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ペット・セマタリー
睦月は、なんだか申し訳なく思いながら頭を下げる。
「すいません、俺も休んじゃってて」
「気にしないでください。身体を休めることも仕事です。残念ながら、有給でないので給料はでませんがね」
そして、二人で笑う。
ついでに、睦月は聞いてみた。
「……ところで五条さん。ペット・セマタリーって、なんだかわかりますか?」
「ペット・セマタリー……?」
五条は不思議そうな声を上げ、しばらく視線を宙へとさまよわせていたが、やがて頷く。
「ははあ。もしかして、あれかな? ペット・セマタリーは、アメリカの大御所ホラー作家の書いた一昔前の小説です。映画にもなっています」




