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返却
空の丼を持って階段を上がり、返却カウンターへと返す。と、後ろからハンバーガーを注文する、聞き覚えのある声が聞こえた。
「五条さん?」
声をかけつつ振り向くと、そこには相変わらず美形な顔があった。
五条は首をかしげつつ、いぶかしげな視線を睦月に向ける。
「えっと……はい。申し訳ありませんが……?」
睦月は、慌てて言った。
「あ、すいません。びっくりさせちゃいましたか? 俺、今日は休んだことになってましたね」
「ああ、睦月君……? 失礼。昨晩は平気でしたか? ものすごい音がして、それきり通信が切れてしまって。更衣室に残ってた人に様子を見に行ってもらったんです。階段から落ちて、頭を打って気絶してたって聞きましたけど……?」




