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世界最強ですが?それが何か?  作者: ブラウニー
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65話

どうもです~。しかし、我ながら文章力があまり成長しないな~

「魔神!あれが魔神なのですか!?」


 ソウマの言葉を聞いていたアイスが驚愕を顕わにする。シルヴィアもナーバも言葉に発しないだけでその表情からは十分な動揺が広がっている。


「ま・・・・・じん・・・?」


 言葉の意味が理解できない皇帝は当惑している。


「嫌な予感はしていたのだけれど、まさか本当に魔神だったなんてね」


「姉者もカ、私も御爺様以外でのあれ程の存在規模はソウマ以外初めて見ル」


「疾ッ!」


 そんな中ソウマが捕まれたままの《聖王竜剣ドラゴ・エスパーダ》に更にちからを籠めると《聖王竜剣ドラゴ・エスパーダ》が掴んだままの腕を肩口まで両断する。


「■■■■■」


 しかしソウマが《聖王竜剣ドラゴ・エスパーダ》を振り抜いて腕を両断したその瞬間に切り裂かれた腕が一瞬で元に戻る。


「破ッ!」


 それに一切の動揺を見せず次にソウマが狙ったのは魔神の首だった。横薙ぎ振るわれた《聖王竜剣ドラゴ・エスパーダ》の一撃を魔神は斬撃の進路上に小さな黒い障壁を展開する。迫る斬撃は障壁を苦も無く切り裂いて進むがその斬撃は万分の一秒の遅れを出す。魔神はその瞬間を狙って後方に下がって回避する。


「シルヴィア並の修復力に数千枚の障壁をピンポイントで俺の斬撃位置に置く技量・・・・流石だ。だが、まさかその程度で躱したと思ったのか?」


 そう言ったと同時に魔神の首が半ばまで断ち切れる。しかしその傷も一瞬で元に戻る。


「■■■■■■?」


 魔神は首を傾げながらも今度ははっきりとソウマに意識を向けたようだ。


「■■■■■■■■■■■■■■」


 そして黒い穴しかない顔の部分の口のある個所がひび割れた。その形は顔の端から端までヒビが広がった笑みの形だった。


「!」


 一瞬で魔神の姿が搔き消えたと思った瞬間、魔神はソウマに躍りかかっていた。


「オラァ!」


 それを真っ向迎撃する為にソウマは《聖王竜剣ドラゴ・エスパーダ》を振るう。それを魔神は左腕を振るって弾き飛ばす。弾き飛ばされた剣を即座に切り返して即座に次なる斬撃を見舞う。魔神はその一撃を今度は右手を防ぐ。


「これは!」


 ソウマは驚く。魔神の両腕は鱗で覆われていた。黒く淀んではいたがそれは間違いなく竜の鱗だった。


「(今の威力の斬撃を受け止めるのは並の竜の鱗じゃ不可能だ。かといってただ竜の鱗を似せて見せたもんじゃあねえ。これは本物・・の竜鱗だ。だが何故魔神が竜鱗を使える?)」


 ソウマは心情を表に出さずに次々と斬撃を見舞う。


「・・・・・・」


 しかし、繰り出す斬撃の命中する箇所に悉く竜鱗が発生して斬撃を防いだ。


「馬鹿ナ!?何故奴が竜の鱗を使えル!」


「しかも師匠マスターの一撃を無傷で受けきるなど並の強度ではありません」


「単純に色から判断するなら黒竜でしょうけど黒竜の鱗にあそこまでの強度はないわ。それに元が何であれ本物の竜の鱗を出すってことは魔神って竜なのかしら?」


 ナーバが驚愕に目を見開き動揺する。アイスとシルヴィアは冷静に状況の分析行おうとしている。


「何で魔神はここに現れたのかな?さっきの男の人が魔神だったの?」


 シャルロットが不安そうにしながらもシルヴィアに寄り添うように尋ねる。


「恐らく召喚術と憑依術の合わせ技ね。それと偽神も・・・・ラルクが居れば詳しく分かると思うけど・・・・・・」


「偽神と召喚術と憑依術の合わせ・・・・ですか?」


「恐らくさっきの男は偽神として最初から魔神の力をその身宿していたのでしょうね。元々偽神には本人の才能と神側の協力、それと相性も関係してくる。それでも魔神の力を宿せていたのはほんの一部みたいね。まあそれでも【十騎聖】レベルじゃあ相手にもならなかったみたいだけど・・・・・・けど本命はそこじゃあないわ」


「本命とは?」


 アイスがそう問いを投げた瞬間に闘技場から凄まじい衝撃破が発生する。シルヴィアがシャルロットを抱えて後方に飛ぶ。同じようにナーバとアイスも後方に跳躍する。シルヴィアが視線を向けた先にはオラソが皇帝を抱え上げて避難している光景があった。


「今のは!?」


 アイスが視線を向けた先にはソウマが《聖王竜剣ドラゴ・エスパーダ》を振り抜いて魔神の左腕を斬り飛ばしている光景があった。


「硬いは硬いが・・・・竜王のおっさんの竜鱗には遠く及ばねえな。最初に斬れなかったから安心したのかは知らねえが油断したのか?」


「■■■■?」


 魔神が自らの飛ばされた左腕に視線を向けた瞬間に切り落とされた左腕が浮き上がり魔神の元に飛んでいこうとする。


「■■■」


「この世に斬れないもんは無い!なんて、御大層な事を言うつもりもねえが・・・他の奴よりは少ないつもりだ」


 ソウマが飛来する魔神の左腕の横を通り過ぎる。すると左腕は文字通り塵となって切り刻まれた。


「まあ、そう簡単にはいかねえかな」


 しかし、塵となった左腕は、そのまま塵の状態で魔神の左腕の部分に集まり左腕の形になって復元した。


「■■■■」


 更に、魔神から放たれていた凄まじい圧力が尋常ではない規模で跳ね上がる。今までのが文字通り遊びだったかのような重圧が更に周囲に降りかかる。


「ぐああああああ!?」


 突如降りかかる大瀑布が如き重圧プレッシャーにオラソも堪らず膝をつく。皇帝は既に意識を失っているようだ。いや、皇帝だけでない。闘技場周辺で避難中の住民や兵士はおろか帝都中の民達が魔神の重圧プレッシャーに意識を手放している。


「しょうがないな。シルヴィア!お前の眷属を使って帝都中の人間を遠くに運んでくれ!」


「意外とこれ手間なのだけれど・・・・・」


 シルヴィアは前方に掌をかざす。それを下に向けると掌から真黒な水滴が地面に落ちて染み込むように消えていく。


「《影の軍団オンブラ・コルポ・ダルマータ》」


 次の瞬間、シルヴィアの影の中から無数の影の獣たちが現れる。その数は普段シルヴィアが出現させている獣の数を遥かに凌いでる。影獣達はシルヴィアの影からそれこそ止めどなく湧き出すように出現して帝都中に翔けていく。


「《影獣の女王オンブラ・ベスティア・レジーナ》」


 続いてシルヴィアの姿が変わり始める。シルヴィア自身が変わるのではなく、シルヴィアの来ている漆黒のドレスが変化を始める。首の後ろの襟や腕の裾などのドレスの各所から攻撃的な棘のようなものが無数に出現している。


「・・・・・」


 シルヴィアが無言で掲げていた腕を横に振ると帝都中に散っていた影獣達が一斉に気絶している住民達を銜える。そして住民達を背中に放り投げるように乗せると帝都外に向かって駆け出した。


「それが姉上の使い魔を使う専用の技・・・・・なのですか?」


「まあ、技なんて御大層なものじゃないわよ。普段自由意思に任せているあの子達を私が直接指揮しているだけよ。普段はこんな数出さないから私が直接指揮しないと食べちゃう子もいると思うしね」


 シレッと恐ろしい事を最後に挟んでいくシルヴィア。


「普段からあの子達に躾けてあるの。この格好の私は優しくない・・・・・ってね。稀に私の見てないところで粗相を働く子がいるの。普段の状態の私なら余程のことが無い限り見逃すのだけれど・・・・この格好をしている時の私の命令は絶対遵守よ」


「じゃあ何故技名を言ったのダ?」


 ナーバの首を傾げた無邪気な質問にシルヴィアは可笑しそうに笑って答える。


「ソウマが技名を言った方がカッコイイからだって」


 そのシルヴィアの答えにシャルロット・アイス・ナーバが笑う。


「ソウマらしいね」


「餓鬼だナ」


師匠マスターなら言いそうです」


「・・・・そう言っている間に・・・。ソウマ!帝都の外までは流石にまだ掛かるけれどこの周辺の住民は大体が片付けが終わったわよ!」


「了・・・・・・・解!」


 シルヴィアの言葉を聞いて魔神に一瞬で間合いを詰めたソウマは今までの最大の威力の一撃を大上段で振り下ろした。


 ザバアアアアアアアアン!!!!!!!


 天にも昇る斬撃が闘技場上空の雲が切り裂かれる。ソウマは斬撃の威力を上方向に飛ぶように調整して放った。だが、それでも威力を完全に上だけに向けるのは無理だったようでソウマが振り下ろした斬撃の前方に飛んだ余波は闘技場を両断して更に市街地を数十メートル程両断した。


「結構ちから籠めたんだけどな・・・・・」


 確かに脳天から両断したはずの魔神は既に何事も無かったかのように佇んでいる。


「!」


 魔神が掲げた両手からソウマに向かって不可視の衝撃波が放たれる。咄嗟に察知したソウマが両腕で急所を庇う防御姿勢を取る。だが、そのまま後方に吹き飛ばされる。


「ぐ!」


 吹き飛ばされたソウマはそのまま闘技場を飛び越してしまう。


「■■■■■■!」


 そのソウマを追いかけるようにソウマが吹き飛ばされるのとほぼ同時に魔神がソウマに迫るように飛んでいた。


「させるかよ!」


 そのままソウマの胴体に向かって手を突き出そうとする。しかし、ソウマはその腕が自らの体に触れる寸前で切り落とした。


「ぐ!」


 だが切り落とした腕はそのまま突き出された勢いを失わずにソウマの腹部に衝突する。凄まじい衝撃音が空気を伝わり周囲に轟く。


「(衝撃をいくらか受け流したがそれでも大した威力だな)」


 ソウマは直撃の瞬間に攻撃の威力を身体操作で腹部以外の全身に分散させて威力を拡散させていた。それでもその威力は大抵の実力者が木っ端微塵になるほどではあるが。


「(いくら住民が周辺にいなくても手加減抜きでやると巻き込んじまう。だったら・・・・)」


 ソウマは一瞬視線を闘技場に向ける。だが直ぐに魔神に向き直し一瞬で接近して斬りかかる。


「らっ!」


 右袈裟懸け切りの一撃は魔神の体を両断できずに地面側に吹き飛ばす。魔神は一瞬で体勢を空中で整えると急旋回する様にソウマに飛び掛かった。


「《ランチャ》」


 だが魔神はソウマに接近する前に下から飛来した無数の漆黒の突撃槍に更に上空に打ち上げられる。


「ガアアアアアアアアアアアア!!!!」


 そして打ち上げられた上空でこれまた下から伸びてきた超高熱の光の奔流に飲み込まれた。


「まあ、手加減しながら一人で手が足りないならよ。複数人の手数でタコ殴りにすりゃあいいよな」


「私達の攻撃が聞いてるようね」


 シルヴィアの言う通り魔神はシルヴィアの攻撃でところ所に風穴が空き、ナーバの息吹ブレスで各所が煙を上げている。見れば先のソウマの一撃も両断こそ出来ていないが切り傷を残している。


「まあどう見ても不完全な形での顕現だわな。召喚対象になったあいつに依代として中々に魔神と相性が良かったみたいだが、要領過多キャパシティーオーバーは明らかだな」


「そうだろうサ。あいつが本当に御爺様から聞いていた魔神ならこの場で抗しえるのは御爺様に勝ったソウマだけダ」


 ソウマは尚も再生をしようとしている魔神に向かって更に一瞬で数百の斬撃を叩き込む。先程までなら耐えていた魔神も今度は吹き飛ばされる。


「条件の良し悪しは戦いの場じゃあ言い訳にもならねえ。このまま押し切らせてもらうぜ」


「畳みかけましょうか」


「消し飛ばしてやル!」


 三人は同時に魔神に接近する。


「グルアアアアアアア!!!」


 先制としてナーバが両腕を竜化させて連打を叩き込む。それはまさしく縦断爆撃を思わせるような攻撃であり一撃一撃が並の魔術師が放つ上級魔術以上の破壊力を持って魔神を地面に減り込ませていく。


「はあああああああ!!!」


 ナーバが背後からの気配を察して飛びのいたのと同時にシルヴィアが出現させた無数の刀剣類の雨が魔神に向かって降り注ぐ。それはまさしく死の雨と呼ぶに相応しい様相を呈しており、周辺住居を瓦礫の山に変えていく。


「■■■・・・・」


 シルヴィアの攻撃に晒されながら全身に無数の刃物を生やした・・・・状態で魔神は攻撃圏外へ逃れようとする。


「フッ!」


 しかし、それをさせじとソウマが進行方向に立ち塞がり下からの切り上げで左腕を肩口から斬り飛ばす。斬り飛ばされた腕は今度は再生することは無く霧散したままである。


「限界か?元々無理な現れかたをしたみたいだからな。中身もほとんどスカスカだろうさ」


「人数の多さは手数の多さ。私達レベルの存在が複数同じ場所に居たことも彼方の不幸ね」


「数を頼みにするのは好きじゃなイ。だがお前は危険だと私の本能が言っていル。ここで消えロ!」


「■■■■■」


 ソウマ達が止めを刺そうとした時、魔神に変化が起こる。


「「「!」」」


 ソウマ達は確かに見た。魔神の顔の口の部分がひび割れて再び笑みの形を作ったのを、そしてそれは紛れもない歓喜の感情が形作ったものだと。


「何の・・・・!」


 不気味さを感じたシルヴィアが攻撃を見舞おうとした次の瞬間、魔神の体が膨らみ始めた。


「魔神の中で凄まじいエネルギーが増幅・凝縮していくゾ」


「体が膨らみ始めたことと併せて考えるとどう見ても自爆する気だなこの野郎・・・」


「何でまた急に・・・・・」


「(恐らく俺らが遊び相手として合格したからこの場は満足したって所だな)」


 尚も魔神の体の膨張が続いて行く。


「とりあえずこいつをどうにかせにゃならんな」

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