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始まりの女神様

『当然ですが、貴女は私達神に選ばれてしまいまいした。・・・ごめんなさい』

「・・・はい?」


繰り返される日々。鬱陶しく煩わしい視線。

何よりも苛つくのはアレの何も見ない態度。それがぶち壊された。

皮肉にもその原因は、日々の原因でもあったけど。


美しく白に輝くこの世界。

これはまさしく今までにない、非日常ということがわかる。

目の前にいるのは美しい金を揺らす美女。その服装は白と淡桃の衣。

困ったような、泣きそうなような、そんな笑みがやけに脳裏にこびりついた。















えっとまず、昔話と今の状況の整理をしようか。


私は昔からとても不確かな存在だった。

物心ついた時には施設にいて、大人に聞いたら私は赤子の時からここに居たという。

隣にはいつも大嫌いなあの存在。周りには小さな子供と優しげな大人。

孤児としてはとても恵まれて生きてきたのだろう。


アレの身元がわかってから、私の人生は狂った。

どっかのイイトコの坊っちゃんで、使用人によって捨てられていた幼馴染。

離れたくない、なんてくだらないアレの訴えで私は施設から引き取られる。

だけど小父さんも小母さんもいい人だった。なんだかんだで私に優しかった。

勿論使用人の人たちだって優しかった。まぁ私の哀れな出生のせいでもあるけど。


問題は周りの人間。

無駄に美形だったアレ。私が隣にいるのが気に食わない少女たち。

あふれる嫌がらせの嵐。小父さんも小母さんも無理してアレの隣に居なくていいといった。

でもアレは嫌がって、私の人生をどんどん狂わせていく。


中学生に上がったばかりの頃、私にとあることが起きた。

嫉妬する上級生によって、私に不幸が訪れる。ここが一度目の転機。

身内の心配と怒り。校内の嘲笑と嫉妬。


そんな中、アレは私に告げた。

私がアレを嫌い、無関心になるまでにつながった一言を。


“刹那ってばドジだなぁ、怪我したんでしょ?女の子なんだから気をつけなよ”


それを聞いた瞬間、背筋に悪寒が走った。

どれだけ校内の人が噂してただろう。それを全く耳に聞かないなんてありえない。

こいつは意図せずして、汚いことから逃げていた。そう気づいたら私はどうしようもなく、こいつに嫌悪を覚えてたのだ。


努力する人間が好きだ。

どれだけ能力に問題があっても諦めない馬鹿が好きだ。

でもアレは才能に溢れて、努力という言葉をほとんど知らない。

それが私の嫌悪を加速させ、尚且つ私を追い込んでいく。


二人もアレの歪みに気づいてた。

高校は女子校。私は一人暮らしをすることになる。

困ったように笑う二人に、自分も微笑んで返したのが懐かしい。

あの人達はアレの親とは思えないほど真っ直ぐだった。


そして今日。二度目の人生の転機。

久しぶりにアレは私に会いに来た。相変わらず変わらないその態度に反吐が出る。

帰り道、歩くアレと私はいつの間にか白い光に飲み込まれて・・・。


『状況はわかりましたか?』

「わ、」


美しい女性が顔を覗き込む。

その仕草に驚いて、思わず声を上げてしまった。

そんな私に、彼女はまたしても小さくすみません、とつぶやく。


『貴女は私達に召喚されました、私達の一存で貴女の生活を壊してしまうことを深くお詫びします』

「・・・貴女は誰ですか」

『貴女達の世界では神と呼ばれる者の一端です。それよりもう一人のことは気にならないんですか?」

「え、・・・ああ、アレですか」

『ふふ、本当に興味が無いんですね。人間というものは美しいものを好むのでしょう?」


それとも貴女が綺麗だから、綺麗なものには見飽きてるのかしら?

ふわふわと浮く彼女は上機嫌に微笑む。私の髪をスルリとなでて、楽しそうに笑う。


『彼は人間達に召喚されましたわ。全く、またしても穴を広げてしまうなんて』

「・・・すいません、アレはどうでもいいんで説明してくれません?」


彼女の言葉に眉を顰め、私は手を挙げる。

彼女は少ししょんぼりとした後、キリリと真面目な顔つきになる。


『簡単に言うと、貴女に世界を救って欲しいのです』

「・・・は?」

『世界、と言っても貴女が住んでる地球ではありません。けれど、貴女によってそこも変わってしまうかもしれません』

「ちょ、ちょっと意味がわかりません」


ストップ、と手を突き出す私。

彼女は微笑んで、口を開く。


『貴女には世界と言ったら地球としか思いつかないでしょう。けれど実は異なる次元にそことはまた違う世界があります』

「・・・つまり異世界があるってことですね」

『はい。そして、そこには地球のように科学が進んだ場所、魔法などが盛んな場所。様々です』

「ふぁ、ファンタジー系統の世界・・・」

『それで、貴女にはミドレイアという地を救っていただきたいのです」


異世界、魔法、ミドレイア。

様々な情報が入ってきて混乱・・・はしなかった。

けれどもどこか懐かしいような、そんな言葉がそこにはある。


『・・・懐かしく感じますか?』

「え、なんで」

『魂と世界は共鳴します。その地から離れられないように、違えないように。けれども貴女の魂と地球は共鳴しませんでした』

「・・・私の魂は地球のものじゃ、ない」 

『・・・・・・そして貴女を欲し、深く共鳴するのがミドレイア。そこなのです。・・・そして偶然か、必然か、その地は滅亡の危機へと迫っている』


彼女が取り出したのは翡翠色の輝く美しい玉。

しかしその玉は穴だらけで、どこか不気味に感じる。

私に近づくたび、その玉は輝きを増していった。


「これが、共鳴・・・」

『この穴は、人々が無駄な召喚を行った代償です。貴女にはこれを塞いでほしい』

「あのさっきから気になってたのですが、召喚って・・・?」

『あら、そうでしたわ。こほん、召喚とは別の次元から人を呼び出す魔術です。そしてこの穴は、別次元同士をつなぐときにできてしまいます。それで、そのことを全く知らない人々は他の世界からたくさん人を呼び出してしまったんです』

「その代償が、これ・・・」

『はい。このままだと負荷に耐え切れず、世界は崩壊します。ただ、それを止める一つの方法があるんです』


彼女は真っ白な手をのばす。

そこから小さな白い光が生まれ、様々な形を造る。


『これらは聖具というものです。貴女には世界に散らばったこの聖具たちを集めて、中央祭壇にささげて欲しいんです』

「・・・どこにあるか、とかは」

『残念ながら。・・・これを散らばせたのは私達神の始祖であるお方ですので、私如きの力では・・・』


悲しげに目を伏せる彼女。

その様子からして、話に出てきた神様には頼れないことがわかった。

いなくなったのだろうか、その神様は。


『お願いします、どうか世界を救ってください』

「・・・最後に一つだけ、いいですか?」

『はい?』

「どうして、私なんですか?」

『わかりません、私にも。ただ、貴女がこの道を進んでいくというのなら・・・見つかる日が来るでしょう。貴女が生まれた意味も、世界を救う理由も』


その言葉に、思考が弾けた。

ずっと知りたかった、自分自身の謎を。

誰よりも何よりも自分について知りたかった。自分が異物なんだと思いたくなかった。

それが、世界を救うことによって変えれるなら。


「・・・やります、やらせてください」

『・・・?』

「私は自分自身を知ることについて渇望して、潰れそうになっていました。そしてそんな中、自分を知り得る機会に導かれた。世界が壊れそうなとき、私が現れた。私が壊れそうなとき、それを覆せる機会に出会えた。これも何かの必然だと思うんです」

『!・・・じゃあ』

「私は自分のためだけに、世界を救おうと思います・・・それでもいいですか?」


そう問いかけた時。

パリン、と大きな破壊音がしてこの空間が壊れる。

落ちる体と彼女の叫び声。降ってきた青色の欠片。


その欠片は私に降り注ぎ、吸い込まれていく。

青い光に覆われた時、最後に大きな声が響いた。


『予言します!貴女はきっとついた先で運命と出会える!それは貴女自身を覆し、守ってくれる大きな存在となりえるでしょう!・・・ご武運を』


そしてふと気づいた時、私は緑の広がる森の上に立っていた。

こんにちは、新しい連載を始めてしまいました・・・。

もう一つの方はまだ一話目ですが、凍結中です。次期非公開にしようと思います。

気が向けば書くかも・・・なんて。

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