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捨てられた子供  作者: 一之宮 幸
2/3

捨てられる前〔後〕

「いいか、まず陳の真ん中でこの短刀を使い利き手を切る。


切った手から出ている血で反対側の手の甲に自分の血で『我』と書く。


書いたら『我、今、自らの力を、示すことを望む者なり。これを聞き取りし者は、我の願いを聞き入れ、我の目の前に、力を現さん』と唱えるんだ。」


お父様はいつになく真剣な顔で短刀を渡して来た。


恐怖と戦いながら陳の真ん中へ入って行く。


お父様の言われたようにすれば成功する。


自分に言い聞かせながら右手をお父様に渡された短刀で切った。


指先がチクッとして痛い。


え~と次は手の甲に『我』と書くんだね。


うぅ~~~、やっぱり『聖語』(聖語とは魔法や魔方陣を運用するのに必要不可欠な言葉)は難しい。


よし、やっと書けた。


後は呪文を言うだけだね。


「『我、今、自らの力を、示すことを望む者なり、これを聞き取りし者は、我の願いを聞き入れ、我の目の前に、力を現さん』」


やった、全部言えた。

何も起こらない。


何も起こらない?


恐る恐るお父様を見ると怒りで体がプルプルしている。


顔は鬼そのもの、おでこは今にも切れる寸前で血管が浮かび上がり、目はボクを視線で「殺す」と訴えるように睨みつける。


そんなお父様が重々しくボクを指先ながら呪文を唱える


「『…………』」


聞いたことの無い呪文をお父様はボクに放つ。


お父様の指先から黄色い蛇がボクに向かって来る。


何もできないボクに蛇が襲いかかる。


蛇がボクに当たった瞬間ボクは全身に強い痺れを感じて意識を失った。

一つの蝋燭が灯る暗い部屋で目が覚めた。


ボクはぼろぼろの服に足かせをされ、

薄暗く周りを壁で覆われ一ヶ所鉄格子がある。


そうかここは牢屋か。


ボクは捨てられることになるのかな?


火を眺め考えこんでいると階段からお父様が下りて来た。


ボクの目の前に来てお父様はボクを上から見下す。


「おお父様?」


いつもと違いすごく怖い顔をしていてつい聞いてしまった。


お父様はボクをギロっと睨めつけた。


「もうお前は私の子ではない。

その汚ならしい声で私をお父様と呼ぶな」


睨めつけながら言いはなちお父様は階段を上がっていった。


静かになった部屋でボクは泣き出した。


悲しい、悔しい。


お父様が言い放っなた言葉はボクの心に深く突き刺さり、ボクの心を壊す勢いで染み込んでいった。


染み込んでいった……。

いつまで泣いてたんだろう。


涙が枯れて、嗚咽するしかなくヒクヒクと泣いていると、扉の開く音がした。


「無様ですね、お姉様。

いえ、今はリリィか。

お前はこの家の者ではもう無いから僕はのお姉様ではありませんし。


この家ではもうお前の立場は家畜同然、せめての情けでその服が着られるような者を! これからは僕を呼び捨てにするな。ご主人様と呼べ。」


そう言ってユグドラシルは出て行くついでにボクの頬を2回叩いた。


痛い、痛い今は頬も痛いけど心に深く深くこの痛みは染みて行った。


もう死にたい。


どこで? ここで。


どうやって? どうにかして。


無理だ。 うん無理だ。

けどこんなの嫌だ。


どうするつもりだ? わからない。


なにも出来ないな。 なにも出来ないね。


それでも、やるんだ。







「こんなとち狂った所に居るよりかは、断然いいからね。」

良く言った。


後は妾に任せろ。


お主は寝てれば良い。


え、なんか体が急にだるく……。

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