57/145
かゆい
大量に並べてあるストレンジ・ワールド土産品のバスタオルを一枚掴み、身体を拭いている時に、ふと気づく。
「……あれ?」
包帯の下、首筋がすごく痒かった。熱で、湿布が蒸れてしまったのだろう。
濡らさないように気をつけてはいたつもりだったが、そもそも、風呂に入るのに濡らすなという方が無理があったようだ。
迷った末に、一旦外して巻き直す事にする。
テーピングを剥がし、厳重に幾重にも巻きつけてある包帯を外してく。
ひやりとした空気が肌をなぜた。
ボリボリと首筋を掻いていると、爪の先にコリコリと何かが引っかかることに気づく。
「……少し長風呂だったし。かぶれちゃったかなぁ?」
ぼやきながら、鏡の前へと移動して、首筋を写してみた。




