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集う異形たち
落ちた睦月を取り囲むように、複数の人影が集まって来る。
その中の一人、和服姿の人影が、小走りで息を切らせつつ言った。
「あちゃー! やっちゃったかぁ……」
キョンシー姿の人影が歩み寄り、叫ぶ。
「ムーちゃんっ!」
そのまま睦月を抱き起こそうとする。
それを、後ろからゴシックドレスに蝙蝠羽の人影が慌てて止めた。
「待ってください! 乱暴に動かしたらダメですよ!」
「でも……!」
小柄なフード姿の人影が、睦月の首の辺りを触りつつ、ぼそりと言う。
「首の骨が粉々に砕けてる。どの道、助からない」
キョンシーがメソメソと泣きだした。
「ムーちゃん……やだよう、死んじゃうよう……」




