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鎧
サンドラは、胸元から手帳を取り出すと、ページを一枚破いてボールペンで数字を書きつけ、五条に渡す。
「これ、その衣装のインカム番号。すぐにオペレータールームに戻って」
「了解です!」
五条はそれを受け取ると、走っていった。
「あの……オーナー」
「質問は後。事情はわからないけど、急いでるのでしょう? こっちよ」
手を引かれて入った先、ロッカーを開けると、確かにそこには鎧があった。
真っ黒な鎧だ。ヘルメットのインカムに新品のバッテリーを押し込みながら、サンドラが言う。
「サイズは……ちょっと大きいかな。重いから、気をつけてね。ほら、早く着なさい!」




