幕閉じ
ランが天界へ帰って1週間がたった。私の心はまるでがらんどうだった。失ったものが大きすぎて何も考えられない。今でも思い出すのはランとの辛くも楽しい日々だった。中庭に1人で佇む。
「ラン……」
名を呼んでもそこに彼はいない。
「何よ。なんでいなくなるのよ!こんな乙女ゲームぶっ壊してあげるわよ!!」
「それは困りますね。」
「何がこまっ……?!」
そこにいたのは彼だった。
「ラン?!?!」
「いやぁ、困りましたよー!天界に戻ったら神々から女の子1人幸せに出来ない奴を天界においておけないなんて言われちゃいまして……。仕方なく降りて来たって言うか……」
「ランっ!」
リサはランの胸へと飛び込んだ。
「リサさん。」
リサは泣きながらランを抱きしめる。
「そんなに抱きしめられると困ります。」
「っ!!??」
いきなりキスされた。
「抑えられなくなっちゃうじゃないですか。」
「……ばか。」
「ぼくルートを選んでくれてありがとうございます。」
「べ、べつに……」
「やっぱりリサさんはツンデレですね。」
「違うわよ!!」
こうして魔法学校での乙女ゲームはありもしない神様ルートを選んだことで幕を閉じたのだった。
今までありがとうございました!これで幕閉じとさせていただく形となりました。ユキアの作品をこれからもよろしくお願いします!




