第1話 始まり
頭痛がする、頭を強く打ったようだ。
「#nx`%&`+*○!MO,He:H△y!%ey!」
声がする、誰だ...
「Hey! Hey! You ok?」
これは…英語だ!
「おい!おい!あんた大丈夫か?」(分かりやすいよう意訳)
「う…こ、ここは?」
「ああ、よかった、あんたいきなり空から落ちて来たんだよ、ここが砂漠でよかったな、歩けるか?」
「なんとか…」
砂漠?俺はさっきまで学校にいたはずじゃ…でもこの気候、明らかに日本ではない、一体何が起きているんだ。
男と一緒にしばらく歩いてると集落のような場所に着いた、ゲル…だったか、昔教科書で見たモンゴルの遊牧民の住居のようなものがいくつか建てられている。
男に連れられその中の一つに入り、女中のような感じの女性にお茶をもらった。
「おいしい…」
「はちみつが入ってる、飲むとリラックスできるぞ」
「ああ、本当にありがとう、助かったよ、俺はタカユキ、学生だ。」
「気にするな、俺はナジャム、商人だ、今は北に向かって旅をしてる。」
「ナジャム、ナジャムか、よろしく、えー、ナジャムは商人なのか、何を扱ってるんだ?」
「これだよ」
そう言ってナジャムは何か複雑な幾何学模様が描かれた絨毯を指さした。
「へー、絨毯、いいね、綺麗だ。」
「ああ。だろ?、それに魔法もかけてあるしな」
「魔法、何だ、それ?」
「魔法を知らないのか?まあ、あんた空から落ちてきたし、ありえるな、見せてやるよ。」
そう言うとナジャムは絨毯に近づき、模様に手を当て、なぞるように滑らせる。次の瞬間、模様に花火のような光の筋が走る。
「何だ!?今のは…」
「これが魔法だよ、ほら、こっちに来て触ってみろ」
言われるままに絨毯に手を当てると、
「…冷たい、」
「だろ?、冷気を出す呪文が施してあるんだ。どんな暑い時もこいつがあれば天国さ」
「ああ…」
下に氷でも敷いてあるかのような感触だ、絨毯の厚さは目測1〰1.5センチほど、中に細工があるのかも知れないが、そんな感触はない。それにさっき見た光の筋、今までみたことがない神秘的な光だった。
「ナジャム、聞きたいことがある、ここは地球か?」
「地球?何だそれは?ここはタリブ砂漠だぞ。」
「アメリカって国を知っているか?」
「聞いたことないな」
「この国はなんて名前だ?」
「ここはどっちかっていうと国境沿いだ、イスラハーンとアジューダビアのな。」
「じゃあ、最後の質問だ、魔法は貴重な技術なのか?」
「そんなことない、どこの家庭でも使われてるよ」
確信した、ここは地球じゃない。いままで見たことがない魔法という技術、アメリカと地球を知らない男、さらに断片的な記憶、間違いない、ここは異世界だ。
気ままに書いていく予定です。
ご期待下さい。