12話 ウインドワイバーンはあきらめよう!
麓 意味 山の下の方
日を跨いで
「よし、これだけ買い込んどけば大丈夫」
クライバリー王国の薬屋でマジックハイポーションを買い込んだ
「じゃ、ゴーネ山脈へ」
ゴーネ山脈へワープした。ゴーネ山脈へワープするとウインドワイバーンがどこからともなく飛んできた
「今回はお前を倒しに来たわけじゃなくて、黒炎歩行」
ゴーネ山脈を背にして左を見る。マップ上で西
「こっちに来るときに一瞬見えた細い道、あそこに向かう」
黒炎歩行で走り出す。ウインドワイバーンとの距離を取る、ずっとスキルで移動するとMPとポーション代がかかってしまうため普通に走りながら移動する。
しばらく走ると崖の一部が小道となっている所が見えた
「黒炎歩行」
素早く滑り込みウインドワイバーンから逃げ切る
「なんとか撒いたか、さてここからは未知の領域を探索させてもらいますかね」
上に続く小道はとても狭く、正規のルートかどうか怪しい所だ。少し歩きにくい斜面が長く続く。
歩いてもモンスターは出現しないためスムーズに進めた。
しばらく歩くと光が見え始める、光の先は新たなエリアが広がっていた
「おぉ~新エリアを見ると絶対言っちゃうんだよな」
ミナトから見て左側に大きな火山が見える。溶岩が流れており近づきたくはない。周囲を見渡すと大きな工業都市らしきものが見えるためまずはそこに向かうことにする。しばらく歩くとモンスターがポよんポよんと襲い掛かってきた
『ブレイズスライム』
バランスボールほどの大きさのブレイズスライムは体をブルブル震わせて炎をまき散らしてきた。
広範囲に炎で攻撃をしているがミナトは範囲外に下がり様子を見る。
攻撃が終わると隙を見て横を走り抜けながら攻撃をすると倒しきれた。
・石炭
ドロップアイテムを拾って都市を目指す。モンスターとの遭遇率は偶々かもしれないが低かったため思っていたよりも早く到着できた。
『鍛冶の町 ルーロン』
工場があちらこちらにあり至る所から煙が出ていて環境に悪そうだがゲーム世界だからご愛敬。鉄を打つ音が響きなんだか心地が良く感じる。
町の中に入ると左右に大きな工場がありどちらも店舗が設置されていた。観光もしたいため左の工場のお店に行ってみることにした。店員はおらず店内は食器が並んでいた。ここは食器を買うことができる場所らしい。
高そうな食器や調理器具が並んでいるため少し見ていくことにした。購入はしなかった。
店を出て別の店に行ってみることにする。町を歩きながら建物の看板を見ていると
・宝石鉱石の店
・宿
・食事所
・鍛冶屋
などがある、鍛冶屋にどんな装備があるか気になるため侵入しようと思う。奥に見える一番大きな工場に入ると店番をしている人がいた。
「おぉいらっしゃい、何が欲しいんだ」
ファンタジー作品に出てくるドワーフそのものが椅子に座って対応してくれた。店員がいる時はクエストがある時と分かっているため少し会話をしてみる。
「こんにちはーなにか困ってることとかあります?」
「ん?なんだ分かるのか、あんちゃん」
「人助けの旅をしているので聞き回っているのです」
大嘘である
「そりゃ偉い。まぁ困っているのは本当でな、見てくれよ」
商品棚らしき所を指をさす。鉄の剣シリーズやポンタが過去に使っていた鋼シリーズの装備が並んでいた。
「東にある坑道にモンスターが住み着いちまってな、深い所まで行けなくて鉱石が採れなくてこんなモンしか造れなくて困ってるんだ」
こんなモン、と言ってはいるが現在の大多数のプレイヤーからすれば欲しい欲しいと言うだろう。
これはモンスター討伐のクエスト、倒せばなにか報酬が貰えるだろう。
「良かったら俺が倒してきますよ」
こう言えば頼ってもらえる。報酬ゲットダゼ。なんて考えていると
「あんちゃんが?無理無理やめとけ相手はどっから来たのか知らないが魔竜だ魔竜、あんちゃんがもう少し強ければ倒せるだろうが今は無理だ」
イベント報酬の剣に魔竜と言う単語があった事を思い出す。「もう少し強ければ倒せる」と言うという事はクエストを受けられるレベルに達してないのだろう。
「そんなに強いんですか」
「当たり前だ、魔竜とは言えワイバーンだ。倒せるやつなんて当分出てこないだろう、店を畳んでマッサージ屋をしようか考えているくらいだ」
ワイバーン・・・・・・ウインドワイバーンが強敵だった事は覚えている。言い方的に魔竜の方が弱いように聞こえるが一旦諦めるべきか
「ん?んん!?あんちゃんその武器を見せてくれっ」
「良いですけど」
黒竜の心を渡すと
「ほぉぉ、これはなかなか」
じっくり見ている
「あの、なにかあったんですか」
「むほぉぉ」
生暖かい息がかかりなんか嫌になってきた
「ちょ、返してください」
半ば無理やり取り返す
「あぁすまんすまん珍しい物をだったからつい、だがその剣があれば魔竜も討伐できるやもしれん。魔竜の討伐を正式に依頼したい、引き受けてくれるなら魔竜の素材で好きな装備を造ろう」
目的は魔竜の討伐、報酬が装備と言う事は答えは1つ
「俺に任せてください、必ずや魔竜を倒してみせましょう」
とは言ったもののまた食べられてしまうのは嫌だ、レベルを上げてから出直すことにしよう。時間制限がないため倒すのは後回しにする。
聞き流していたが坑道と言っていたか、またポンタが喜びそうな場所だ。もしポンタがいたら
「僕も行くポン!ワープ出来ないから僕を背負って走るポン!」
なんて言うはずだ。
レベルを上げたいミナトはルーロンから出て火山の方に向かう。あそこならレベル上げがはかどるだろう
火山の麓まで来るとブレイズスライムがうじゃうじゃいる。
『フラム火山』
「1、2、10体以上はいるな」
ブレイズスライムが少なくとも10体はいた。1体倒すのに通常攻撃1発で倒せるが群れに突っ込んで通常攻撃をしてる余裕があるかと聞かれると正直ないためこんな時はブレイズスライムの群れに剣を向けて
「黒炎龍」
剣から黒炎で創られた龍がブレイズスライムたちを薙ぎ払う
「お、レベルアップ」
STR30→31、SPD43→45に振る
「ここもしかして最高の狩場!?」
少し歩いた先に3体固まっていたため3体の中心に走り込み
「黒炎陣」
3体同時撃破する。
「この調子」
周囲を見渡して即倒すを繰り返す。ブレイズスライムからすればいきなり虐殺を始められて迷惑極まりないが彼ら彼女らは持ち場から逃げられないため我慢してもらおう。
40体ほど続けて倒すとレベルも22まで上昇しポイントを振ろうと画面を操作しようとするとブレイズスライムよりも5回りほど大きなモンスターが向かってきた。
『マグマスライム』
おそらくここら辺のボスモンスターだろう。明らかにサイズが違う、耐久力も上がっていると予想できる。レベルが多少上がったからと言って油断はできない
「黒炎紋」
131×1、5=197まで上昇したSTRで迎え撃つ
「黒炎斬」
まずは下準備から、MP45消費してダメージ目的ではなくデバフ目的で攻撃した。マグマスライムは体の溶岩をドロドロと地面に流し、流した溶岩を触手のように使い襲い掛かってくる。
「黒炎龍」
襲い掛かる溶岩の触手ごと本体を飲み込む。マグマスライムがいた場所には
・マグマブーツ 性能 STR+15 VIT+20
マグマブーツの方がSTRとVITが上昇するがSPDを下げたくないため装備はしなかった。レベルが23になったためポイントを振り分けた
STR31→35、SPD45→50
スキルポイント14→4
黒炎剣のレベルを9にすると
・黒炎眼 消費MP100 説明 5分間スキル攻撃の範囲が増える
「名前がもう隠せてないけどただでさえ強いスキルの攻撃範囲が増えるなんて・・・・・・でも毎回思うけど消費MPどうにかならないのかな」
レベルも上がり新しいスキルも手に入ったため魔竜とやらに挑んでみることにする。坑道はルーロンから東に行った所にあるため一旦ルーロンにワープしてから向かう。
しばらく歩くと大きな穴が見えてきた
『ミレニア坑道』
ワイバーンが翼を折りたためば入れそうなくらい大きな穴、一定の間隔で松明が設置されており中は明るそうだ。この奥に魔竜がいるこの事なので早速向かう。
下へと続く階段があり足元が悪いわけでは無かった。足取りは軽く、新しいスキルが通用するか楽しみにしながら最奥に到着した。
最奥は広い空間で採掘している途中なのが分かる。
『衰弱したマジックワイバーン』
茶色い鱗に身を包んだワイバーン、ウインドワイバーンより少し小さく感じる。
弱った、と書いてあるが油断は出来ない。ウインドワイバーンに攻撃が通用しなかった事を考えると最初から本気でいくしかない。
「黒炎紋、黒炎眼」
MP200消費してバフをかける。黒炎眼を使うと瞳の奥に黒い光を宿す。
マジックワイバーンがミナトを認識する。
「弱っているところ悪いけど倒させてもらう」
正面は危険な可能性が高いため、横から攻撃しようと足を踏み出そうとする。
「あれ、なにこれ」
ミナトの足にダークバインドが絡みついていた。足が動かない。
「これもしかして君?」
マジックワイバーンは返答せず、空中に岩の槍や炎を槍を複数展開する
「人にとがったモノ向けちゃダメって教わってないのかよ」
なんて言葉を完全に無視され、攻撃を放たれる
「黒炎連斬」
横に剣を振るといつもより2回りほど大きな斬撃が魔法の槍をかき消した。そのまま気合いでダークバインドを引きちぎり、その場から離脱する
「ふん!」
残り2発の斬撃を放つ
マジックワイバーンは地面から岩の壁を3重に出現させ身を守った
MP60消費はミナトにとっては大きな損失、黒炎連斬が防がれるのは想定外だ。横に移動しながらマジックハイポーションでMPを全回復する。
「生半可な攻撃だと防がれる、頼りっぱなしは良くないけど」
足を止めて剣を向ける
「黒炎龍」
黒炎眼を使っているためメポーレで使った時よりも大きな龍が出現し、空間が黒炎龍で埋め尽くされた
「・・・・・・あ、これ危険です」
気が引けてしまうが使ってしまったものはしょうがない。黒炎龍はマジックワイバーンを噛みちぎっていくが、モンスターが死してなお勢いが止まらずその場でモンスターがいた場所を襲い続けている。死に際のマジックワイバーンは少し涙目だった。
少し時間が経つと黒炎龍が自然消滅してドロップアイテムを回収できるようになった
「なんかごめん」
魔竜の牙や鱗、色々なアイテムがあるため全部収納してルーロンにワープした
レベルが24になった
早速先程の鍛冶屋に向かい装備を作ってもらうことにする。それが楽しみで黒炎龍でボコしたまである。
「戻りましたー」
「どうした?」
「倒してきたので戻りました」
「倒したって、さっき行ったばかりだろう、素材はあるのか?」
台には乗らなそうなので床に全部出した
「ほ、本当に倒したのか。これで坑道が・・・・・・ちょっとまっとれ」
そう言うと店を出て行った。店主は町中にマジックワイバーンが倒された事を知らせると外から喜びの声が聞こえた。
しばらくすると店主が戻ってきた。
「そう言えば名を名乗ってなかったな、ワシはルーロンだ、お主は?」
「ミナトです」
「そうかそうかミナトか、覚えたぞ。この町総出でお主の装備を強化する。なにか希望はあるか」
「じゃあ、この剣に合わせて黒竜装備にしたいです」
ポンタが造ってくれた黒竜の心と同レベルの装備があればもっと強い敵も倒せるかもしれない
「分かった早速作業に取りかかる、装備を渡してくれ。丸1日かかるから明日以降に来てくれ」
剣以外の装備を渡して初期の服装に変わる。ミナトを置いてルーロンは外に出て他のNPC達に装備を渡しに行った。各部位ごとに分けて作業するのだろう。
装備が無くなったミナトはモンスターを倒しに行くことは出来なさそうと感じたため、ポイントでも振り分ける事にした。
STR35→36 SPD50→52
スキルポイント4→6
現実時間で明日、装備を貰いに行くことになる。
余談だにゃ、『ワイト』『ホワイトバイパー』のような誰かに迷惑をかけている系のモンスターはすぐに復活してNPC達をまた困らせるにゃ。じゃにゃいと他のプレイヤーはクエストが出来なくなってしまうからにゃ!
1度クリアしたプレイヤーにはもうクエスト発生はしないにゃ。けど一緒に倒す事は出来るにゃ。