7話 リンゴの村メポーレと結構不思議なジャム
大爆笑間違いなしにゃ
20分ほど歩くと甘い香り漂う村、メポーレにたどり着いた
「ここがリンゴが自慢の村、メポーレさ」
「なんか甘い匂いが・・・・・・」
「朝早くからリンゴ製品の製造と出荷準備をしているんだよ」
「へ~、どんな製品ですか?」
「気になるかい?よかったら見に行こう」
ケインに連れられて大きな木の建物に来た
「ここはジャムを作っている所だよ」
扉を開けると中では女性たちが木の容器に入っているリンゴジャムを瓶に移植する作業をしていた
「ここはリンゴジャムを瓶に詰める場所、ちょっと待ってて」
ケインは奥の部屋へ行き、木の小皿にジャムを入れて持ってきた
「この村のリンゴジャム、良かったら舐めてみて」
木のスプーンですくってひとくち・・・・・・
「!?」
あまりの美味しさに一瞬、知らない農家のおばちゃんが見えた気がする
「美味しいです」
「気に入ってもらえて嬉しいよ、初めて食べた時は知らないおばちゃんが一瞬頭をよぎったんだ。笑っちゃうよね、そう言えばミナト君はこれから行く当てはある?」
「特に無いんでどこかで休もうかなって思ってました」
「宿を紹介するよ、この時間なら受けつけているはずだから案内するよ」
ケインに連れられて宿屋に案内された
「僕は仕事に向かうけど困ったことがあればいつでも声をかけて、果樹園かさっきの場所にいるから」
「はい、ありがとうございました」
ケインを見送るミナト、その場に立ち尽くす
「さっき自分もおばちゃん見えたって言ってたよな・・・・・・」
ステータス的には毒を接種したことになってはいないため多分おそらくなんとなく大丈夫だろう。
ひとまずワープを開放しておいたためイゼージュ商会が始業しそうな時間までレベル上げでもしようかと思う。ドーリ森林に戻りオークとトレポムでも倒してよう
「ここのモンスター中途半端に強いから、黒炎紋」
森の前でバフスキルを使い高いSTRとSPDを活用して辻斬りをしていこうと思う。継続時間は5分、モタモタしていられない、森の中へ突っ込んでいきモンスターを探す
軽く走っていると早速オークがいたため突撃
「おりゃ」
接近してる途中オークに気づかれようともSTR99を押しつけていく。スッと剣で斬れた
「1撃で倒せる!この調子ならレベルがすぐあがりそ」
今のオークを倒したことで16に上がった
「タイミング悪いって、いや嬉しいけど」
どんどん狩るぞ!と言う気分だったがレベルが上がってしまったためポイントを割り振ろうと思う。
STRに1、SPDに2振り分ける。黒炎剣を7にあげると新技の黒炎連斬を使えるようになった。
消費MP60で黒炎斬を任意のタイミングで3発撃てる。そんなスキルを得たミナト、よっぽど嬉しかったらしい
「ようやく・・・・・・コスパ技来たぁぁ!」
ガッツポーズで大喜び、それもそのはず
「これでスキル連発しやすくなる!」
スキル使ってマジックポーションを使うの繰り返しだったため戦闘中は黒炎連斬をメインで使用することになるだろう。せっかく黒炎紋を使ったのでもう少しモンスターを倒しておく
数分間だけモンスターを倒し、アイテムも獲得できたためクライバリー王国にワープしてゲームを終了する
カプセルから出てコンビニへ向かい朝ごはんを購入、3時間ほど休憩をしてゲームに戻ると太陽が昇ってしっかり朝になっていた
フレンド欄を確認するとポンタとフィルはゲームをしていなかったためイゼージュ商会には行かずに別のところに行くことにする
「この時間帯ならシュルーターがやってるはず」
酒場の店主アーロンに言われたスイーツ店に行ってみることにした
クライバリー城の東を数分探すとスイーツ店らしき店があったので入る
「いらっしゃいませ、買うもの決まったら教えてね!」
「店員?」
「そうだよ?」
小学生くらいの年齢だろうか、親の仕事を手伝っているのだろう。気になったのは店員がいることだ。薬屋と装備屋には店員がいなかった、どうしてここにはいるのか
「あぁじゃあリンゴパイを1つ買おうかな」
アーロンがオススメと言っていたリンゴパイを買ってみようと思う
「ママーリンゴパイ1つ!」
少女が言うと裏から母親らしき人が出てきた
「すみません今リンゴを切らしていて、最近メポーレからの入荷が減っていて今はリンゴパイを作れないんです」
「メポーレから?」
「えぇドーリ森林を越えた先にある村なのですが、オークが大量に発生していて商人が通れなくて入荷自体がないのでリンゴパイの販売は出来ないんです」
「それなら俺が倒してきます。腕には自信があるんです」
「いえいえ、旅の方にお願いするなんてできません」
「じゃあ、俺は出直します」
「来ていただいたのに申し訳ございません。本日はありがとうございました」
「じゃあね!」
2人に見送られて見せを出る。多くのオークを倒したが困っている人がいるらしい。おおくのおーく、おーくのオーク・・・・・・
オークを倒すと自分から言ったのに討伐をお願いされなかったと言う事は別の場所でクエストとして受ける必要があるはず、それまではいくらオークを倒しても状況は変わらないだろう。肝心なのはどこからクエストを受けるかだが心当たりがある
「イゼージュ商会に行けばなんかクエスト貰えるかなぁ」
商会と言うくらいなのでクライバリー王国の品物についてはある程度把握しているのではないかと思う。場所が分からないためシュルーターに入りなおして場所を聞いた
「出てすぐ入るって恥ずかし」
クライバリー城西にあるとのこと、まったり町でも観察しながら歩いて向かう
少々時間がかかったが大きな建物にたどり着いた
「なんか緊張するな、ポンタとフィルと一緒に来ればよかった」
立派な扉を開くと女性スタッフが来て要件を聞いてくれた
「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょう」
「メポーレからリンゴが来ないって聞いたんですけど、ここならなにか知ってるかなと思い聞きに来ただけなんですけど・・・・・・」
「はい、リンゴの入荷の予定の確認ですね、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
「ミナトです」
「はい、ミナト様担当者を呼んで参りますのでお掛けになってお待ちください」
応接用のイスに座り少し待つ。リンゴの入荷の時期を知りたいだけだったがここまで丁寧な対応をされると気が引ける。特に取引をしに来た訳でもないのに
「ミナト様お待たせしました」
男性のスタッフが来てくれた
「メポーレからのリンゴの入荷時期が知りたいとの事でしょうか」
「はい、そうなんです」
「ここ最近ドーリ森林のオークが大量に発生しており商人が通る事が出来ず、入荷は未定になっております。オークの討伐が済み次第入荷となります」
「オークの討伐って俺がやっても良いんですか?」
「はい?」
「実はメポーレに遊びに行く時にオークは何体か倒したので俺でよければ倒してきますよ」
「少々お待ちください、上の者に確認してきます」
男性スタッフは裏に戻った
「やっぱクエスト来るよね、あれだけオーク倒してたのにまだ倒し足りないなんておかしいと思ったよ」
しばらくすると戻ってきた
「ミナト様にオークの討伐依頼をしたいと話がありまして報酬がこちらです」
紙に依頼内容が書かれていた
・オーク20体討伐
・21体以上いた場合追加報酬
・基本報酬10万シング
「この条件であれば俺は全然引き受けたいです」
「ありがとうございます。いつ頃から向かわれますか?」
「もう行けるんで今から行きます」
「でしたら少々お待ちください」
また裏へ行ったがすぐに帰ってきた
「こちらをどうぞ」
・ハイポーション 効果 HPを300回復
・マジックハイポーション 効果 MPを300回復
どちらも10個ずつ渡してきた
「良いんですか!?」
すぐにMPが尽きるミナトにとって1発で全回復するアイテムは嬉しい
「はい、危険な依頼ですので少しでもお役に立てたらと思いまして」
「これは助かります。早速多くのオークを倒してきます」
「よろしくお願いいたします」
ウッキウキでドーリ森林に向かうミナト、オーク相手なら特に問題なく倒せるだろう
「ん?さっきと様子が」
先程はオークが単独で動いていたのに対し、今は複数で行動しているように見える
「多分パーティーで来ないといけないやつみたい、だけど」
遠距離から
「黒炎連斬」
剣から黒炎が溢れ出す。1グループに向かって横に一振りするといつもの黒炎斬が放たれオーク3体を倒す。まだ剣に黒炎を纏っている
「スキル1回で3回攻撃できるなんて、最高すぎるっ」
楽しくなってきて森の中へ走り出した
「すぐに倒して報酬貰うぞー!」
木に当たっても火が燃え移ることはなかったので安心して攻撃ができそうだ。
オークを探し倒しを繰り返してあっという間にちょうど20体倒すことが出来た
「これで20体っとワープで帰ればすぐか、あれワープが出来ない」
いくらマップをポチポチしてもワープ出来ずその場で閉じて開いてを繰り返す
ドシン!ドシン!
何か大きたものが動く音が聞こえてきた。森の奥から大きなオークが斧を持って現れる
『オークロード』
「なるほど、ボス戦」
マジックハイポーションで回復して剣を抜く、オークロードはミナトを見つけるとゆっくり近づく
「黒炎連斬」
まずは一太刀、胴体に斬撃を放つ。オークロードは斧で身を守ろうとしたが斧を持つ手を負傷した
「武器越しではダメージが入らないか」
いくらボスだろうとデバフ効果は入っている。これからのダメージは今よりも与えられるだろう
「だとしても」
連続で残り2回の斬撃を放ち切り無理やり攻撃をする
オークロードは少し苦しそうに斧を前に突き出して耐えた。やられてばかりでは無い、ミナトに向かって走り出し斧を振り上げる
「遅い」
黒炎縛を使いオークロードの足に絡ませ、自分は黒炎歩行で後ろに回り込む
「ふっ!」
斬り上げの攻撃を繰り出しその場を離れる
オークロードはまだ足が捕らわれている、この隙にマジックハイポーションを注入する
「あの斧に当たったら体が・・・・・・」
考えない事にした。オークロードは腕を振り回し、足を動かし黒炎縛を引きちぎった
「出し惜しみは出来ないか、黒炎紋」
STR100を超えたミナト、このバフがあるうちに倒したい。速度は上回っている、攻撃さえ当たらなければ勝てる
「黒炎連斬」
突進してくるオークロードに正面から一撃飛ばすが、斧を当てることで軌道をそらした
「だったら」
1撃ではダメージが入りにくいと感じ2連撃放つ、すると次は返せなかったようだ。斧で耐えようとしたが巨体が後ろに倒れた
「トドメだ」
時間を与えたくないため黒炎歩行で接近し
「黒炎撃!」
胴体に叩き込むとオークロードはアイテムを残して消滅した
・ヘビーアックス 性能 STR+45 SPD-5
STRがとても高い、ポンタにSPDをなんとかして貰えればとても強い武器として扱う事が出来そうだが黒炎剣のユニークスキルが発動するかは不明だ。欲しい人にあげてしまうか売ってお金に変えた方がいいのかもしれない
オークロードを倒した後、特に問題なくワープできるようになったためイゼージュ商会に向かうことにした
「ワープが出来そうだしこれでクエストクリアかな、マジ焦った」
き、きけんだにゃ!!!!
キリが良いのでここで終了にゃ