第二話 双子
高井は、僕の前でずっとニコニコしてる。
「お前こそ、その下手クソな作り笑いは無いと、思うけど?」
その瞬間高井から笑顔が消えた。
「え~そうかな?まぁ嘘言ってる奴よりましでしょ?」
何なんだコイツ?本当に腹が立つ。
「あ!もう授業始まっちゃうから、バイバイ」
チャイムが鳴り終わりそうだ。コイツとは、絶対二度と関わらない!
「あ!波津君僕、まだまだ聞きたい事あるから、逃げないでね」
ケラケラしやがって心底腹が立つ。
「逃げるかよ」
高井は手を振って自分のクラスに戻った。調子が狂う。授業をサボろ。
「ハァ~」
今僕が一番大好きな、屋上にいる。本来立ち入り禁止だが、別にいいや・・・
「うわあああああああああ」
足元に人がいる。あれ、この人は確か、同じクラスの若林舞斗。
「いててて、やべっ寝てた!あれお前は、波津?」
この人いつも、授業出てないんだよな。その原因はこれか。
「若林君どうしていつも授業出てないの?」
あれ僕何言ってんだ?興味も無いのに。
「あーそれは、夜バイトしてるからだ」
それ言っていいの?普通この学校バイトいんだっけ?
「じゃあ寝るわ」
この人能天気だな。僕も寝よっかな~。
「あっれ~?波津君じゃんか~」
ゲッ高井!何でここにいる。
「成績落ちちゃうよ?アハハ」
ハァ僕の一番好きな場所にコイツが来るとは、最悪だ!!
「あ、舞斗」
知り合いか?全然性格違うけど。
「うわ、遥斗」
やっぱり、知り合いか・・・。でもどうゆう関係だ?友達か?でもなんかなぁ。
「あのさぁ二人は、どうゆう関係?」
待て待て僕!また、どうでもいいことを。
「波津君に言う意味は無いy「双子の兄弟だ」も~何で言うんだよ」
双子って苗字違うじゃん。しかも、似てないし・・・・。
「まぁもうバレたなら言うけど僕達は二卵性で似てないんだよ」
二卵性かだから全然違うのか。
「んで苗字が違うのは、俺たちは産まれた直後捨てられた。それで、別々の親なんだ」
状況があまり、読み込めない。まぁ双子と言うのは、使えそうだ。
「僕は、大金持ちの家の一人息子として」
「俺は、借金まみれの家の5人兄妹の長男として」
二人共全然違うのは、このせいだからか。にしても若林可哀想。
「舞斗。お金に困ってんなら、僕も何かするから・・・」
「別にいいよ。俺は結構今の生活好きだからさ」
あれ?なんか違う、高井も、若林も。僕は、一人っ子だし。家も普通・・・。
じゃないか両親出て行ったから。