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終焉の魔法少女 ~ひび割れた13のウィッチ~  作者: キハ
Fate1 少女は微笑み返した
13/22

第12話 怪物は適応する

 ヒカリの声と同時に各々が、魔法を展開する。


 ある者は重力を重くし、ある者は斧を持って駆け出す。

 光の閃光が放たれ、黒い影が怪物を覆う。風を切るような音が宙を駆け、同時に刃のように鋭い風が怪物を襲う。


 今この場にいる魔法少女10人が、同時に魔法を繰り出す。


 しかし、レンの重力操作をはじめ、魔法少女全員の攻撃を怪物は捌ききってしまった。


「ちっ、くそが……」


 レンが身をひるがえした怪物に向けて指先を向ける。

 しかし、魔法が発動する時には怪物は横に避け、その場には地面がひしゃげる音が響いた。


 どこからともなく、大木の枝が伸びるものの、怪物の生みだす炎によってなすすべなく焼き尽くされてしまう。


「やっぱりだめか……どうすれば……!」


 ミライが悲痛な声を上げると、怪物はぎょろりと目玉を動かし魔法少女をみつめた。

 炎が、吹きあがる。


「っ!」


 ヒカリの光によって防がれたものの、一直線に炎が魔法少女のもとへ向かってきている。


 しかし、ヒカリは防御に徹していたせいか、疲労の顔色を見せていた。この壁もいつまでもつかはわからないだろう。


「なにあいつ! もしかしてあたしが切った時は本気じゃなかったってこと!?」


 感情をあらわにするヒメカ。それに呆れたようにエルザがため息をつく。


「貴方が慎重じゃなかったからじゃないかしら。初手でしとめておけばいいものを」


「あ? あんたほんっとに可愛くないわね」


「お前ら、喧嘩してる場合じゃねえよな?」


 先程から機嫌の悪いレンが舌打ちを打つ。

 ヒメカは不満そうに顔をしかめエルザはため息をついた。


「ルイとアオイは夢と模倣だから、今のところ何も動けてないんだろ? 戦えるあたしらの攻撃は全部通用しない。あたしら、ここで死ぬ未来なのかもな」


 レンの諦めにも似た呟きに、ミライが反応した。


「私が死なせない! 絶対に!」


「わかってるよ。あたしだってここで死ぬ気はねえんだよ。ただ、ミライ。お前の魔法が一番ここで使えてない」


「せ、先輩! ユキ先輩がくるまで持ちこたえましょう! わたしがおとりになっても良いですよ! 先輩のためなら!」


「だからお前は馬鹿なことを言うな、ルナ」


 レンはため息をつく。そこへ、カノンが話に入った


「ユキさんならすぐ向かうって連絡来てました。私たちはそれまでに何としてでも、踏ん張らなきゃいけないですね……」


『そうだね……。ヒカリも限界だし、あとはサラの時間停止でちょこちょこ行くしか──』


「……ごほっ」


『ヒカリ!?』


 ヒカリの口元から赤い液体がこぼれ出す。それと同時に、光の防御も力弱くなっていく。


「ああちくしょう、あたしがおとりになってやるよ。解除しろ。怪物がこっち見た瞬間に重力かけてやる」


「一旦時間止めるから、安心して」


 レンが半ば強引にヒカリを押しのけた。

 ヒカリの光が解除された瞬間、魔法少女はその場から消えた。

 否、サラの時間停止魔法。

 時間が戻る時には魔法少女たちは別の場所に立ち、炎から身を守ることができた。


 しかし、これも何度も連発はできない。


「おい、怪物! あたしの方に来いよ!」


 魔法少女のいた場所の反対方面からレンの声が響く。

 怪物は目玉だけを動かすと、レンの方へ向けて炎を放つ。


「そこだ!」


 その一瞬の隙をついて重力魔法が発動。怪物の頭上から見えない圧力がかかる、が。


「効いてない……!?」


 炎が重力を押し返すように、うねる。

 怪物は、気にも留めない様子で炎の勢いを強くした。


「レン!」


 サラの叫び声。懐中時計を掲げるものの、炎の勢いが勝っている。

 レンの目前に地獄の業火が迫る。


「……っ、くそがよおおお!」


 死に際の抵抗か、がむしゃらに、レンは片手を伸ばした。

 重力が、炎を押しつぶせるか。答えは否。

 しかし、レンはそれでも真っ向に立ち向かい、魔法を発動させる。


 かすかに、炎が揺らぐ。


「お前らあたしの死を無駄に──」


 すんじゃねえよ、と叫ぼうとした刹那。


 レンの目前で炎が青白く固まった。

 炎は凍った。


「みんなーお困り?」


 目の前で、またたく間に炎がそのまま凍っていく。


『縺上◎縺‼』


「困ちゃったね、怪物さん」


 その声の主は、レンに向けて笑いかけた。


「大丈夫?」


「ああ、おかげ様でな。ありがとう。ユキ……とハンナか」


「は、私は何もしてない……ですっ……」


「したわよ~私のことをここに連れてきたのは、ハンナが、移動させてくれたから」


 魔法少女ユキ、ハンナが、ここに12人の魔法少女が揃った。

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― 新着の感想 ―
この怪物、呪術の魔虚羅とかFateのバーサーカーヘラクレスのような、徐々に敵の攻撃への耐性をつけていくタイプの厄介なヤツじゃ(;゜Д゜) 確かに初手で一撃必殺級の攻撃をぶつけるべきだったかも。 そ…
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