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ポテチ
真央は、ポテトチップスの袋に口をつけて逆さにした。ザラザラと音がして食べかすが周囲に散らばる。ガシュガシュと咀嚼し、ガランとしたフロアを指差しつつ、言った。
「なあ。ここにいたら年は取らないのにさ、なんでこんなに人が少ないと思う?」
問われて、睦月は考えてみた。
何年か前、ストレンジ・ワールドの三十周年チケットがポストに入っていたことを思い出す。
この現象が始まったのが何時からかは知らないが、仮に開園当初からだとすれば、三十年以上は続いていることになる。
「それは……やっぱり、選ばれた人しかなれないとか?」




