第12話 裏切り
前回のあらすじ
突然の仲間の死。その時新しい仲間が出来たが洩夜はその男を信用出来なかった。
仲間に加わった遠藤 利明と共に島の中央に向かって歩いていた。念の為に利明を前にして歩いていた。
愛「何で利明さんが前なんですか?」
利明を睨みながら洩夜は
洩夜「あいつは信用できない。だから変な行動をとっても、すぐに気付けるように前を歩かせている。」
愛「あの人が裏切るという証拠があるんですか?」
洩夜「今の所は・・・・・・無い。だが裏切る可能性を出来るだけ減らす為に、あいつの武器を預からせてもらったんだ。」
利明「僕を信用していない。という事ですか?」
こちらをチラッと見た。再び利明を睨み付けて
洩夜「勿論だ。お前みたいな奴は、簡単に信用出来ない。あまり無いが、外で大人が別に泣いていても何かがあって泣いていると普通に考える事が出来る。だが、ここは犯罪者しかいないの状況。1度犯罪を犯した物は人間じゃあ無くなると、俺は思っている。だからこの状況で犯罪者が怖いからと泣いているのは、俺から見たらかなり不自然なんだよ。」
その話を聞いていると、両手を挙げて
利明「見てお分かりの通り、今僕は何も無い状態。そこまで心配されるなら、リュックの方も渡しても良いのですよ。」
1度愛と目を合わせた。そこまでしなくても、という顔をしていた。だが洩夜は、リュックの中に、もしかしたら武器が入っているかもしれないのでリュックを預かる事にした。リュックの中を見ると、武器らしき物は何も無かった。また歩いていると、突然刀を抜き利明の首元に刃を当てた。
洩夜「さて教えて頂こうか。今お前は何処に向かっているんだ?」
汗を出しながら
利明「真ん中に向かっているから、エリア87に向かっているに、決まっているじゃあないですか。」
地図を見ながら愛も言った。
愛「そうよ。地図で見たってちゃんと普通の道を進んでいるわ。」
洩夜「いつからその地図を見たんだ?」
愛「さっき見たばかりですけど・・・。」
洩夜「じゃあよく見てみろ。87に向かっているなら、歩き過ぎじゃあないか?こんだけ歩いているなら、普通に87を通り過ぎているだろ。もしくは、87を通らず別のエリアに向かっているかだ。愛!今何処のエリアだ!腕輪を見れば一目でわかる。お前が敵か。味方かが。」
腕輪でエリアの部分を見た。そこには54とあった。
愛「どういう事・・・?」
洩夜「早速やってくれたな利明。何でここに連れて来たんだ?」
利明「別に理由なんてねぇよ。」
一瞬悪い予感がした。咄嗟に後ろにジャンプをすると、地面に小さな穴が空いた。
洩夜(まさか!スナイパーが何処かに!?)
洩夜は利明を引っ張り、自分の丁度顔の横に、利明の顔があった。そして利明を離して愛の所に走った。洩夜が走ったと同時に銃弾は利明の頭を貫いた。弾は右のこめかみを貫通し赤い血と共に左のこめかみから出てきた。愛は訳が分からず、ぼーっと突っ立っていた。
愛「え?え?どうなって・・・。」
洩夜「話は後だ。今はここから離れるぞ。」
愛の手を握り急いで、エリアから離れた。
洩夜「はあはあはあ。くそ!やっぱりあいつは裏切った!!というより裏切られていた!」
2人共息切れをしていた。休まずエリア54からエリア85まで走っていたのだから当然だ。胸を抑え必死に呼吸を整えながら
愛「ごめん。私が助けようと言った所為で。」
洩夜「もういい。あいつは死んだんだ。だが1つだけ言っておく。これからは簡単に知らない奴と一緒に行動しようとするのは、絶対にするな!」
愛「はい・・・。」
リュックを下ろした。
洩夜「でも良かった。あいつの荷物を持っていて。取り敢えずだが、武器と食料の確保は出来た。」
立ち上がると愛に手を伸ばし
洩夜「早くエリア87に行こう。そしたら前に話したAに会える。」
愛「はい。わかりました。」
愛も立ち上がりエリア87に向かった。
〜エリア54〜
巽「ちっ。利明の役立たずが。折角のチャンスだったのに、あいつの所為で狙いが外れただろうが。全くよ。しかも、もう弾がなくなったしよ。」
スナイパーライフルを捨てて、M27というマシンガンを持って、今まで殺した人の死体を巡って弾薬や食料を集めていた。
巽「これだけあれば生き残れるだろ。」
洩夜達と同じように島の中央に向かった。途中敵と出会した。
巽「邪魔だな。」
男「死にたくないんだったら、武器を全部捨てな。」
巽「嫌だと、言ったら?」
男「ころ・・・。」
喋っている途中なのに、M27で目玉を撃った。弾は目玉をえぐりそのまま頭を貫いた。それだけじゃあ飽き足らず、男の顔が潰れて原型が無くなるまで踏んでいた。
巽「かなりのストレス発散になったな。あとはちょっと遊びで。」
遊びと言いながら男の腕を引きちぎった。細い管が出ているのを見て細い管を引き抜いた。
巽「血管って長いんだな。人の肉ってのは、何味なのかすっげえ気になってたんだよな。食べてみっか。」
と言って皮膚を剥がして血で赤くなっていた肉が出てきた。リュックの中にあるライターで集めた木の枝に火を付けて肉を焼き食べた。
巽「俺の口には合わねぇな。」
火を消し死体をバラバラにして内蔵を、ぐちゃぐちゃという音を出しながら、出しそのまま歩き始めた。
巽「人を殺すのって楽しー。」
巽はこの時もう人間じゃあなかった。人間の形をした、唯の怪物と化していた。
現在状況
[愛・生存][洩夜・生存][利明・死亡][巽・生存]