超能力者
涼宮ハルヒの有名なセリフ「宇宙人、未来人、超能力者〜」ってあるけど、実際オカルト好きでも生体験したひとは多くないのでは無いかと思う。
私の自慢?の一つに生で超能力者に会ったことがある。
手品師とかそう言うエンタメでは無い。
勿論派手な透視や物体を動かすと言うものでも無い。
かれこれ20年くらい前だが、職場にA君と言う新人が入社してきた。
初任給低い職場だったが、よく真面目に働く子だった。
だが、彼はそれなりに金持ちだった。
無駄遣いするわけでは無いが、金回りは良かった。
一度聞いてみたら「あ、土日はスロットで稼いでいるんで」としれっとギャンブラーである事を教えてくれた。
どのくらい儲かってるの?と聞くと「月40万くらいですかね」と恐ろしい事を言う。
君、会社の給料の倍スロットで稼いでるの?働いているのバカらしく無い?と聞くと「いえ、スロットは趣味なので」とかっこいいこと言うなと。
それだけなら、まぁ、パチプロみたいなもんか?で別に超能力者とは言わない。
年末に会社イベントで忘年会が行われた。
そこで、抽選が行われるためビンゴカードを配布すると、突然A君は「あ、ぼく、それが良いです」と途中割り込みみたいな形でカードを欲しかった。
ダメダメ、順番だよと言って特に考えずにそのカードは別の女性社員に渡した。
その後、ビンゴ大会が始まった。
「ビンゴ!!」
一番最初にビンゴになったのが、A君が欲しいと言ったカードを渡した女性社員が見事に一等を獲得した。確かディズニーランドのペアチケットだったと思う。
私は、カードを配布していたので、この究極の指定の現場を生で体験している。
A君に聞いた。さっきさ、君あのカードを配布していた時そのカードが良いって言ったよね?
何で?…と。
するとA君は「いえ、何と無くですかね」と言ってそれ以外教えてくれなかった。
この時、確信した。コイツリアルエスパーだ!と。
彼とは部署が違ったのであまりその後の接触も無かったのだが、ある日挨拶に来て「お世話になりましたが退職します」と言う最後の挨拶だった。
真面目に働いていたのに残念だね…と言ったが、彼は寂しそうに笑った。
その1ヶ月後、その部署で不正売り上げ報告があり、上司が左遷され、部署は解散になった。
そんなことまで分かるのか?と驚愕したが、私も転職組で、大体危ない会社はその雰囲気で分かるので倒産前に辞めるパターン経験しているので経験則でどうにかなるかとは思ったものの、ビンゴカードの謎だけはわからない。
彼は今どうしているのだろうか?