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第21話 手榴弾

前回のあらすじ

愛が提案した、手榴弾自爆作戦。洩夜達は反対したが、どうしても役に立ちたいという事で愛は手榴弾を持ち相手側に行く事になった。

こちらに向かって伊武が歩いてきた。すると巽がこちらを見て

巽「どうした?」

伊武「物音がしてな。恐らく向こう側から刺客が来た。」

音が鳴らないように、少し奥に行き隠れた。体の震えを必死に堪えていると

巽「そうか。じゃあ俺はこっちを相手してるから、お前はその刺客を殺せ。」

伊武「はいよ。」(何で命令されてんだ?俺は。)

愛(そんな・・・殺される・・・。)

手で口を抑えながら、涙を流していた。自分ですると言いながらも、やはり怖くなってきた愛は洩夜達の所に帰ろうと、ゆっくり足を動かすとバキ!と音がした。下を見ると木の枝を踏んでいた。

愛(嘘!どうして?どうして?え?まさか!)

愛の思った通りだった。この音で遂に伊武に見つかってしまった。

伊武「まだ若い女か。」

顔だけ伊武の方へ向けた。その後体を伊武の方に向けて、腰を地面にバタンと下ろした。その時尻のポケットに違和感を感じた。右ポケットに手を突っ込み

愛(これは・・・。)

伊武「お前あっち側の仲間か?」

伊武を睨み付けた。左のポケットにあったナイフを取り出し伊武に向けた。このナイフは洩夜が念の為にと渡したナイフだった。それを見て大笑いしながら

伊武「かなり威勢の良いお嬢さんだな。ナイフで銃に勝てるとでも?」

しゃがみナイフが届かない所で銃を構えた。実際投げれば当たるのだが、避けられた場合の事を考えそれを出来なかった。息を荒くしながら

愛「近寄らないで!さっ刺すわよ!」

伊武「近寄るなだって?お前が俺達に近寄って来たんだろ?」

引き金を引こうとした瞬間にナイフを投げた。

伊武「なっ!」

ナイフは伊武の頬を掠っただけだったが、一気に立場が逆転した。ナイフを投げ伊武が油断している間、右ポケットにあったM1911(コルト ガバメント)を取り出し伊武に向けて構えていた。降参するかの様に、銃を置いて手を上げた。手を震わせながら

愛「そのままうっ後ろを向きなさい!!」

言われた通りにすると

伊武「お前に俺が撃てるのか?」

目を泳がせながら

愛「うっ撃てるわよ!」

伊武「じゃあ撃ってみろよ。」

〜洩夜側〜

翔子「貴方銃を愛のポケットに入れたでしょ?」

美歌「え?弾全部無くなったんじゃないの?」

洩夜「あぁ。無くなった。でも中にまだ10発入っている銃があって、それを愛を抱き締めた時にポケットに入れた。」

2人はてっきり本気で抱き締めたのかと思っていた。バンッ!!と音が突然響いた。

〜愛側〜

伊武「ほらな。」

弾は見事に外した。どのぐらい外したかと言うと、顔から30cm離れた所を撃った。

愛「やっぱり私には・・・。」

泣きながら言った。その隙に伊武は銃を拾い、愛の頭に銃口を当てられた。咄嗟に愛は伊武を押した。

伊武「てめぇ。」

巽「どうした?」

草木から出てきた伊武に巽は驚いた。愛は腰に掛けていた手榴弾の栓を抜き、伊武と巽の方へ投げた。直ぐその場から逃げた。巽は直ぐに逃げた為無傷だったが、伊武は真ん前で爆発した為死んだ。走って洩夜の所に帰ろうとした。急ぎ過ぎた為思わずつまずき転けた。

愛「痛った!でもこれで役に立てた。」

その場で寝転がり一休みした。

〜洩夜〜

洩夜「愛遅いな。まさか・・・。」

翔子「いえ。信じましょう。」

美歌「じゃあ私が見て来るわ。」

洩夜「愛の居る場所がわかるのか?」

立ち上がり手を横に上げて

美歌「さぁ。愛が行った道を行けば、良いんじゃないの?」

そのまま歩いて行った。

美歌「あっ居た。」

顔だけ美歌に向けた後、体を起こして

愛「みっ!美歌さん!!どうして!?」

美歌「皆が心配してたわよ。」

愛「そうですか。」

美歌が手を差し伸ばし、愛は美歌の手を握って立ち上がり、洩夜と翔子の所へ帰った。洩夜にもらった銃を返して

愛「ありがとうございました。」

だが銃を愛にまた渡して

洩夜「これは護身用の為に持っておけ。」

愛「良いんですか?」

小さく頷き優しい笑顔で

洩夜「あぁ。出来るだけお前を守ってやるが、何時でも守ってあげられるとは限らない。それが何時になるかわからない。だからこれを持っておけ。」

銃をまた貰い、今度はホルスターも貰った。

愛「ありがとうございます!」

翔子「じゃあこれで大丈夫ね。後は弾と・・・愛に射撃を練習させないとね。」

腕を組んで顔を下げながら

美歌「そうよね。あんなんじゃあその銃だって、唯の見せかけの銃になっちゃうもんね。」

洩夜「まあ射撃の練習は、弾がある程度集まったら、やる事にしよう。」

皆それに賛成した。そのまま寝る事にして、2人は寝袋を用意して、洩夜と美歌が1時間おきに代わって見張る事になった。

〜翌朝(17日24:00:34)〜

洩夜「さて。近くに何か支給品がないか調べるか。」

いつも朝にはこうやって、武器や食料等を探していた。今日は弾があった。食料は十分とは言えないが、まあ多かったので良かった。

翔子「じゃあ行きましょうか。」

美歌「そうね。弾は十分じゃないけど、まあ少し増えたから大丈夫でしょ。」

出来るだけ銃に弾を入れて、4人はまた歩き始めた。

現在状況


[愛・生存][洩夜・生存][翔子・生存][巽・生存][伊武・死亡][紗夜・生存][晴明・生存][美歌・生存]

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