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ナルカミ様が呼んだから ――僕、異世界で女神見習い始めました――  作者: タイフーンの目@『劣等貴族|ツンデレ寝取り|魔法女学園』発売中!
第4章 黒泥を割く稲妻

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03 待ち合わせ

 僕はメールを読み終えた後、雪代さんにメッセージを送った。彼女の連絡先は、ダブルデートの待ち合わせのために使ったグループチャットからゲットできた。

 ちなみにスマホには『以前の』やりとりがしっかりと残っている。塔也とリンちゃんのこと、そして雪代さんと久しぶりに再会すること。つまり、塔也や雪代さんもこのやりとりを、今だって見ようと思えば見れるはずなんだ。

 ――いや、もう見ているかもしれない。

 それでもなお、何故こんなことになっているのか。塔也と雪代さんが付き合っていて、リンちゃんはそれを受け入れられずに泣いている。

 雪代さんの認識はどうなっているのか。果たして彼女の中で塔也は、ただの友人か、それとも恋人なのか。そしてリンちゃんとは、まだ友達なのか。


 雪代さんとは、僕らが通っていた中学校の近くの公園で会うことになった。『塔也のことについて話がある。会って話がしたい』と伝えてある。

 そもそも、彼女が僕の呼び出しに応えてくれるのか不安はあった。しかし、どうやら『塔也のこと』というのが関心を引いたらしい。あっさりと承諾された。


 僕は制服姿のまま自転車に跨がり、約束の公園に着くと、隅にあったベンチに座って彼女を待った。公園は閑散としていた。人っ子一人いない。最近では遊具の大部分も危険だとかで撤去されていて、随分と殺風景だ。物寂しい空気がある。

 ややあって、公園の入口に制服姿の雪代さんが見えた。立ち上がって手を振る。制服姿の彼女は小走りに近づいてきた。

「呼び出してごめん。塾とか大丈夫だった?」

「ええ、塾は六時からだから」

 ダブルデートの時とは様子が違う。僕に対しても微笑みかけてくれる。

「そっか、忙しいのにごめん。あのさ……時間もそんなにないだろうし、早速本題なんだけど」

「うん、いいよ」

「塔也のことで。あいつとは最近会った?」

「昨日、塾の前に少し。一昨日は塾終わりに会ったよ。どうかした?」

「雪代さんって、塔也と付き合い始めてどの位になるんだっけ?」

「どうしたの、今さら?」

 怪訝そうな顔で僕を見る。

「中学のときからだよ。成馬くんも知ってるでしょ?」

「ああ……」

 相槌を打ったものの、それは僕の知る事実ではない。それに、僕のことを『成馬くん』と呼ぶのにも違和感を覚える。この期に及んで、遊園地で倒れてからこっち、ずっと夢を見てるんじゃないかという疑念が首をもたげてくる。

 ――けれども、僕の体に残る青の体温が迷いを払拭してくれる。夢ではない。

 僕は言葉を継ぐ。

「それから、こないだ『三人』で行った遊園地でのことなんだけどさ」

「それがどうしたの」

 三人という人数に、雪代さんは疑問を抱かない。

「あの時さ、ほら僕、倒れたじゃん? お礼がまだだったっていうのも用件の一つでさ」

「お礼? ああ……」

「人工呼吸で助けてくれたんだよね、『ヒメちゃん』が」

「そうだけど……お礼を言われるようなことじゃないから。私もあの時は気が動転してて……逆に悪かったかなって」

 少し気まずそうに彼女は言う。

 人工呼吸をしたという彼女の薄い唇に、僕は一瞬だけ目を奪われた。

「じゃあさ、『遠藤さん』とは塾で話したりする?」

「遠藤さんって……鈴のこと? どうしたの成馬くん、さっきから妙なことばっかり……鈴と知り合いだったっけ? ああでも、同じ学校だもんね」

「……そうだよ。あのさ」

「うん?」

「ヒメちゃんは塔也と付き合っている。そして遊園地には僕と三人で行った。遠藤さんとは友達だけど、遊園地では一緒じゃなかった。……それで間違いないんだね」

「……何が言いたいの。ねえ、さっきから成馬くんの言ってること何にも分からないよ? 大体、塔也くんのことって聞いたから私は――」

「嘘だ。君は分かるはずだ」

「――何、それ」

「ヒメちゃん。いや、雪代さん」

 猿江さんの言葉が、僕の背を押す。

「君は記憶を操るシンカク――ネクロアだね?」

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