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折れてない?
三十分後……。
どうにか迷子を親元に届けた睦月は、よろめきながら華音のベッドへと倒れこんだ。
頭にはラーメン丼を被り、鼻には半分にした割り箸を挿し、顔にはサインペンでナマズヒゲとぐるぐるほっぺが描いてある。アホ丸出しの姿だった。
こんなアホ丸出しではパレードの手伝いはできないので、ほうほうの体で戻ってきたのだ。
しばらく鎧姿でベッドに突っ伏していたが、不意にむくりと起き上がる。
起きた拍子に、鼻から割り箸が落ちた。そして、鎧越しにズキズキと痛む鳩尾をなでる。
「うー……うー。あばら骨、折れてんじゃないの、これぇ……?」




