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6話 クライバリー王国へ

つちハンマーのことにゃ

ワープで始まりの町に帰ってきた。夜遅いためあまりプレイヤーは見かけない


「どのくらい距離があるか分からないからいっぱい買い込んどかないと」

薬屋に行ってミドルマジックポーションを買えるだけ買ってきた。クライバリー王国までの戦闘を見こして回復アイテムを買ったわけではない


「行くか」

始まりの町の南に立ちアイテム画面を右手に、左手を突き出しいつでもミドルマジックポーションをかけられるようにしておく


「黒炎歩行」

黒炎歩行は3歩まで脚力を強化する。1歩で最大10メートル移動できる。すでに小さくクライバリー王国が見えているため道には迷わなそうだ、黒炎歩行を使って早速走る。


「よしこれならすぐにたどり着けそうだけど・・・・・・アイテムがすぐに溶けるぅぅううう!」

黒炎歩行、ミドルマジックポーションを左手に振りかけるを繰り返してひたすら走る。ウルフやホーンラビットがいたが無視して走り抜けている


「夜でよかった、人に見られたらモンスターだと思われるところだった」

こうしている瞬間も黒炎歩行からのミドルマジックポーションの繰り返しを行っている

ミドルマジックポーションを50個ほど消費した時だった、膝に手を付き一旦休憩をはさむ


「はぁはぁはぁ、もう50本使ったか・・・・・・ほぼ全財産使ったんだ今日中にたどり着いてやる」

少し休憩をして再度走り出す


ミドルマジックポーションを追加で100個使った時、地面に座り込んで苦しむ

「無理無理マジ無理だって150個も使っちゃてるって、これいくらかかってんの」

150個×90シングで13500シングかかっている計算だ。この時点で5kmは進みもうすぐ到着しそう

「俺は・・・・・・たどりつくっ」

巨大な城壁がもう目の前だがまだ1kmほどはあるため再度繰り返しクライバリー王国に到着する

石で作られた城壁に手をついて息を整える

「あぁもう無理動かない、ゲーム内でこんなに走るとは思ってなかった・・・・・・」

本来は複数人でモンスターを倒して1~2時間ほどで来れる場所だ。長距離移動する予定で作られていないスキルで無理やり走り切ったため数分で到着してた。

高い城壁の入り口を探し中に入ると城下町が広がっていた。今は夜で人が少ないがあちらこちらから飲み会でもしているのだろうか、楽しそうな声が聞こえてきた


「確かイゼージュ商会を探せばいいんだっけ、でも夜だし王国内を彷徨ってみようかな」

楽しそうな声が聞こえる方向に向かうことにする。大通りを少し進み裏路地に行ってみると小さな酒場から光が漏れていた。賑やかな雰囲気だったため入ってみることにした


「いらっしゃいませ、どうぞ」

ちょび髭のマスターが迎えてくれた。カウンター席に案内されたため座る

「小さな酒場の店主、アーロンと申します。お名前を伺っても?」

「ミナトです」

世間話からクエストがありそうなところを探すことにする

「ミナト様は普段何をされているのですか?」

「普段は・・・・・・モンスターを倒したり、新しい装備やアイテムなんかを集めてます」

なにも頼まないのは失礼だと感じホーンラビットの串焼きを頼んだ。100シング


「そうでしたか、ドーリ森林にはもう行かれましたか?」

「ドーリ森林?行ったことないです」

「クライバリー王国の南にとても広い森があるのですが、腕に覚えのある傭兵たちはそこで稼ぎ、新しいアイテムを探すのです」

「へぇ~今度行ってみます。観光するならどこがおすすめですか」

「甘いものはお好きですか?」

「好きです。いくらでも入ります」

「それではクライバリー城の東にあるスイーツ店、シュルーターに行くと良いかもしれません、リンゴパイがオススメですよ。こちらホーンラビットの串焼きです」

「あ、どうも」

パクっと一口

「うま、これほんとにホーンラビットかよ・・・・・・あんなに筋肉質だったのに」

肉汁があふれ出しとてもジューシー、塩胡椒の味付けはシンプルで美味しい。バクバクと食べてしまう

「城の東にあるシュルーターですね、明日行ってきます。串焼きごちそうさまでした、もう行きますね」

長くいる必要はなさそうだったためもう出ることにした


「ドーリ森林でも探索して宝箱探そうかな」

と言って南へ向かおうと歩みを進めるがクライバリー王国が広すぎて全然たどり着かない


「なんかもう広すぎて王国から出られないんじゃないの」

上げに上げたSPDを活用して王国内を走り抜ける

城を警備していた兵士が一瞬「何者だ!?」と言っていた事に気がつかず


「お、やっと見えてきた」

入ってきた時の同じような出口があったためマップを見ると南側の出口だった

「別に移動を楽にしたいからSPD上げたわけじゃないんだけど、足速いと助かるなぁ」

南口から出ると広そうな森が広がっていた。ドーリ森林だろう、どんなモンスターが出てくるか楽しみにしながらトコトコ向かう

ドーリ森林を目の前にするとマイナスイオンを感じる。いや、気のせいかもしれない


「毎回思うけど作り込みが凄いって、木の質感も」

ぺたぺた木を触る

「ガチ木じゃん」

なんて言っているとドスンドスンと何かが迫ってくる音が聞こえる


「!?」

夜中に大きい音が聞こえて一瞬驚くが剣を抜き戦闘の準備をする


『オーク』

現れたのはファンタジー定番のオーク。豚と猪を合わせたような二足歩行のモンスターだ


「夜中にうるさくしやがって、焼肉にしてくれるっ!」

スキルを使わずに弧を描くように接近する

剣を横一閃、腕を斬り裂く。オークは怯んだ様子を見せたため追撃を仕掛ける

「っふ」

上から背中を斬り裂く、2回の攻撃でオークを倒すことが出来た


「合計STR66もあるのに2回攻撃が必要なんて」

『オーク肉』生の肉が地面に置いてあるため回収

「肉が直置きされるのなんか嫌だな」

森の奥にオークが見えたため森の中へ進みオークを狩り始める。特にスキルを必要とせずスイスイと倒し続けているとメキメキと他の木の枝をへし折りながら大きな木が歩いてきた


「木?」


『トレポム』


「モンスターかよ分かりにくいな」

とは言っているが先手必勝、どこに目があるか分からないため他の木の後ろを通ってトレポムの後ろに回り込み攻撃をする


「硬った!?」

剣は当たったがダメージが入った様子はない


「剣じゃ相性が悪いのか・・・・・・だったら黒炎斬」

胴体(?)に命中すると消滅した。感覚的に属性攻撃ならダメージを与えやすいと感じたが斧や槌、メイス系でもダメージは与えられるだろう

モンスターは苦戦せず倒せることが分かったため宝箱探しを始めたい、周囲を見るとモンスターが徘徊しているためいちいち戦っていたらキリがない、戦闘は極力避けたい所だ

『硬い木』を拾って歩き始める


「ドーリ森林を抜けてもいいかも?」

ドーリ森林の先にある町に行ってワープできるようにしておいてもいいかもしれない。ドーリ森林を進み、宝箱はあれば拾っていく。マップを確認してそのまま南に進む


「この森にもボスっているのかな、そう言えば硬い木から杖作れると思うからフィルにあげようかぁぁぁやりたいことが多すぎる。一旦黒炎斬」

横から来ていたトレイポに黒炎斬を叩きこんで倒す

それからしばらくオークとトレポムを倒しながら進むと泉が見えてきた


「宝箱発見いや待てよ」

頭の中でこれからの展開を予想する

1宝箱に近づく

2泉のモンスターと戦闘

3モンスターを倒せても宝箱はおびき寄せるための餌で中身は空っぽ


「うん、よくある展開だな。簡単に宝箱をくれるわけがない」

ゴブリンの森ではそうだった

「だとしても何が出てくるか気になるから行くけど」

剣を抜いて泉の周囲に歩み寄る

「どこから来る」

周囲を警戒、いつでもスキルで攻撃ができる

「まさかボスモンスター?」

泉の方を警戒し始めるが


「・・・・・・全然来ない、普通に宝箱開けよ」

スッと剣をしまい、宝箱を開けると木の食器一式が入っていた


「食器?料理系のスキルを持ってれば嬉しかったんだろうけど俺食器使わないからなぁ」

いつか使う日まで温めておくことにする。倒れていた木を見つけ、座って休憩する。ふと泉を見ると月の光でキラキラと輝いていた


「うわぁ、底にお金とか落ちてないかなぁ」

綺麗だ、と言うのかと思っていたが全然違った。手を泉の中に突っ込む


「中には何もなさそう、ん?」

MPが回復した。ここは休憩をするために作られた場所らしい。MPが回復したがHPが減っていればHPも回復しただろう


「回復の泉、じゃあここは本当に何も無い休憩ポイントだったんだ。疑ってごめん」

MPも回復できたことだし進むことにする。モンスターを倒しながら走っていると森を抜けることに成功した


「よっし、やっと突破」

南西の方角に果樹園のようなものが見えた

「リンゴっぽいのがいっぱい見えるけどここら辺に町なんてあったかな」

マップ絵を見ると村があった、この世界の果樹園を見てみたいため向かうことにした

果樹園まで走って行く


「これは・・・・・・りんご?」

艶のあるリンゴの木が広範囲に広がっている

「食べたいかい?」

「っ!?」

突然の声に剣を抜いて警戒する

「ハハハ、安心してくれ僕はモンスターじゃないよ」

横からリンゴを背中の籠いっぱいに詰めた男性が歩いてきた

「僕はケイン、ここの農家だよ。君は?」

「失礼しました俺はミナトです。勝手に入ってしまってすみません」

「気にしてないよ、良かったら・・・・・・ほら、食べてごらん」

木についていたリンゴを取って渡してきた

「ありがとうございます」

かじりつく

「うっま!凄い甘い!」

みずみずしく、断面から水分が溢れ出す。糖度が異常に高く感じた

「そう言ってくれると嬉しいよ。そういえばどこから来たんだい?」

「クライむしゃむしゃバリーむしゃむしゃ王国から来ました」

食べながら喋るとはお行儀が悪い


「この森を1人で抜けて?」

「そうですね、モンスターはいましたけど走って来たんで遭遇はしにくかったですから。ケインさんはいつもこんな時間から作業ですか?」

「いや、いつもは早朝だけど最近リンゴ畑を荒らす奴らがいて今日は追い返してやろうと思っててね」

「俺は違いますよ!?たまたま見つけて来ただけで」

「分かっているさ、泥棒なら眺める時間は無いし。冗談はここまでみたいだ、ドーリ森林からオークが1体向かってきている。ミナト君はこの先にある村、メポーレに向かうんだ」

「ケインさんは?」

「僕はオークを追い払ったらすぐに逃げるさ、1体なら僕1人で何とかできるからね。危険だからはやく行くんだ」

「俺も戦えます!」

剣を抜く

「この森を抜けられたんだったね。じゃあ援護を頼むよ」


ケインは背の籠を置いて腰から短剣を出す。果樹園に近づかれる前にオークに向かって走り出す

オークは太い腕を振り上げケインに振り下ろした。

手でオークの腕を受け流し、クルリとターンして逆手で短剣を持ち刺して距離を取る

流れるような動き、おそらく元傭兵かなんかだろう

腕を負傷したオークは反対の腕で攻撃しようとケインに向かっていく


「黒炎斬」

1歩踏み出した瞬間に飛んできた黒炎斬で倒されてしまった


「ここまでの手練れだとは思ってなかったよ、ありがとう」

「いえいえ役に立てたのなら良かったです」

「もうオークは来ないと思うから僕は帰るけど一緒に村まで来るかい?」

メポーレに行ってワープを開放したかったため一緒について行く










焼肉食べたいけどすぐに胃もたれするにゃ

メイス→金属のこん棒

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