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【完結までほぼ毎日更新】超巨大テーマパークで働いたら連続殺人に巻き込まれました。怪奇と幻想『ストレンジ・ワールド』へようこそ!  作者: 森月真冬


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刃物

 和服が欠伸交じりで言った。


「あーあ、痛そう。……早いとこ、楽にしてあげなよ」


 そう言うと、(たもと)から包丁を取り出す。


「こんな事もあろうかと、厨房から借りてきたから」


「……兄さん、そういう余計な手際の良さを発揮しなくていいから」


「だってさー! もう、しょうがないじゃん!」


 和服が両手をパタパタさせる。キョンシーがぽつりと言う。


「……今からでも、病院に運べないの?」


 フードが呟くように答えた。


「だから、そういうレベルじゃないと言ってる。生きてるのが奇跡」


 それを聞いて、キョンシーが涙声になる。


「だって……これじゃ、ムーちゃんがあんまりにも可哀そうだよう……」


 その言葉に、ふん、と和服が鼻を鳴らす。


「違うね。こいつが可哀そうなんじゃないだろ? お前は、自分が嫌われたくないだけだ」


 キョンシーは答えずに、また静かに泣き始めた。

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