謎のハーレム計画
文化祭が終わっていつもの日常が訪れる。あいも変わらずランは自分ルートを進めてくるし、攻略対象との接点がほぼほぼない。この人を除いては……
「リサさん!今日こそ私と結婚してもらいます!」
「困るー!!私は誰ともっ…」
「そう!困ります!ぼくとリサさんは付き合っているのですから!」
「いつの間に付き合った事になってるんだよ!?」
廊下でいつもの求婚、そして、勢いよく十字路を曲がってきたランがそれを止める日常。
「リサさんはぼくを選んでくれるはずです!」
「選ばねーよ。」
「そんなーー?!」
「ふっ、ラン君。乙女心が分かっていないな。」
「え?」
「リサさんはツンデレと、言うやつだよ!」
「ちげーよ。」
「そうだったんですね!つまり今までの酷い仕打ちはツンデレのツン!」
「ちがいますぅー!!」
「あ!もうすぐ1限目の鐘がなりますよ!」
「早くいくわよ!」
「リサさん!私は諦めませんからね!私とリサさんとラン君でハーレムを作る計画を!」
なんて、計画立ててんだこいつ?!
そう思いながらランと教室へと急ぐ。
「いや、ぼくが言うのもなんですが、彼ちょっと狂ってませんか?」
「あ、はははっ…」
呆れて笑うしかなかった。
昼休みにランとお弁当を食べているとクリス王子はまた、こりもせずにやってくる。
「2人ともそんな食事ではなく、王室のシェフに料理をつくらせてあるからそちらを召し上がってみませんか?」
「え?!マジですか?!」
ランはその話しに食い気味だ。
「私お弁当があるから要らないわ。」
「リサさん、そう言わずにいただきましょうよー。どうせぼくの作ったやっすいお弁当ですし…」
「……自分で言ってて虚しくないの?」
「ぐはっ!?(ダメージを受けている声)」
「私はお弁当で構わないわ。」
「リサさん?」
「ランがせっかく作ってくれたのだもの。」
「え……」
その言葉をきいてランは一瞬トキメキを感じた。
「リサさん……ぼく、ずっとリサさんの事…」
「え?」
「リサさんの事、馬鹿舌だと思ってましたよ!ぼくの思った通りですね!」
「は?」
「王室の食事なんかよりぼくのお弁当を選ぶ……それってきっとリサさんが根っからの庶民だからだと思うんです!!つまり、舌が安物になれて……」
殴った。殴りまくった。
「もうしらないっ!」
「あ、リサさーん!」
リサは食べかけのお弁当とランとクリスをおいてさって行ってしまった。
「ダメだよ。ラン君。リサさんはツンデレなんだから!これはツンデレのツン!つまり、追いかけてあげないとデレてくれないよ!」
「!!ぼくが?…」
「他に誰がいるんだい?」
「……クリス王子が追いかければいいじゃないですか!そうすれば好感度が上がるにきまってます!」
クリスは少し考えてから口を開く。
「いや、リサさんが1番今追ってきて欲しいと願っているのは、きっと、君だよ。」
「?!」
こんにちは、不定期投稿ですがよろしくお願いします。




