8.騎士団長との邂逅
すいません……今回かなり短いです。
明日はもうちょっと長めに書けるようにします。
結局、梨紅さんの指導役はオルソフィア姫が担当することになった。
というか、最初から無茶な話だったんだ。
ダブルブッキングした上で丁寧に教えるなんていうのは……。
半ばこうなるであろうことを確信してはいたものの、どうしたら良いか分からなかった私は、どちらの約束もすっぽかすという最大の禁忌に打って出てしまった。
……いや、あの時の私の脳みそはどうにかしていたんだろう。
と、今振り返ってみればそう思えるが、あの時の私からすればそれが最善手だったのだろう。
その後、約束をすっぽかされた二人が私の部屋の前で鉢合わせ。
そして、強制的に事情聴取が行われる運びになった。
事情を聞いたオルソフィア姫が、
『なるほど。でしたら、わたしがリク様の勉強を手伝いましょう!その方が効率的でしょう?』
という正論を出したことで、梨紅さん自身もある程度内心の整理がついたのか、オルソフィア姫に一言謝ってから教えてもらうこととなった。
これで授業を受けるのが二人になる、とそう思っていたのだが……。
『うーん、ちょっとリク様はまだこの世界のことを全く理解できてませんね……。しかも字も読めないようですし……しばらくはリク様の勉学を優先しましょう!』
と、オルソフィア姫がそんなことを言い出したがために、私の今回の、というかしばらくの授業はお休みである。
では、その間私は図書室で本でも読んでおけば良いのか?
と、思ったりもしたが、
『キョウマ様のお相手はちゃんと考えてありますので……とりあえずは訓練場に顔を出してください』
と、言われたので、こうやって私は訓練場に足を運んだ。
ここまでの道を教えてくれたのはクルエルなのだが、あいつは恐らくオルソフィア姫のことが心配になってついて行ってしまったのだろう。
そんなことを考えながら、扉を開けるとーーー
「……こんにちは、エルトランド王国近衛騎士団団長、ラウス・エクエス。あなたが、キョウマ、どの?」
と、体育館ほどの広さの部屋に一人、ぽつんと体操座りをした女の子が居たーーー