雨女と晴れ男
朝のバス停でいつも同じ時間に乗り合わせる可愛い女性がいる。ショートボブでジャージを着て居るので未だ学生であろう。
彼女からすれば、いつも乗り合わせるオッサンにそんな事思われてると知ったらさぞかし気持ち悪いと思うかも知れないが、ストーキングして居るわけでも声を掛けて近づく事もしてないのでこの思考を読まれなければセクハラの類にはなるまい…
朝からどうでも良いオッサンの感想はさておき、その女性とは別に、稀に乗り合わせる長髪の女性もいる。
今日気づいたのだが、その女性がいる時は雨の日だ。
無論、雨の日にバスを利用して居ると言うなら、雨が先だが、今日は少し事情が違った。
雨が降る前に彼女がバス停で私の隣に立った。
すると、雷鳴と共に局地豪雨である。
道沿いに雨が近づいてくると言う光景を初めて見た。
コイツわ……と流石に思った。
この話には更に続きがあって、バスを待つ間に今度は雨脚が急激に弱まり晴れ間ささないものの、一気に折り畳み傘が不要になった。
目の前を恰幅の良い剃髪のおじさんが通り過ぎる。
その人は直前まで激しく降って居た雨など無かったかの様にてぶらでしかも服は濡れていない。
つ、強い!
と感心してたらバスが来た。




