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1 計画的に

僕が何故死のうと思ったのかは自分でもよくわからない。いやむしろたくさんありすぎてわからなくなったのかもしれない。まぁ今となっては別にいいことだ。ようやくこの日がやってきた。僕はようやくこの世界から出て行くことができるんだ。いろんな人は自分で死ぬのは卑怯なことだというけどそれは少しおかしいと思う。むしろ死のうと思う勇気を評価して欲しいんだ。僕は死ぬまで誰も評価されなかった。それだから僕は死のうとしているんだ。僕は今日までよく頑張った。どんなに馬鹿にされようと蹴られようが叩かれようがすべて笑顔で返してきた。僕は疲れたんだ。この世界に。みんなは僕は死を選んで逃げたというだろう。しかしそれは違う。僕は新しい世界に移動するだけだ。きっとその世界は地獄であってもきっと今よりいい場所だろう。さぁ始めようか!

僕はとりあえず昨日買っておいた紙に自分がなぜ死のうと思ったかを書いておいた。とりあえず両親のせいではないという事だけは書かないと。両親を悲しませるようなことは決してあってはならないと思う。僕だって死ぬなら死ぬだけの覚悟があるんだ。考えなしに死のうとはしていない。僕はなぜ死のうと思ったかとかいろんなことを書いてその髪を風とに入れた。糊付けしようと思ったが見つからなかった。まぁ後悔はしないだろう。僕は机の上を少し整頓した。最後くらいこの机をきれいにしなくては。

ようやく机の上の整理を終えた。意外と疲れた。よし。よし。ぼくはやるぞ。もう昨日のうちにカーテンレールの所にロープはぶら下げておいたから後は椅子をレールの下に持っていくだけだ。念のために結構前に買って全く使っていなかったスタンガンで気絶することにした。これで椅子から飛び降りずとも知らないうちに死ねるだろう。はぁようやくここまで来れた。後は実行するだけだ。

のどが渇いたので水を飲んだ。そのあと僕は椅子をレールの下に置き椅子の上へと立った。意外と高いね。はははっ、まぁいいか。僕は首にロープをかけた。ようやくだ。スタンガンの電源を入れた。ビリビリ言ってるよ。やばいね。よくわからないけど高かった。2万円ぐらいで250Vだったけな。まぁいいや。

ふぅ。ここまで来ると意外と緊張するね。じゃあいこうか。バイバイみんな古い世界。こんにちは、新しい世界。

僕は目を閉じスタンガンを首に近づけた。

「うっ!!」

僕は気を失ったと同時に僕は苦しみを覚えた。

うっ・・・・助けてくれ。助けてくれ!く・・くるし・・・・・・・・

五秒ぐらいしたらくるしいのが収まった。目を開けるとそこは光り輝くチューブの中だった。僕は宙を浮いている。鳥のように僕は飛んでいるんだ!。

「うわっ!」

体が急降下した。まるでビルから飛び降りるように真っ逆さまに。

ドンっ!

床にたたきつけられた。痛い。目を開けるとそこは自分の部屋だった。いやそれは嘘だ。僕の部屋のようだけど少しづつ何かが違う。本棚の本の種類とか机の上が整頓したのに乱雑している点とかが違った。何り一番違ったのはベットの上に。

「ははっ、ようこそ死の世界に。待ってましたよ~」

ベットの上に小さなおじさんがいたことだろうか。

いや小さなおじさんというか小人みたいな人だがサラリーマンが着るような服を着ている。

「えっ?」

「まぁ、理解するにはもう少し時間が必要みたいですね・・・。まぁいいでしょう。ようこそ死の世界へ。私はこの世界の案内役須田です。よろしくお願いします」

「へっ?」

僕の頭の中はものすごく混乱している。僕は死んだはずだ。でも僕がいるのは今までと何だ変わりのない部屋だ。この人もいったい何者なんだ。須田?案内役?意味が分からない。何なんだよ。僕はようやく楽になれたと思ったのにまだ僕を苦しみ続けるのかよ。何なんだよ。くそが!何で神様は僕にこんな試練を与えるんだよ。おかしいよこんなの。なんで僕がこんなに苦労しなくちゃいけないんだ。みんなは好き勝手生きて僕は何で縛られながら生きていかなければいけないんだ。何なんだよ。

僕はかごの中の鳥なのか?自由に生きることを閉ざされた鳥なのか?もう嫌だ・・・・。

「よろしいですかね?大岩さん」

「えっ・・・えぇ大丈夫です・・・しかしなんで僕の名前を知っているんですか?」

「まぁそれは私この世界の住人ですし地上界の事なんて手に取ったように分かりますよ。計算式を解くよりも簡単にね」

「そうなんですか」

「そうなんです。名前だけではありません。あなたの家族の構成、両親祖父母の名前、君の初恋の相手など様々な情報を知っているのですよ。試しに初恋の相手の名前を言いましょうか?」

「いえ結構です。しかしなんで僕は死んだはずなのに天国にも地獄にも行けないんですか?」

「はぁ~。これだから地上界の人間は・・・・」

小さなおじさんはできの悪そうな息子を見る母親のような顔をしている。

「そんな顔をしないでください」

「まぁいいでしょう。まだこっちに来て間もないという事なので特別に教えてあげましょう。私ってなんで優しいのでしょう~!」

「早く教えてください」

「せっかちはよくありませんよ。急ぎすぎると楽しい事なんてあっという間に終わってしまいますから。いいですか天国や地獄なんて地上界の想像にしかすぎません。神なんてこの世に存在するわけがないじゃないですか。まったく」

「じゃ・・・じゃあ人間は死んだらどうなるんですか・・・・?」

どうしよう。天国も地獄もないんだったら僕が死んだ意味がないじゃないか。なんなんだ!

「普通は天国か地獄に行きますな」

「へっ?でも天国や地獄は無いのでは?」

「それが人間が作ってしまったのですよ。君たち人間ってのは本当に馬鹿ですねぇ~。天国がなければ作ればいいじゃないかって作っちゃってそれに加えて神様までこの世界に作っちゃたんだから本当にすごいですよ」

「じゃあなんで僕はこの世界にいるんですか。普通だったら天国か地獄に行くんじゃないんですか?」

「君の死因にあるんだよ原因は」

「えっ・・・・」

「君はどうやって死んだんだい?」

「僕は・・・・自殺をしました」

「そうですよね?自殺というのは自ら命を絶つ行為なので天国か地獄どっちに移送しようか迷ってしまうんですよ。だから一度この世界に自殺した人とかを集めて天国か地獄どちら移送するか判断するんですよ。」

「へぇ~」

「あとは自殺者以外に殺人者や殺された人とかもここにきてるね」

「えっ!殺人者もですか!」

「うんそうだよ。ってか君も自分自身を殺してるから同じ殺人者なんだけどね。で、なんで殺人者とかがここに集められるかというとね、それが正当な殺人かどうかとか本当に殺されるぐらいの事をしていないかというのを判断するために集まらされるのよ」

「でも人を殺したりしてるんですよ」

「そこが人間の甘い所なんだよ」

「何でですか?」

「問題は人を殺すことじゃないんだ。どうして殺そうと思ってかどうかなんだよ」

「えっ?」

「たとえばだねたくさんの人を何も考えなしにたくさん殺した人と戦争とかでどうしても人を殺さなければいけない時とかあるよね。それが人を殺したってことで同罪だったらどう思う?」

「理不尽ですね」

「だろ。だからこの世界ではその原因を見て判断して天国に移送するか地獄に移送するか判断するわけなのよ。まぁ天国に行っても普通の生活しかできないけどね。」

「じゃあ殺された人はどうなるんですか?」

「本当にその人に殺される原因はなかったかというのを判断するんだよ。例えば自分を犠牲にしてでも人を助けていて意味もなしに殺された人と殺した人をすっごくいじめてて殺されても仕方がない人が同じ天国に行って同じ待遇を受けていたらどう思う?」

「すごく嫌です」

「でしょ。だからそういうのを判断する世界が必要なのよ。それがここって訳です」

「で、僕はこの世界でどうすればいいんですか?」

「とりあえず君がどういう理由で死んだかわからないから市役所に行きましょうか」

「市役所ですか?」

「住民登録をしないとこの世界では何もできませんからね。さぁ行きますよ~」

そういうと叔父さんは光だし僕は宙に浮いた。僕の体は光に包まれた。まぶしくて周りが見れない。そして目が開けるようになり周りを見渡してみるとそこは私が死ぬ前に住んでいた町の市役所だった。

「さぁ早く住民登録をして短い間ですがこの世界を楽しんでいってください!」


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