第一話 私立竜王学園
キーンコーンカーンコーン
「さて高杉、魂を知らないとはどういうことだ」
職員室では、我紅が先生によばれていた
この美女先生は、空野雪路我紅達の担任である
「だから魂っしょ?この心に刻まれた」
「だからそれは違う!その魂はヤンキーの魂だろ!」
「俺、ヤンキーじゃねぇよ」
寂しげな表情で我紅は答える
「霧裂中よ高杉が聞いて呆れるな、ヤンキーじゃなきゃここに居ないとおもうが?」
「だから言ったじゃんか先生!俺は京夜に着いて来ただけだって!」
「まぁいい、お前の身の上話より今はこちらだ、よく聞け、魂とは本来人間が持つ心の事ではない、所謂、力のことだよ」
「ちから?」
「そうだ、我々が使う魂とは簡単に言ってしまえば、超能力、魔法、あとはそうだな…王の力、と言ったところだ」
真剣な眼差しで雪路は言う
「超能力?魔法?なんだよSFの話かよ!」
「簡単に言えばと言っただろう、その本質は一人一人の個性にある」
「個性?」
「そうだ、個性だ。
つまりは、自分の中の根強い気持ちということだ、例えばお前がラーメンを食べたいと思った、だがラーメン屋に一人で行くのは嫌だなーなんてことはないか?」
「いや、ラーメンは一人で食うもんだろ」
「うむ、まぁそれでもよい、ならばその一人で食べるという理念こそ、高杉、お前がもっている個性だ」
「いや全然わからねぇ!」
「なら、お前は喧嘩の時掲げているものはなんだ
ただ暴力に訴えるだけか?」
「こぶし!」
「それが個性だ」
「あーなるほどそういうことね完全に理解した(理解してない)」
我紅は自分の拳を見つめ苦い表情になる
「なぁ先生」
「なんだ」カチッボッ
タバコに火をつけ吸いはじめる雪路
「その魂ってのはみんなもう使えるのか?用は超能力が使えるってことだろ?」
「フゥー、新入生にはまだ無理だ」
「だったらどうやって使えるようになるんだ!?」
「ヤンキーじゃない、さっきそう言わなかったか」
雪路に言われ顔を伏せる我紅
「なんでヤンキーやめたのか聞かせてくれないか」
「……関係ねぇだろ…じゃあもう話は終わったよな先生、俺は帰るぜ」
ガラガラバタン
「フゥー……困った生徒だ」
煙草を灰皿に押し付け火種を消し
頭クシャクシャと掻き乱すと
雪路は静かにパソコンを開く
ーーー校門前ーーー
「よっ!」
「京夜」
「なーに湿気た面してんだよ!」
我紅が校門前に着くと京夜がまっていた