14話 リベンジ!ウインドワイバーン戦
ポンタは戦闘時、鋼シリーズの装備をつけていますにゃ
全然関係にゃいけど、「フィル」と打とうとすると「昼」と間違えるにゃ~
キリが良いので短いにゃ
黒炎縛が当たっているおかげでデバフ効果が入っているためバスターはいつもよりダメージを出しやすいはずだ。
ウインドワイバーンの頭上まで跳びあがるバスター、足を大きく振り上げる。
「落雷ぃ~!」
ウインドワイバーンの頭上に踵落としをすると足から雷が放たれ、ダメージを与える。
速度が速いスキル攻撃だったため、初見で回避は難しいと感じる。
「さすがユニークスキル」
「からの雷獣~」
顔の前に着地してすぐに次のスキルを使うと左に雷の獣が走った。
ウインドワイバーンは雷獣を危険と判断したのか横から迫る雷獣に向かって爪を振り落としかき消した。
「カーフ」
右から弧を描くようにカーフキックがウインドワイバーンの首に命中した。
バスターはすぐに撤退する。
「どう?アタチちゅよいん?」
「予想以上にね」
「うーれーちぃー!じゃあ次はミナトちゃんね」
「アイスランス」
「ファイヤショット」
ドン!、ドン!と牽制するようにスキルが放たれた。
「よそ見するなポーン」
「ごめん、次は俺の番。黒炎眼」
攻撃できる範囲だけ広げ、スキルを雑に放っても当たるようにする。
「いってらっしゃ〜い!」
ミナトがウインドワイバーンに走って行くとバスターはミドルマジックポーションを頭から被ってMPを回復させる。
「黒炎連斬」
剣に黒炎をストックする。
ウインドワイバーンは翼を動かし風圧でミナトを吹き飛ばそうとする。
「黒炎歩行」
2歩使い風の範囲外に逃げてから最後の1歩でウインドワイバーンに接近する。
ミナトが接近してきたため体を回転させて尻尾を振り回し攻撃を仕掛けてくる。
「ふん!」
黒炎連斬を1発放つが勢いは止まらない。
「アイスウォール!」
ミナトの足元からアイスウォールが飛び出し、ミナトを上に運んだ。が、尻尾攻撃の威力でアイスウォールは破壊されしてまいミナトは地面に戻る。
ウインドワイバーンが背を向けているうちに背中に残り2発を放ち攻撃した。多少はダメージになっているはずだ。
パッと見ではウインドワイバーンは苦しむ姿もなく次の攻撃の準備をしている。ミナトを睨みつけながら口を向ける。
「逃げるポン!」
ポンタはすぐにブレスが来ると判断し、ミナトに逃げるよう指示する。
「黒炎歩行」
最大MPが650あるミナトは消費を気にせずに回避にMPを使う事が出来て生存率が上がっている。ミナトのレベルでこの火力、更にはMP650・・・・・・初めてアザファンをプレイする人から見ればもはやチートだと感じても仕方がない。
ミナトが逃げたあとウインドワイバーンのブレスで地面がえぐれた。
「おつかれちゃん!ミナトちゃんちゅよいのねぇ〜、アタチ好きになっちゃうかも」
「あ!フィルの攻撃だー!」
あからさまに話を変える、こうするしか無かった。変に話を続けると要らぬ誤解をしてしまうかもしれない。ネットは怖い怖い。
「いやん、ミナトちゃんのイ・ケ・ズ」
フィルがアイスハンマーでウインドワイバーンの胴体を狙い攻撃をしているうちにミナトはハイマジックポーションなどでMPを全回復させた。
ウインドワイバーンがフィルに狙いを定めて3人の方へ向かおうとする。
「こっちに来るポン」
ポンタが前に立ち盾を構えて攻撃に備える。
「マジックヒール」
マリリリンがスキルを使うとフィルのMPが30回復した。
「ありがとう、アイスランパード」
ウインドワイバーンの前に氷の城壁を造り出すがウインドワイバーンは飛翔して城壁を飛び越え低空飛行のまま3人の元へ進む。
「不味いわよミナトちゃん!」
「分かってる!」
2人は黒炎歩行、雷鳴を使ってウインドワイバーンを追うがアイスランパードが邪魔をしていて間に合いそうにない。
「ここは任せるポン」
新装備とマリリリンのバフスキルで耐久力が上昇していることもあり受け止められる自信がある。
フィルとマリリリンは左右に大きく回避してポンタだけを残した。
「ここで受け止めるポン!」
ミナトとバスターに届くように声を張った。
ウインドワイバーンはポンタの盾に引き寄せられるように頭突きで攻撃をすると、ポンタを引きずりながら速度を落とす。ポンタのHPが130ほど減る。
「アイスランス!」
ウインドワイバーンの片翼を地面に固定する。
マリリリンは冷静に
「マジックヒール」
黒炎歩行で走ってくるミナトに飛ばしてMPを30回復させる。
正直黒炎龍で倒してしまうのが1番楽ではあるがポンタを巻き込んでしまいかねないため、今回は使えない。
「黒炎紋」
少ない手数で倒したいため使ってしまう事にした。
黒炎歩行で胴体に接近し、黒炎撃を1発当てるがまだ倒れる様子はない。
胴体の下に入り込み
「黒炎・・・・・・斬!」
黒炎連斬を使うと他の攻撃スキルが使えないため通常の黒炎斬で攻撃。それでもまだ消滅しない。
「雷撃!」
拳を胴体にめり込ませ重たい一撃を放つバスター、遊撃をしてくれるのは助かるがまだ倒しきれていない。ここまで攻撃しても倒せないと言うことは恐らくここに来るのはまだ早かったのではないかとすら思える。
ウインドワイバーンはバスターの攻撃に怯んだのか動きが止まった。
「これで終われ!黒炎陣!」
地面に剣を叩きつけるように放つとウインドワイバーンの体に斬撃が放たれ、消滅した。
「いや〜ん!倒しちゃった〜!ポンちゃんアタチ頑張っちゃった〜んはんはん」
セルフで響かせている。
「俺頑張った!」
丸呑みされた過去を消し去るような討伐。これからはもう丸呑みする側に立つ事になるだろう。
「ふぅ、これで依頼完了ね」
「倒せるとは思ってたけど思ったよりすんなりだったポンね〜」
「・・・・・・アイテム回収」
マリリリンにドロップアイテムを拾えと言われたので大量に散らばっていた素材を回収する。依頼内容に書いてあった通り、風竜の鱗や牙、爪や皮なんかを回収してクライバリー王国に向かう。レベルが上がったがまずは報酬の件について話があるようだ。
「ウインドワイバーンを倒すと報酬が貰えるんだポンけど、5人で割ってイイポン?」
「俺は全然いいよ」
「すごく助かったしね」
ミナトとフィルは報酬を山分けすることに賛成だったが・・・・・・
「ちょ〜とオマチコマチ!」
「なんだポン、いちいちめんどくさいポンね」
「報酬は要らないわ?マリンちゃんもアタチと同じなの」
唯一マリンと呼んでくれているかもしれない。マリリリンはバスターを大切にした方が良い。
「その代わりにアタチたちの用事も手伝って頂戴」
3人はクエストを手伝ってもらっているので恩返しがしたいと思っていたところだ。
「水上都市ヴォアドルヒュで・・・・・・ビーチバレーボール大会に出て欲しいの!」
水上都市ヴォアドルヒュはシュリフの館を東に進むとある。年中海開きをしているビーチがあり、バレーボール大会も開催されており優勝チームには豪華景品がある。負けても何度でも挑戦できるため損することは無い。
「ビーチバレー、楽しそうだしやろうよ!」
ミナトはノリノリ、ポンタとフィルもバレーボールが好きなのかやりたいと言い出す。
「良いポンね!久しぶりのバレー、暴れるポン!」
「運動は苦手なんだけど頑張っちゃおうかな」
「よかったぁ~ん!5人じゃないとエントリー出来ないから困ってたの~」
「・・・・・・マリン、バレー好きだから楽しみ」
クライバリー王国にあるイゼージュ商会に素材を渡しに行くと約束通り報酬をもらい3人で分けた。
そんなこんなでシュリフの館にワープする。マリリリンは先に水上都市にワープした。
「じゃあついてきてちょうだいねん」
ポンタとフィルを担いだ。そう、走る。ミナトは自分のSPDで移動できるので担がれなかった。
スキルを使わずに走り続ける。バスターは2人を担いでも速度が落ちないため元のSPDはミナトより高いかもしれない。
丘をくだりしばらく走ると海が見えてき始め、海上に都市があるのが分かる。
水上都市というものだから要塞でもあるかと思っていたがそうでも無い。どちらかと言えば貿易が盛んな観光都市と言った印象だ。
ヴォアドルヒュの前で
「・・・・・・」
マリリリンが腕を上げて待っている。目印になっているつもりだろう。声なんか出してくれればもう少し分かりやすいが無口な性格なのかジェスチャーオンリーだ。
「見えてきたわよん!あれが水上都市ヴォアドルヒュ」
マップ奥には海が広がっており、砂浜で遊ぶ人達が見える。奥には船も見えている。
町に到着したミナト達は一旦町に入りワープを解放させてお昼ご飯を食べる事にする。
「そろそろお昼だから一旦きゅうけ〜い!」
「各自済ませてからまた集合ポン」
お昼ご飯休憩を挟む。
ゲーム機から出たミナト、長時間プレイのせいか体が痛かった。
「いったた、自分で作るのも面倒だしコンビニ行くか」
最近家の近くに新しいコンビニが出来たため、品揃えを偵察するのも込みで向かった。
コンビニに到着、黒炎歩行があれば一瞬で移動出来たのに・・・・・・なんてゲーム脳でここまで来た。試しにスキル名を呟いたのは誰にも知られたくない。
「今日は何にしようかな」
おにぎりやパンコーナーを見に行こうと冷凍食品のコーナーを通り過ぎる。
「レンチンタイプのパスタ?」
冷凍されているパスタがあり、レンジで7分するだけで美味しいご飯の出来上がりらしい。
「これ食べてみようかな、うーん少し足りない気もしなくもない」
正直成人男性がお腹を満たすには物足りなさを感じる。横を見ると伝説シリーズのコーナーがあるため覗く。
「伝説シリーズ高いな」
伝説のキムチ、伝説のカレーなど1つ500円程度のものが置いてある。
「お、これいいな。でも500円かぁ」
伝説のハンバーグを手に取るが500円、決して安くはない。だが、パスタにハンバーグを乗せた時それはもう伝説のハンバーグパスタになるのでは無いか、パスタも伝説になるのではないか?そんな事を思いついた時にはもう買っていた。
「いい買い物だった」
この後美味しく食べました。
ゲームに戻りしばらくすると全員集まった。
「オマタ~ん」
もうこのキャラに慣れたようで違和感はなくなっていた。
「もうエントリーしといたからもう少しで呼ばれると思うよ」
フィルがエントリーを済ませていたようだ。視界のはじに準備ができたかの確認ボタンがある。全3試合、5点先取、NPC相手に勝てばアイテムがもらえるようだ。
全員が準備完了状態にするとカウントダウンが始まり、ビーチエリアにワープさせられた。
「あ、言ってなかったわぁ」
手を口に当ててわざとらしく
「コレ、スキル使用可能バレーなのよね~ん」
それを聞いた4人は
「「「「え?」」」」
ミナトの昼ごはんは今日の作者の昼ごはんだったにゃ