占い
私の仕事の先輩から聞いた話。
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あんな…ほんまに当たる占い師っちゅうのは、表に店なんか出さんらしいねん。
うちの嫁はんの大阪時代の友達がおってな、婚約してたんやけど……たまたま「めっちゃ当たる」言われる占い師がおる、いうて将来のこと聞きに行ったんや。
ほな、その占い師が一言。
「その人とは……絶対あかん。今すぐ別れなはれ」
……せやけど相手は会社の同僚や。職場の皆も知っとる婚約やった。
でもな……その子、占いを信じてもうて。別れてしもて、職場も居づらなって、辞めたんやって。
――半年後や。
たまたま前の職場の同僚に会うてな。
「そういや、あんたの婚約者やった彼氏……今どうしてんの?」って聞いたんや。
そしたら、同僚の顔色が……スッと変わって。
低い声でこう言うてきたんや。
「……何も、聞いてへんの?」
「え? 何がや?」
――――死んどったんや。
「その話聞いてワシもビビってしもうてな〜どや、怖い話やろ?」
「そ、それホントですか?関西のノリで盛ってません?」
「アホか!何処に盛る要素あんねん!」
まあ、もちろん私自身はそのエピソードに直接関わっていないのだが、先輩は割と真面目な顔をして言うので、どうやらホントらしい。




