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社会人の独り言  作者: 黒船雷光


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咳劇

通勤に使うバスが混雑で遅延する。

すっかりココ数日の冷え込みで皆コートなど厚着をし始めて、なお一層混雑しているように感じる。


今日は初老の御婦人が発車し掛かったバスを停めて乗り込んで来た。

何の変哲も無い姿ではあったものの、一つ困った特徴があった。


【物凄い勢いで咳き込む】のだ。


急いで駆け込んで、むせっているのか?と最初思ったが、バスが走って暫くしてもずうっと咳き込む。


がふぉがふぉごぇほぎゃほ…


周囲が微妙な雰囲気になる。


ぐぉほげぇほぶほがふぉ…


近くに居た若い女性が「だ、大丈夫ですか?」と声を掛ける。

「ぅぃぁぇん…」消え入りそうな声の後、ぎゅわほ、げほごぼうぉ…咳は止まらない。


駅が近いバス停で止まった際バスの車掌が気を利かせて

「本日は道路混雑の影響で今後も遅延が予想されます…お急ぎの方はこちらJR最寄り駅前となっていますので、お乗り換えをご検討願います…」と遅延しているにもかかわらず少し長めに停車して降車を促す。


ちょっと異常事態だな…と思いつつ、一部の人はいそいそと降車して行った。


私は…正常性バイアスのせいか、降りる気になれなかった。

なぜなら、そのご婦人が私の隣り、通路側に座って窓側に座っている私の蓋をしているからだ。


バスは駅前のバス停を出発して見事に渋滞に捕まり、いまだに目的に付かない。

ご婦人はマスクもせずにハンカチで口を塞ぐこともせずずっと咳をしている。


この一文を打っている…私は未だ会社に着いていない。

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