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首
今の事態は、決して彼女の責任ではないのだ。激しい自己嫌悪に苛まれた。
「ああなんてこった! 俺、先輩に八つ当たりしちゃいましたよ。どうしようもないガキですね!」
深央は、汗ひとつかいてない身体を、まるで確かめるかのようにゴシゴシとタオルで擦る。
「いいやぁ。そこは君、まともだよ。ガキだっていい。だって目が覚めて、こんな身体にされて、怒らない方がどうかしてる……なあ、八つ当たりで上等だろ?」
それから深央は、とびきり気の毒そうな声で言った。
「聞いたよ。首、落ちたんでしょう? 何も知らずに目が覚めてそれじゃあ、さすがに驚くよねぇ?」




