人感センサー
親戚の紹介で草津温泉で老舗で比較的空いている宿を紹介してもらい、家族で訪れた。
メジャーな温泉ホテルを尻目に蛇行する山奥の道をひたすら登る事温泉街より小一時間、確かに老舗らしい鬱蒼とした山林の中にその宿はあった。
趣のある作りの木造の作りは電気が玄関下に灯っていなければ…引き返す様な見栄えで、前日予約でもそりゃ…って思わなくもなかったが、紹介してもらって予約までして頂いたのだからと、意を決して門戸をくぐる。
温泉は広々と使えて露天風呂も入り放題で多いに堪能したが、それ以外に散歩に出ようにも周りは森しか見えない。迷子になって熊にでも会えは一貫の終わりなので諦める。
子供達はDSとか持ち出して昔のゲーム遊んで時間を潰しているし、手持ち無沙汰なので寝ることにした。
部屋は大部屋で家族全員で敷布団で寝るが、それでも余裕がある。部屋ごとに備え付けのトイレもある。
トイレが遠いと子供達が怖がるから有難いのだが、電気は人感センサーで勝手に点灯する。
便利な話だが、早寝してしたった私にとってはそれが災いした。
カチ
と言う音と共に夜中に勝手に点灯する。
このなんと言うか、窓の外に一切灯が見えない静寂で鈴虫か何かの声が僅かに聞こえる中にカチと言う人工的な音は気になってしまうとホント気になる。
トイレとの扉を見ると隙間から光が漏れる訳で。
風か、飛んでる虫に反応しているのか?と思うがもう気になって仕方がない。尿意は少ないが思い切ってトイレの扉を開けるとまぁ当然だが何も無い。
センサーが反応しそうな虫も居ない。
気のせいかと割り切って用を済ませ寝床に戻る。
カチ
またかよと扉の方を見ると足元の隙間の漏れる光がゆらゆら動く。
えっ……と思うけど、そのまま寝た。
無事帰って来れたので、その判断は間違って無かったと思っている




