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顔色
「ええ。今は、この通り元気です」
「なんだか、顔色が悪いですが?」
「しかし、こうして生きてます」
(……本当は一回、死んでるけどね)
五条は、キッチンから差し出されたコーヒーとハンバーガーの包み紙を受け取ると、持ち上げて言う。
「まったく、休憩時間も何もあったもんじゃありません。なんせ、オペレーターが私一人なんですよ! どうにかして時間をみつけて、こうして食事を取りにきたんですが……サブキャストも半数が休んでるとは言え、一人で十人近いオペレーションは無理があります」
その言葉通り、五条は疲れきって、どこか諦めたかのようか表情をしている。