿下に対しての激怒で渦巻いていたのではないだろうか。そう思うと、ウィリアム殿下の心中は益々、穏やかではなかった。


「だがな、アーリア。もし、お前に万が一があれば……」


 エステル帝国の時のようなーーいや、それ以上の災難にアーリアが見舞われたならば、この『東の塔』はーー《結界》はどうなるのか。

 その心配事もウィリアム殿下の内心を更に波立たせるものだった。

 アーリアがエステルに捕らえられた時、無常にもシスティナではアーリア個人の命よりも『東の塔』の《結界》の方が心配されていた。その為、システィナは国を挙げてアーリアを『システィナの姫アリア』に偽装工作した程だったのだ。

 また同じような事が起きぬとは断言できない。だからこそ、ウィリアム殿下はその『もしも』に備え、『アーリアを王宮の奥深くで『保護』(意訳)する事も辞さない』とまで考えた事があったのだ。ーーいや、実は今もその考えは常に持っていた。


 ー例えそれが、アーリアの自由と未来を奪う事だとしても……ー


「もしもまた私が狙われ、生命の危機が訪れたとしても、この《結界》が揺るぐ事はないでしょう」


 アーリアは一度目を伏せると、ふと『東の塔』を振り返り見た。


「そんな事が、可能なのか……?」


 ウィリアム殿下は魔女と塔とを交互に見遣った。アーリアの言葉を信じてるならば、この『東の塔』の《結界》は術者の手を完全に離れている事になるのではないか。魔術に疎い殿下には、それが可能なのか俄かに判断できない。

 魔術とは本来、魔術を発動させた術者の手を離れた後ーーつまり《力ある言葉》を唱えた後、即座にその効果を発現させ、効果の終わりを待って終息するものだ。それは攻撃魔術のみに留まらない。《回復》魔術然り、《結界》魔術も然りである。《結界》魔術は《力ある言葉》に魔力が乗せられて初めて発現する。その後は、予め術者本人により設定された効果時間と込められた魔力の消費を待って収束、消失するに至る。その過程を通常とするならば、術を施す魔女が塔に篭り、《結界》が切れぬように張り続ける必要があるといえ、これこそ一般的な常識であった。

 この『東の塔』に施された《結界》もまた、以上と同じ原理なら、今現在、術者本人の魔力を消費しながら発現した状態を維持しているという事になる。逆に言えば、術者からの魔力供給が断たれたならーーそう、術者が死亡したなら、魔力の供給もストップするのが常識なのだ。

 それらの原理を学術的に知るウィリアム殿下にとって、魔女アーリアの発言は晴天の霹靂。『術者が居なくとも魔術は発動し続ける』と非常識を非常識とも思わず言ってのける魔女に、『そんな事は可能なのか』と疑問に思ったのは殿下の反応は、ごく普通のものと言えた。

 驚愕も冷めやらぬまま問われたアーリアは、何故か顔に苦笑を浮かべ、更なる明言を避けた。


「……ですから、その時は私をお見捨てください」


 一人の生命よりも百人の生命を取る。それこそが国主の仕事であり、正しい選択。あえてアーリアはそれを行えとウィリアム殿下に言った。


「アーリア、それは……」

「簡単に死ぬつもりはありません。自殺願望なんてないんです。ーーこう見えて生き汚いんですよ?私」


 アーリアはぎこちなく笑った。


「それでも、私一人のために私の大切な人たちが傷つく姿なんて、見たくないんです」


 アーリアの世界は狭い。その狭い世界の住人を、アーリアは何よりも大切にしていた。

 アーリアの儚い中にも意思のある微笑みを目に留めると、ウィリアム殿下は嗚呼と呻き、一度天を仰いだ。そして、アーリアへと視線を戻したその時にはもう、ウィリアム殿下は王太子として在るべき表情を作っていた。


「アーリア、お前は立派に王太子わたし妹姫いもうとだ。私はお前を愛しく思う」


 聡明で美しく、凛と天に向かい咲く百合のような魔女。『東の塔の魔女』アーリア。大切な者たちの為ならば己の生命をも掛けようと言うアーリアを、ウィリアム殿下は愛おしく思った。そして、出来る事なら、そのような悲しい未来にはならないで欲しいと願うのだった。


 ーお前の為にも、私は全身全霊を掛けようー


 国の為。国民の未来の為。慈悲深き魔女の為に……。



 ※※※



 ウィリアム殿下はアーリアと一通り話し終えると王都オーセンへと帰って行った。『こう見えても多忙なんだ』と冗談めかして言うウィリアム殿下。その悪戯心あふれた台詞セリフから、アーリアはウィリアム殿下に王太子としてではない一面を垣間見る事ができ、心を温かくした。


『どのようにお帰りですか?』


 そう尋ねるのは魔法と魔術の国システィナの王太子殿下には愚問であった。


『ハハハ!魔宝具とは本当に便利な物だなぁ?』


 そう笑って、上着の内ポケットから取り出した赤い宝玉には、緻密な魔術方陣が刻まれていた。それは《転移》の魔術が込められた魔宝具だった。

 トアル魔導士殿が王宮に卸している魔宝具だそうで、王族ーーそれも王位継承権を持つ上位の王族は『緊急用』として常備しているそうなのだ。ウィリアム殿下は魔宝具を『使い捨ての道具』と思っている節があるが、等級10の大魔導士にしか扱うことのできぬ《転移》を込められた魔宝具など、それ一つで貴族の館が立つほどの値がするのだが……。


『安全を金で買った』


 そうイイ笑顔のウィリアム殿下の言は最もだ。王太子殿下という地位につく王子には味方も多いが敵も多い。道中、何処ぞの貴族に雇われた暗殺者に狙われる可能性を考えれば、安全を金で買うのは正しい判断といえる。敵味方関係なく無駄な人死が無いのだから、魔宝具には金以上の価値があると断じる事ができるだろう。

 しかし、この《転移》の魔宝具には大きな欠点がある。使い方を間違えれば犯罪の道具に成り果てるのだ。暗殺を生業にする者がこの魔宝具を使えばどうなるか、想像に難く無い。


『この魔宝具は使い勝手が良すぎる。その為、信用ある者にしか使わせる事はできない』


 そう言うウィリアム殿下はいつになく真剣な表情だった。前宰相サリアン公爵が利用していたトアル変態魔導士。サリアン公爵の命令に従って、白昼堂々、王族を殺害する為に王宮に転移し、土足で乗り込んで来た事件は記憶に新しい。

 この《転移》の魔宝具に限らず魔宝具は、人間の生活を豊かにするも、人間の生活を脅かすも、扱う者の心根一つなのだと、改めて思い知らされる事柄だろう。


「帰っちゃたね、殿下」

「うん……」

「なんだか寂しそうだね?アーリア」

「そう見える?」

「まぁ、ちょっとだけね」


 リュゼはアーリアの頭に手を置くと、くいっと自分の肩に引き寄せた。


「寂しい時は寂しいって言っていいんだよ?」

「うん。ちょっと寂しいかも」

「何だかんだ言っても、殿下って面倒見が良いお兄さんだからね?」


 リュゼは苦笑しそこねたアーリアの額にそっと唇を落とした。その擽ったい感触の正体を知って、アーリアは少し動揺しながらリュゼの顔を仰ぎ見た。


「リュゼ?」

「あ、ごめん。アーリアがあまりにも……」

「あまりにも……?」

「あ〜〜その〜〜、あまりにも寂しそうにしてたからさッ!」


 寂しそうにしていたから慰めたかった。アーリアはリュゼの言葉を素直にそう受け取った。しかし、アーリアが自分の言葉を余りにも素直に受け取るものだから、リュゼは何となくバツの悪そうな表情でアーリアの頭を撫でた。


「あのさ、アーリア。お願いがあるんだけど?」

「私が出来る事なら良いよ?」


 リュゼからこれまで一度も『お願い』された事がないアーリアは、内心ドキドキと胸を高鳴らせていた。声が裏返らなかったのは奇跡だ。そして、ドキドキしながらリュゼの琥珀色の瞳を見つめていると、リュゼはにっこり笑ってアーリアに『初めてのお願い』をしてきた。



「アーリア。僕と《契約》して」





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東の塔の騎士団編『魔女と契約1』をお送りしました。

ウィリアムお兄ちゃんは妹アーリアの事が大変お気に入りのご様子です。猫可愛がりしたい欲求を隠しています。しかしその反面、可愛い妹に国の面倒ごとを押しつけている現実には引け目も持っています。

今、システィナは国の方向性を見出せずにいます。それをどのように打破するべきかとウィリアム殿下は思案中です。


次話『魔女と契約2』も是非ご覧ください!

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