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8話 小金持ち?

クエストとはお願い事や依頼のことにゃ


クライバリー王国にワープしてきたミナトはイゼージュ商会に向かった


「オーク討伐してきましたミナトです」

「はい、ミナト様こちらのお部屋でお待ちください」

今回は個室に案内された。ふかふかな椅子に座りリラックスする。数分も待たずに先程の男性スタッフが入ってきた


「ミナト様ありがとうございます、オーク討伐で何か問題などありましたか?」

「全然問題なく倒せました、でも最後にオークロードが出てきたんで追加報酬とかあります?」

「お、オークロード!?しばらくお待ちください」

スタッフは走って部屋を出ていき上司の元へ向かった

5分程すると帰ってきて報酬を渡してきた


「大変おまたせしました、こちらが報酬でございます」

袋の中に金貨がジャラジャラと入っていた

「オークロードの持つ斧なども買い取らせて頂けたら嬉しいのですが、無理にと言うわけでは無いですが・・・・・・」

「自分で使わないのでどうしようかと思っていたのでちょうど良かったです」

ヘビーアックスを取り出し横に置いた


「おぉ、間違いなくオークロードの持つ斧です。報酬の計算をし直して参りますので少々お待ちください」


「はぁようやく金欠から逃れられる、マジックハイポーション買えたらいっぱい買っとかなきゃ」

数分するとトレイに追加で金貨の入っている袋を持ってきた

ドスっ、重たい音が聞こえた

「こちらオークロード討伐とヘビーアックスの金額を合わせた30万シングです」

元の報酬10万シングと合わせて40万シング手に入れた


「ありがとうございます」

目の前にある大量の金貨を眺めていたいところだがすぐに収納した。画面を見た時ポンタとフィルがゲームを始めていた。先にイゼージュ商会に来てしまったため

「今イゼージュ商会でクエストしてた。手紙を出すタイミングどうする?先出していいんならもう出すけど」

とだけ連絡しておいた


「ミナト様、本日はありがとうございました。またご縁がありましたらイゼージュ商会をお尋ねください」

「いえいえ、こちらこそありがとうございました。失礼します」

個室を出ようとすると連絡がきた


「1回手紙出してみるポン、もしかすると3人と1人だとクエストが変わるかもしれないから試すポン」

「私も出した方がいいと思うよ、てかもう着いたの!?どうやって!どうやって!」

「基本的にクエストは受けておくポン」

スッと画面を閉じた


「あ、すみません忘れてたんですけど傭兵のおじさんにこの手紙をイゼージュ商会に渡せと言われたんですけど」

手紙をスタッフに渡す。少し読むと


「はい?傭兵のおじさんですか・・・・・・!?少々お待ちください」

何度目かのお待ちくださいを聞いた後しばらく待つ

扉が開くとさっきとは違うスタッフが入ってきた


「お待たせしましたミナト様、お掛けになってください」

白髪の老人が入ってきた。ガタイが良く足腰もしっかりしている


「私はイゼージュ、この手紙を渡した男の父親です」

「あ、息子さんだったんですね・・・・・・い、いぜーじゅ?ってことは」

商会の名前と一緒と言う事はおそらく

「はい、この商会の会長を務めております。この手紙にシュリフの館に潜んでいたワイトを倒した旅人だと書いてありましたがそれは本当ですか?」

「本当ですけど俺1人じゃなくて仲間があと2人いたから倒せたんです」

「なるほど、その腕を見込んで御三方に依頼を出したいのですが」

テーブルに1枚の紙を出せれた。地図と一緒に報酬と依頼内容も書かれていた


「メポーレからかなり南に進んだところにゴーネ山脈があります。山脈に住むウインドワイバーン1体が麓まで下りてきている状況です。ワイバーンが孤立して行動するのは珍しいため討伐するなら今が好機、ワイバーンの素材を持ち帰っていただきたいのです」

「その依頼引き受けます」

「期限は特にないですので都合のいい時にお願いします」


・ウインドワイバーン1体討伐

・ウインドワイバーンの牙、翼の納品

・報酬60万シング


イゼージュ商会から出たミナト、ポンタとフィルにクエストの内容を伝えるとすぐに返信が帰ってきた


「今ポンタと合流してクライバリー王国に向かうから1時間くらい暇つぶししてて」

「了解っと」


食事と休憩をかねてゲームを止めた。外を見ると太陽は昇ってしっかり朝になっていた

1時間後クライバリー王国北側で待っていると遠くで馬車から降りて歩いてくる2人、馬車はそのままクライバリー王国に入って行った


「2人ともお疲れ、さっきの馬車は?」

「護衛のクエストで一緒に乗ってきたの。ミナトは受けなかったの?」

「受けてないポンよ、多分正規ルートじゃないポン」

「ギク!?」

「この反応ポン。で、どうやってきたポン?」

ありのままを話すと2人は笑い転げた


「こっ黒炎歩行で!馬鹿ポン!」

ポンタは地面をゴロゴロしながら爆笑している

「アーッハッハッハ!ダサイダサイ!しかも1人で!」

フィルも地面を転がりながら爆笑


「・・・・・・そこまで笑わなくてもいいじゃん」

少し拗ねているように見える

2人はしばらく笑い転げてからようやくクエストについて話す気になったようだ


「は~あ。で、なにするんだっけ?」

「そうだったポン、ワイバーンを倒しに行くんだポン」

「やっと満足したか。クライバリー王国南にドーリ森林があるんだけどそれを越えてメポーレに来てね」

「また移動ポン?」

「じゃ」

ミナトはもうワープできるため1人でスッと行ってしまった

「置いてかれた」

「置いていかれたポン」


更に数十分待つと2人がメポーレにたどり着いた


「遅かったじゃん、黒炎歩行使うと移動しやすいなー」

「根に持ってるポンよ」

「はいはい速い速い。で、ここから更に南だっけ?」

メポーレから既に山脈が見えておりとても大きなエリアが待っていると予想出来た


「あの山脈からワイバーンが孤立しているっぽいからそれを倒して素材を納品すれば良いみたい」

「はぁ、また移動ポン。移動移動と本当に黒炎歩行が欲しくなってきたポン」


またもや長距離移動のため歩く羽目になった3人、ゴーネ山脈を目指すが一向にモンスターが現れない


「モンスターが全然来ないから消耗しなくて良いけどなんか変じゃない?」

フィルも気がついたようだ


「ワイバーンのクエストを受けたプレイヤーはモンスターに襲われないんじゃないポン?見る限りもう町や村はないポン、アイテム補給が出来ないからちょっとした配慮に思えるポン」

ゲーマーポンタの頭のキレが良い。どこを見てもモンスターは見えなかった。通常エリアでレベル上げが出来ないなんて事は無いだろうと予想し出た答えだ


「だからと言って1人で走るなポン?」

「ギックリ!?」

敵がいないなら先に行くね、が出来なくなってしまった。何があるか分からないため戦力は分散したくない。

導かれるように歩き続けて数十分、鳥のような影が見えてきた

まだゴーネ山脈にはたどり着いていないため鳥型モンスターだろう


「何かくるぽんよ」

全員武器を構えて待機する。影が大きくなり姿を視認できるようになる


『ウインドワイバーン』


「まさかあっちから来てくれるなんてね・・・・・・」

「ワイバーン!?まだ山脈に着いてないのにっ」

高速で接近してくるワイバーン、横7~8メートルサイズの大きさに圧倒される


「これ勝てるイベントなのかポン」


ワイバーンは遠距離にもかかわらず大きく口を開き風を集めている


「あいつ何をしようとしてるの」

「ブレスポンね」

「ブレス?」

「エネルギーを集めて一気に放出するやつポン」


ミナトは1人焦りながら2人を押し倒した

「そんな事言ってる場合じゃないって!」


「いったぁ、何すん・・・・・・」

ゴゴゴゴ!!

3人の横を風で作られたエネルギーの塊が通過した


「やっぱりそうだったポンね!」

「やっぱりそうだったポンねじゃなくて!多分勝てないから逃げるよ!」

「私も逃げることに賛成だけど逃げるなら山脈に行こう」

ゴーネ山脈のワープを解放しておけばまた長距離移動をしなくて済む


「そうと決まれば走るポンよ!」

「おー!」

ポンタとフィルは楽しそうだ。と言うことでワイバーンから逃げることになった3人、一生懸命に走るが・・・・・・


「2人とももっと速く!うおっ!?」

ワイバーンのブレスを避けながら走らなければならない


「本気で走ってるポン!」

「私たちSPD振ってないからこれが最速ー!」

「フィル!アイスウォールを地面に出して!」

「アイスウォール?意味わかんないって!」

「いいからはやく!」

「あーもう!知らないから!アイスウォール!」

「2人とも乗って!」

大慌てでここまで来たがポンタは理解したようだ


「僕がMP回復するポン」

「よーし、走るぞ!」

黒炎歩行を使いアイスウォールに乗った2人を押して走る。アイスウォールは地面をスイスイ進みSPDが低い2人も素早く移動できるようになった


「右右右!」

「あいよ!」

フィルが方向を伝える→ポンタがマジックポーションをミナトの頭にかける→ミナトが黒炎歩行でアイスウォールを押して走る。これの繰り返しで山脈付近まで来れた


「馬のように走るポンよー!」

1人ゲラゲラ笑ってるポンタを睨む、それでもミナトは走り続ける


「ゴーネ山脈に着いたら覚えとけよマジで」

黒炎歩行なら追いつかれる事はなくしばらく安定して逃げることが出来た


「あっち見るポン!」

ポンタが誤魔化すように指を指し

「洞窟があるポン!あそこに逃げ込むポンよ!」

フィルがよく見ると小さな穴が見えた

「ホントだ、ミナト行けー!」

こき使われているが仕方がない、他に逃げ道もないため洞窟に向かうことにした


「くっ、ふんぬぅぅ!!!」

馬鹿にされているようで悔しいがやるしかない、洞窟まで猛ダッシュ(一応歩行スキル)で突き進む


「ついたぁぁぁ!」

アイスウォールを洞窟に向かって叩き込む。洞窟はアイスウォールより狭いため・・・・・・


「はやまるなポン!」

「ちょっとミナトあんたー!」

猛スピードで進むアイスウォール、洞窟に直撃し2人を落とした


「「グヘっ!?」」

出ては行けない声が聞こえたが気のせいだろう。続いてミナトも洞窟に入るとウインドワイバーンは入って来れないようで近くで旋回していた


「ウインドワイバーンが離れるまで出られないから奥でも探索するポンよ〜」

洞窟は奥に続いているためアイテムを探したい

『ゴーネ山脈』


「そうね、どうせ出られないんだし進もー」

3人は洞窟の奥に進む。しばらくするとポンタが喜びだした


「キタポンよー!」

「どうしたの?」

フィルがポンタのもとまで行くと目の前に緑色の水晶らしきものが沢山あった

「頂きポン!」

ツルハシを取りだし水晶を堀だした

カンカンカンカンカンカンカンカンカンカン

ポンタは止まらない


「・・・・・・どうしたのポンタ」

フィルは初めてのポンタ劇場に少し戸惑う。だがミナトは正常運転だ


「ポンタは鉱石があるとすぐに手に入れたくなるんだよ、発作みたいなやつなんだよね。放って置いたら止まるから俺たちは洞窟の入口から他のモンスターが来ないか警戒でもして待ってよう」

「じゃあ私達も手伝おうよ、そっちの方がはやく終わるでしょ?」

過去に同じ事を思って手伝ったが石を沢山集めて終わった人がいる事を覚えているため

「採掘スキルがないとまともに採れないから俺たちは警備警備〜」

入口が見える場所までフラフラ〜っと向かい座って過ごした


「採掘のスキルがないとどのくらい違うの?」

「色んな鉱石を採ったポンタの横で石まみれになる」

フィルはミナトと同じ表情で座って過ごした

20分後にポンタはニッコリ笑顔で2人の元に来た

「おまたせポン」

腕に鉱石を沢山持ち、歩いてきた

「あ、おかえりー」

「珍しいの採れた?」

ドヤ顔で持っていた鉱石を地面にジャラジャラ広げた

「深緑石ゲットだポン!」

とても嬉しそうだ。ポンタはこの瞬間を待っていたのだろう


「この深緑石は黒蛇の剣に使われている黒曜石の属性違いだと思うポン」

「って事は強い装備作れる!?」

フィルはキラキラ輝いた眼差しをポンタに向ける


「そんな目で見られても困るポン、これはSPD系の装備が造れるからフィルには合わないポン」

「そ、そんなぁまたミナト・・・・・・」

「2人とも合わないポンよ?速度はもう足りているから火力面を伸ばした方が強いと思うからどっちにしろ僕のコレクションポン。で、ウインドワイバーンはまだいるポン?」


「残念まだいるの、ぜんぜーん離れてくれないからワープでメポーレに行ってレベル上げてから出直した方が良いかもね」


「え!?せっかく戦えるんだから戦おうよ!」

ミナトは戦闘しておきたいそうだ。負けても再挑戦出来るゲームだから


「僕も戦っておいた方がいいと思うポン。今回負けても次戦う時の情報くらいは集めておきたいポン」


フィルは乗り気では無かったが2人がそう言うなら仕方がない、しぶしぶと言った感じで

「そう言われちゃったら戦うしかないじゃん。やるんだったら全力で、タダじゃ倒れないよ!」

「「おー!(ポン)」」

来る途中でブレス攻撃を見た時に今のレベルでは勝てないとなんとなくわかっていたため、今回は負け戦だろう

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