26話 2日目の戦い
出来たから出すにゃ!
「よし、これだけあれば十分だろう」
ミカンは昨日から素材を集めてはアイテムの製作に励んでいた。そろそろ集まる時間のため町の東側に向かう。
昨日の進行は東側だけだったので戦力の8割を東に集めて置いた。ユニーク部隊とリーダー部隊は分けて各地に配置する。
・北→ミナト、ポンタ
・南→ミカン、ノブヒコ、ピピ、タイチ
・西→フィル、バスター、マリリリン
・東→残る全人員
勿論このまま戦闘を行う訳ではなく、モンスターの出現に合わせて人員を動かしていく前提の配置だ。
一見、南側が手薄かと思われるがミカンには秘策があるため多数との戦闘、単体との戦闘どちらもこなせるようになっている。北と西は心配ない。
東にそんな人数が必要かと言われると正直必要は無いがレベル帯が広いため、個人の能力を判断出来ないからまとめてしまっている。
2日目、時間になるとモンスターが出現し始める。
「東、デュラハン出現。ファンタジーお馴染みのってヤツだね。応援に行くよ」
「いや、まて」
ミカンがノブヒコを静止するには理由があった。
「なんかヤバくない?」
ピピは察したようだ。
「ぼ僕達の方にも来てます」
ミカン達の前に黒い煙が発生し、首なしの槍騎士、デュラハンが出現した。
「どうやら全方位からデュラハンが攻撃してくるみたいだ」
ミカンの元にメッセージが集まる。ミナト側とフィル側にもデュラハンが出現、西側はバスターがいるため高火力の2人なら大丈夫だろう。北側はミナトの火力が高すぎてどうとでもなるだろう。東側は数の有利もある、じっくり確実に攻めれば倒せるはずだ。
問題は南側。いくらレベルが高いプレイヤーが4人集まったとは言えアタッカーがノブヒコしかいないため、時間がかかりそうだ。
先に攻撃を仕掛けるのはミカン、アイテム欄からポーションを取り出してデュラハンに投げつける。
ボン!ボン!
「爆発ポーションさ、錬金術で作れる攻撃アイテムだ」
爆発ポーションとは投げると小爆発で攻撃をする錬金術で数少ない攻撃方法だ。
爆発の煙に包まれて視界を遮っているうちにノブヒコが接近する。デュラハンに目があるかは分からないが。
「ポイズンエッジ」
短剣術LV1で使用可能、ポイズンエッジ。相手を毒状態にすることがある。
逆手で持った短剣をデュラハンの肩に後ろから差し込むがダメージを与えている感覚は無い。
(これは困ったねぇ)
ユニーク部隊が来るまで時間を稼げば良いと言うのは分かってはいるが毎回助けられてばかりではつまらない。なんとか自分達で倒したい所、爆発ポーションのダメージが物理攻撃になるのか魔法攻撃になるかで話は変わってくる。
「ワイドシールド!」
デュラハンがノブヒコに向かって槍を突き出した所にピピのシールドが入り込み、デュラハンの動きが一瞬止まる。
ピピのシールドが無くても槍を避ける事は出来たが狙いはそこでは無い。
「ウォーターウィップ」
水魔法LV2で使用可能。水の鞭を作り出し、デュラハンの腕を縛り動きを阻害する。
「パラライズエッジ」
短剣術LV2で使用可能。敵を麻痺状態にする事がある効果があるがデュラハンの鎧に弾かれてダメージは与えられてない。
コロロん
ガラス同士が当たる音が聞こえる。
「おっと」
ノブヒコはとっさにデュラハンから距離を取るとデュラハンが爆発ポーションを受けていた。
「さあどうするか、爆発ポーションで削るにも限界がある」
爆発ポーションのストックはまだまだあるがダメージが入っているか分からないため無駄に消費はしたくない。まだ次もある。
「ウォータースプラッシュ!」
水魔法LV3で使用可能。タイチから大量の水が放出すると、デュラハンがよろめいた。
「アタッカーはタイチに任せる!ノブヒコ!ピピ!タイチに向かう攻撃を全力でそらせ!」
ミカンは魔法なら効くと判断しタイチをアタッカーにして、3人は全力でタイチを守ることにする。
デュラハンはタイチが危険と判断したのかタイチに向かって遠距離から槍を突き出すと、闇で形成された槍がタイチに向かって放たれる。
キン!ピピが盾で突っ込み槍の軌道を変えようとしたが少し触れるだけで終わった。
「ヤバ!?」
「え!え!え!え!え!え!?」
タイチは目の前にある殺意に焦り、パニック状態だ。
全員が位置的に助けに入れないかと思ったが、
「スネークエッジ」
短剣術LV4で使用可能。
デュラハンの後ろからノブヒコの短剣が伸びてきて闇の槍を叩き落とした。
「あっぶなかったー仕事でミスをした時くらい焦ったよ。あ、いつでも攻撃していいからね」
その後はタイチを固定砲台として扱い全員で囲んで守りながら魔法攻撃で安定して倒すことが出来た。