学園長は財布
夏休み真っ只中、今日はランと一緒にショッピング。
「て、なんであんたと一緒になのよ!?」
「えー?友達がいないあなたの為についてきてあげてるのにぃー?」
「殴るわよ?」
「おっと、すみませんね。」
「あんたは荷物持ち!」
「はいはい、素直じゃないんですねー!本当はイケメンのぼくとデートできて嬉しいでしょ?」
「はいはい、イケメンありがとうー(棒)」
「なんですか、その態度は!信仰心がたりませんよ!」
「無宗教でーす!」
「むきぃー!」
いつも通りたわい無い会話をしているとふと眼にはいった物があった。かわいいワンピースだった。つい立ち止まって見てしまう。
「へー、こういうの好きなんですねー!女の子らしいところもあったんですね!」
「女の子らしいとか言うな!」
ごんっと殴った。
「えーー?褒めたのにぃ!?」
「男女で服の違いなんてないわよ。男でもワンピースきたっていいじゃない!」
「っ!」
「何よ?」
「いえ、いい事言うなぁて、思って。」
「あっそ、さっさと買い出し行くわよー。」
「あー、待ってくださいよー!」
「ところでお金は?」
「学園長からぶんどって来ました!いえーい!」
「ナイスいえーい!」
2人はハイタッチする。
☆☆☆
その頃学園長は、
「わしの貯金がぁああっ?!」
と、嘆いていた。大半持ってかれたぁ!!
☆☆☆☆
買い出しが終わろうとしていた時、
「あ、ちょっとトイレ行ってきます!」
ランは荷物を全部リサに預けてトイレへと走った。
「もー!早く帰ってきてよー!?」
「はーい!」
しばらくたって戻ってきた。
「遅かったわね。」
「すみません。」
いつもの笑顔。いや、最近気づいてきた。こいつの笑顔は作り笑顔なんだって。何故作り笑顔なのかは知らない。でも、笑顔が偽物だって思う事が多かった。
「帰るわよー!」
2人で荷物を持って寮へと帰る。ランが私の部屋に荷物を置いた時だった。
「リサさん。」
「ん?」
「これ、どうぞ。今日一緒にショッピングしてくれたお礼です。」
そういって笑顔で差し出したのは何かが包まれた包だった。開けてみるとあのワンピースだった。
「え?これって……」
「リサさん素直じゃないですからね。買っておいてあげました!」
「…………」
「え?なんです?嬉しすぎて声もでないですか?」
ニタニタと笑う神。
「……あり、がと。」
照れくさいがなんとかお礼を、言った。
「あ、いえ……」
2人の間に微妙な空気が流れた。
「じゃ、ぼくはこれで」
出ていこうとするランの手を取る。
「?!」
「着るから見てよ。」
「あ、はい。じゃあ、着替え終わるまで外にいますね。」
ランが外に出る。しばらくしてランはリサに呼ばれた。
「どう、かな?」
「え、あ、うん。似合って、ますよ?」
「そっか、ありがとう。」
あれ?なんか甘い空気が……。
「じゃ、ぼくはこれで!」
ランはそのままそそくさと帰って行った。
「なんなのよ。すぐに帰る事ないじゃない……」
クーラーを付けたところだからだろうか?少し熱っぽかった。




