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第10話 死体

前回のあらすじ

誘拐されてしまった愛達。愛と翔子は生きて助かる事ができるのか。

鮠の自己紹介が終わると後ろからもう1人の男が出てきた。

曹辭「まだ片付けてなかったのか?」

鮠「今からやりますよ。」

鮠は銃口を愛のこめかみに当てた。

鮠「じゃあさよならだね。」

引き金を引こうとすると

曹辭「おい!鮠!」

鮠「あん?」

振り向くと翔子が殴り掛かってきた。

鮠「何!?」

翔子のグーは見事鮠の頭に命中した。

鮠「ぐあっ!」

力が強かったのか鮠は吹っ飛んだ。足の縄を解き愛の縄も解いた。

愛「どうして?」

翔子「私ヤクザだった頃よくこんな状況になったからもう縄を解くのは慣れっこなのよ。さて・・・。」

鮠が落とした銃を拾って

翔子「私達の武器を何処にやったのか教えてもらうわよ。」

さすがにこんな状況で銃を向けられたら怯むかと思ったが、逆に曹辭は笑いだした。

曹辭「くくくっはっはっ!!はいはい。お前ら俺に勝てるとでも?」

そう言いながら自分の銃を持って翔子達に向けた。不吉な笑みを浮かべながら言った。

曹辭「さぁ!撃ってこいよ!その鮠が持っていた銃で俺を撃てよ!」

翔子「そんなに撃たれたいなら撃ち殺してあげるわよ!」

2人は同時に撃った。曹辭の球は全然違う所に飛んだ。翔子の弾は曹辭の心臓部位に当たった。

翔・愛「当たった!」

曹辭「へ〜銃上手なんだね〜。ちなみに俺がわざと外した理由わかる?」

何を言っているのかわからなかったというより

翔子「貴方何で生きてるのよ!心臓部位に当たったのよ!普通死ぬでしょ!!」

曹辭「普通は・・・だろ?」

上着を脱ぎ捨てると分厚い服を着ていた。

曹辭「防弾チョッキを着ているから・・・今の俺は普通じゃあないんだよ。バーーカ。」

愛は腰を落とした。

愛「そっ・・・そんな・・・という事は。」

翔子「頭を狙わないといけないって事?」

曹辭「そういう事。さて鮠。お前は役立たずだから死んでもらう。」

鮠「はあ?一体何を言って・・・。」

パァン!!という音が耳に響いた。愛がその時見たのは、人の頭から血が出ている所だった。翔子と曹辭は前にもこういうのを見た事がある為何も無かったが愛は頭を抱え叫び出した。

愛「キャーーーーーー!!!」

曹辭「うるせぇな。」

翔子「落ち着いて愛!!」

頑張って重い顔を上げたが鮠の死体を見てまた平常心を失い叫び出した。

曹辭「ちぇ。先にこいつを殺すか。」

銃口を翔子から愛に向けた。パァン!とまた音がした。耳を塞ぎ死んだと思ったらバタンと横から何かが倒れた。恐る恐る目を開けると翔子の左胸から血が出ていた。

愛「翔子さーん!!」

曹辭「身代わりか。馬鹿な奴だ。そいつを助けて何になる。」

翔子「何よ・・・。そんなの理由なんて必要ないわ唯・・・。」

愛の頬を撫でながら

翔子「唯この子の寿命がたった1秒増えただけでも私は幸せだからしただけよ・・・。」

喋り終わると手を地面に落とし静かに目を閉じた。

愛「死なないで・・・死なないでよ!翔子さん・・・。一緒に生きて帰りましょうよ、翔子さん!翔子さん!!」

翔子の胸に顔を当てて泣きじゃくった。

曹辭「折角助けてもらったのにここで死ぬんだから、そいつは犬死だな。鮠と同じように。」

UZIを拾い涙目で曹辭を睨み付けた。

愛「犬死に何かさせない・・・。絶対に!!!!!」

うぉぉぉという叫びと共に引き金を引き弾を曹辭の頭に向かってめちゃくちゃに放った。

愛「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!死んでしまえぇぇ!!」

弾が1つ曹辭に掠ったが当たったのはそれ1つで他のは全て外れた。

曹辭「残念〜。その女の仇は取れなかったね♪」

曹辭の話は聞かず弾切れの銃の引き金をずーっと引いていた。カチッと愛の額に銃口を当てた。

曹辭「じゃあな。綺麗なお姉さん。」

UZIを落とすと今度はナイフを翔子の腰から取り出し曹辭の手の平を切った。

曹辭「こいつ!!殺す!!」

手の甲で愛の手を叩いた。ナイフを落としてしまい完全に愛の負けは確定した。ナイフを取り大声で

曹辭「死ねーーーー!!!!」

目を閉じた。顔に何かが掛かった。舐めてみると鉄の味がした。まさかと思い目を開けるとそこには顔の無い曹辭の体があった。

愛「え!?」

洩夜「間に合ったな。」

曹辭の首からは血が噴き出していた。曹辭の頭を見ると目と口を開けたまま転がっていた。血の噴出が止まり体が倒れると首から頸動脈であろう血管が出てきておりまだ少し血が出ていた。

洩夜「おっと!」

洩夜が出てくると強く抱き付いた。

洩夜「おっおい!どうしたんだ?」

愛「死んだ・・・。私の所為で死んだ・・・。翔子さんが・・・死んだ・・・。」

もう枯れ枯れの声で泣きながら言った。目の前にある翔子の死体を見た。

洩夜「ごめんな。俺がもっと早ければ・・・。」

愛は洩夜の服を強く握って泣いた。

洩夜「埋葬しよう。死体を出したままだと虫で余計死体が汚れるだろ。せめて最後は出来るだけ綺麗な姿でな。」

小さく頷き自分と翔子のリュックを見つけて翔子を寝袋の中に入れて土に埋めた。

洩夜「さあ行こう。」

愛「うん・・・。」

目を真っ赤にしながら愛は洩夜と一緒に歩き出した。

愛「翔子さん・・・有難うございました。」

50mした所で深くお辞儀した。手で涙を拭き取り洩夜に並んで

愛「洩夜さんも有難うございます。こんな私を助けて下さり。」

洩夜「一緒に生き残るって決めたろ。」

愛「はい・・・。」

泣きながら返事した。落ちている曹辭と鮠の荷物を持ち、島の真ん中に向かって歩き続けた。

現在状況

[愛・生存][翔子・死亡][洩夜・生存][鮠・死亡][巽・生存][曹辭・死亡]

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