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悪い顔色
睦月は迷った末に、ごまかすことにした。
「ええ、まあ。……昨日は、雨の中だったので」
「ああ。ケンゾーさんも休んでるし、人手が足りなくて参っちゃうよね! それにしても、本当に顔色が悪い……早く帰って、安静にした方がいいよ」
「……はい。これ食べたら、帰って寝ることにします」
心配そうな椎名に頭を下げ、睦月は足早に立ち去った。
人いきれの中にいると、冷たい自分の体が妙な疎外感を感じる。
体の表面に、うっすらと冷気の膜があるみたいだ。
丼と箸を持って逃げるように元来た道を引き返し、ようやく階下のフロアに戻るとほっとする。




