4話 新装備を求めて
今更ですけどポンタが造った装備の最後にMND+1などありますがこれは装備の基本性能ではなくポンタのユニークスキルによるものですにゃ
ソロ→1人
NPC→ノンプレイヤーキャラ。簡単に言うとAIにゃ
ピレイン村から洞窟に向かう
「今日はクエストじゃなくて周回だからごめん」
ホワイトバイパーと対峙すると同時に黒炎紋を使用してミドルマジックポーションを使う
「速攻で終わらせなきゃ」
黒炎歩行を使うと足に黒炎を纏う。そのまま踏み込むと起き上がる途中のホワイトバイパーに正面まで移動し現在STR77まで上がった状態で
「黒炎斬」
を叩きこむ
「さらに」
ホワイトバイパーの後ろに回り込んで
「黒炎陣」
横に剣を振り切り、流れるように振りかぶり
「スラッシュ」
縦に振り下ろし残りMP10、MPを効率よく消費してダメージを与えた。最後の1歩で距離を取った
「黒炎歩行めっちゃいいじゃん、移動だけでMP80使うのは今はきついけどっ」
ホワイトバイパーの白球を躱す。攻撃が止んだ今のうちにミドルマジックポーションを2つ使う
ホワイトバイパーはミナトに突進してきた
「今回はいけそうなんだよな、黒炎縛」
突進してるホワイトバイパーの動きを完全に止めた
「よし、黒炎斬」
動けないホワイトバイパーにスキルを当てて直接斬りつけ攻撃をする。横、縦、斜めの攻撃で出来る限りダメージを稼ぐ。緊急回避用にMPを温存しておくがその必要はなかったようだ
「さすがSTR77もう倒せるなんて」
怒涛の連続攻撃でホワイトバイパーはアイテムを置いて消えた
「ボスの復活の時間を調べてから再挑戦かな」
15分ほどでホワイトバイパーは再出現し倒す。これを繰り返し3回行うとポンタからメールが来ていた。レベルが上がりポイントが増えたがポンタを待たせるわけにはいかない
「よし、これで5個ずつ揃ったしポンタのところに戻るか」
始まりの町へワープするとポンタが出迎えてくれた
「ポンタ先生、あとは頼んだ」
白蛇の皮5個、大蛇の牙5個、尻尾の刃5個と装備一式をポンタに渡す
「この装備を作るために鍛冶スキルをレベル2にしたポン」
スキルを使うとすべての装備と素材が1つに纏まり新しい装備一式が誕生した
「これが僕の予想する序盤で最強の装備だポン」
・黒蛇の耳飾り 性能 VIT+15 MND+5 SPD+1
・黒蛇の剣 性能 STR+40 MND+5 SPD+1
・黒蛇の指輪 性能 MP+50 MND+5 SPD+1
・黒蛇の外套 性能 VIT+20 MND+5 SPD+1
・黒蛇の深靴 性能 VIT+10 MND+5 SPD+5 SPD+1
全体的に黒でまとまっており、蛇を彷彿とさせるデザインで心をくすぐられる。MNDもしっかり上昇する装備だったためホワイトバイパーは魔法攻撃に耐性があったのかもしれない
「耐久に偏っているからSPDを付けたポン」
過呼吸になりながら装備を見つめるミナト。ここまで強い装備、中二病心をくすぐる装備ができると思ってなかったためうっとり見つめている
「おーい、正気かポン」
「え、ああ、ごめんごめん。最高すぎてぼーっとしてた。そうだ、お礼に何かさせて」
「暇になったらレベルを一緒にあげてくれれば嬉しいポン」
「そのくらいならいつでもするさ、ホワイトバイパー狩りまくるよ」
「また強くなったポンね・・・・・・じゃ、僕はまた寝るからお休みポン」
「おやすみぽ~ん。さてツヨツヨ装備をゲットできたしどうしようかな」
ポンタを見送って次は何をするか、レベル上げは特にする必要がなさそうではあるし、困っている人を助けるか、新しい場所に行くかだが
「ねぇ!君!よかったら私と一緒に冒険しようよ!」
大きな帽子に杖とローブのザ魔法使いに出会った
「私はフィル、魔法アタッカーだから前衛を探してたの」
「俺はミナト、前衛だけどSTRとSPDに特化したアタッカー・・・・・・ハハ」
フィルはおそらく自分が攻撃してる間に盾でモンスターからの注意を引いてくれる役を探していたのだと思うが、残念ながらミナトもしっかりアタッカーだったため期待に添えないかもしれないと頭を掻きながら苦笑いする
「いいのいいのゴブリンの森に挑戦したいだけだから、あそこならソロじゃなければヨユーヨユー。超火力のフィル様が全部倒すんだからっ」
本人がそう言っていることだし、ちょうどする事無かったし、なんて思いながら
「じゃあよろしく」
パーティーを組んでゴブリンの森にワープした
「ここ複数相手しないとだったからほんっと助かる。さ、れっつごー」
「おー」
一緒に拳を掲げて森に入っていく
ゴブリンの森に入るとすぐに足音が聞こえてくる
剣を使う必要もなさそうだがサボっていると思われたくないため剣を構える
「来るよ」
「えぇ、任せて」
フィルは杖を構える
足音がどんどん近くに・・・・・・ガサガサッと音が聞こえると木の後ろからゴブリンが1体飛び出してきた
「アイスランス!」
杖の先から氷の槍が作り出されゴブリンに向かって射出される。アイスランスが直撃したゴブリンは1発で倒される
「これがユニークスキル氷魔法のアイスランスの威力!」
すごいでしょ~と言いたそうな顔で見てくる
「お~すごい」
「じゃあ次はミナトが倒してよ、近距離アタッカーの力見せてちょうだい」
「任せて、お荷物にはならないさ」
レベルが12になったためSPDに6振り、黒炎剣にポイントを振りレベル6にする
少し進むとゴブリンが左右から同時に2体出てきた
「危なかったら援護するから!」
と言っているがミナトは既に歩き始めていた
「ちょっと大丈夫なの!?」
剣を構えることなくただ近づいているだけ、不安に思うのも仕方がない
ゴブリン2体は正面から同時に襲い掛かってきてくれたためミナトからするととても楽であった
「ふっ」
剣を横一線するだけで2体のゴブリンは消滅した
「スキルなしで一撃・・・・・・そう言えば強そうな装備、ミナトってレベルは?」
「12になったばかり」
「もう12、私なんかまだ6だよ~良いなー強そうな装備、欲しい欲しい欲しいどこで買ったの?」
「鍛冶スキルを持つ友達に作ってもらったんだよ。今度紹介するから駄々こねないでくれ」
横で地団駄を踏みながらぶつぶつなんか言ってるが無視する
「杖系は鍛冶スキルじゃ作れないから自分で大工スキルを持つ人探すもん。いいから行くよ」
自分で聞いてきたんだろ、と言いたいがめんどくさかったためフィルの背中をジーっと見ていた
「うーん」
道中ゴブリンをアイスランスで倒し、分かれ道にたどり着いた
「右側の法則、左側パラダイス、よし左ね」
スタスタと左に進んでいった
「えぇ、どういう事~」
何がなんだか分からなかったミナトは背中を追う
数体のゴブリンを倒して先に進むとホブゴブリンが見えてきた
「あれがボスのホブゴブリン、あのハンマーに当たらないように気を付けてね」
「うん、最初はジャンプからの振り下ろし攻撃がくるからホブゴブリンが動いたらすぐに横に跳んで」
「わかったわ」
2人は武器を構えてホブゴブリンがいる空間に進む
「ところで、なんで初動を知ってるの」
「昨日倒したから」
「ちょっと待ちなさい」
2人は武器を構えた状態でホブゴブリンを見ながら目を合わせずそのまま話し続ける
「どうして最初に言わなかったの」
「聞かれなかったから」
「情報共有した方が安全に戦えるじゃないの」
「初見のワクワク感無くなるし」
「それもそうね、どっちがはやくアイツを倒せるか勝負しましょう」
「いいよ、自分のタイミングで合図出して」
「じゃあ・・・・・・スタート!」
2人は走り出す
「じゃ、お先に」
ミナトは
「黒炎紋、黒炎歩行」
を使い1歩目でホブゴブリンの前に移動し、新しいスキル
「黒炎撃!」
剣から黒炎の塊があふれ出す。剣を横に振ると同時に2歩目を踏み出し黒炎撃を叩きつけホブゴブリンの後ろに着地する
「い、一撃で?」
フィルは驚いた様子。自分だけがユニークスキル持ちだとは思っていなかったが自分より強いプレイヤーがいるとは思ってなかった
「よし、俺の勝ち」
ホブゴブリンはゴブリンハンマーを置いて消えていった
「もしかしてユニークスキル持ち!?」
「そうだけど」
「言ーえーよー!それ絶対言うべきことだろー!?」
杖を振り回して叫んでいる
「いや、別にほらスキル使わなくても勝てるし・・・・・・勝負になったから本気を出さざるを得なかったから使っただけで戦力的には言わなくてもいいかなって、ハハハ」
「はぁ、すぐ終わっちゃったしこれからクエスト探さない?」
「いいね!まだ町の人には声をかけてないんだよね、レアなクエストがあるかもしれないから行こう!」
始まりの町にワープして町の人に話しかけることにした
「さ、NPCに話しかけてクエスト探すよ」
フィルは他のプレイヤーをかいくぐって買い物帰りらしき女性に話しかける
「こんにちは!」
「あら旅人さんこんにちは。どうかした?」
「なにか困ってたりするかなーって思って」
「ううん、私は大丈夫」
「そう・・・・・・でしたか。じゃあ」
と言ってまた違うところに行く
建物の前で話し込んでいる武器を持った2人組の男たちに話しかける
「最近スケルトンが多く出てくるようになったよな」
「あぁ俺たちのパーティーも溢れたやつを討伐するのでやっとだ」
「確かお前たちは最近傭兵を始めたって言ってたか、そりゃ苦労するか」
「あの!」
「ん?なんだ嬢ちゃん」
「今何話してたんですか?」
スケルトンがナントカと聞こえたため戦闘系のクエストかと思った
「実はな?町はずれに住んでた金持ちのじーさんが死んでよ、夜になると館からスケルトンが出現してこの町に向かって来て困ってたんだ」
「まったく、深夜徘徊でここまで来るなよな~?」
ガハハ!と大きく笑いあう
「フィル~」
ミナトが走ってきた。多くのプレイヤーの波を抜けてきた、面構えが違う
「先に行くなって」
「お、嬢ちゃんのパーティーメンバーか?」
「はい、そうです。フィル何話してたの?」
「町はずれの館からスケルトンの流出だってさ」
「へぇ」
この時点で2人は討伐クエストだと確信している
「スケルトンは強くはないんだが数が多くてな・・・・・・俺たち傭兵が交代で討伐してるんだがなかなか収まる見込みがなくて困ってたんだ」
「それって私たちも討伐してもいいんですか?」
「それは別にいいが怪我をしても自己責任だぞ?」
「分かってますって、それじゃあ私たちはこれで」
「おう、気をつけてな」
2人はその場から離れ、人がいない路地に行く
「夜になったら館に骨埋めに行きましょ」
「言ってること怖いって」
「冗談冗談。話しは聞いてた通り、夜になると館からスケルトンが出てくる討伐クエスト。夜は空いてる?空いてるなら今のうちに館へのワープをできるようにするために1回行こうと思うんだけど」
「今日は1日空いてるし明日も暇だから遅くまで付き合うよ」
「じゃ!そうと決まれば館にレッツゴー!」
始まりの町の南東にある大きな館。始まりの町からでも見えるほどに大きく、貴族の館と言うイメージだ。あまり遠くには無いため10分ほど歩くと到着した。これならワープしなくても良いかもしれない
『シュリフの館』
「ここがシュリフの館、お花畑がきれ~い!」
広い花畑が広がった先に大きな館、柵で囲まれた館はとてもじゃないがモンスターが出てくるとは考えられない
「意外とすぐに着いたから中に入ってみる?」
「そうね、敵情視察でもしましょ」
花畑を抜けて入り口に到着。ミナトが立派な扉を開けようとするがうんともすんとも
「フィル」
「はやくあけて」
ミナトは険しい顔で
「閉め出されたっ」
「元々住民じゃないよ」
1ボケ1ツッコミで満足
「多分夜にならないと開かないパターンだと思うから私はボス戦(夜更かし)に備えて一旦寝よっかな」
「開かないんじゃしょうがないし俺も寝てこようかな、何時くらいに来る?」
「じゃあ夜9時にここ集合で」
「おっけい、もしよかったらポンタも誘っていい?」
「さっきの人でしょ?戦力は多い方がいいからOK!そう言えば強そうな装備だけど性能見ていい?」
「全然いいよ、最後の数字はポンタのユニークスキルの効果だから」
「またユニークスキル持ち!?はぁ珍しくもなんともないじゃん」
装備を見た。ゲームが始まって2日目の装備、ここまで強いとは誰も予想できないだろう
「いーえーよー!?強すぎ!ずるいずるいずるい!」
なんかめんどくさかったため、スッとゲームから出た
「逃げた!?」
黒蛇シリーズは序盤では最強クラス。レア装備にゃ