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334. 復活祝いという名の夕食2

 レアナさんに渡されたものを見ておれは渋い顔をした。


「イヤリング…」


 俺の耳についているのと同じものだ。つまりレアナさんが持ってきたということは…


「リョータさん?」

「ルー、ジエル遅かったね」


 イヤリングを手に持ったままそれを眺めているとルーとジエルがやってきた。


「はい、ジエルが御神木様に今回のことを報告をしていたので遅くなりました」

「リョータも、後で、直接説明、して?」


 報告か…こっちの御神木様から伝わったりしないのかな? まあ当事者の一人として報告はしておいた方がいいのか。


「ってかジエルもう食べてるし」

「初めて見る食べ方なので本当はすぐにでも向かいたかったみたいだけど、ちょっとは我慢していたんですよ」


 なるほど。一応用を終わらせてから行動したってことなのか。まあ何でもいいか。これで呼んだメンバーはそろった。みんな楽しそうに食べているね。


「ルーは食べないのか?」

「もちろんいただきますよ。それよりリョータさん…今更なんですけど、本当にこれでよかったんでしょうか?」

「これでって…御神木を植えたことかな?」

「だってリョータさん達はこれでもう帰ることも出来ないんですよ」


 ジュージューと野菜や肉が焼ける音と楽しそうに笑いあっている声が聞こえている。だけどルーだけは笑っていなかった。


「自分の目で見て安全を確認しないと、帰れるようになったところでまたたけが呼ばれるんだ。それじゃ意味がない。ルーは俺たちに帰って欲しかったの?」


 俺がそういうとルーは首を横に振った。


「もちろんここに残ってくれることは嬉しいんです。だけどそれで本来の世界に帰れなくなるのは違うんじゃないかと…」

「そのうち帰れるようになると思うよ」

「え…?」

「ほら」


 そっと俺はルーの手を掴んだ。俺からルーに向けて魔力が伝わっていく。


「魔力譲渡…もしかして魔法を作るのですか?」

「もちろん。どれだけ魔力とか必要かわからないから時間はかかるかもしれないけどね。その時はどうせならルーにも俺たちの世界へ遊びに来て欲しい」

「リョータさん達の世界…それはとても楽しみですね」


 よかったルーも笑顔になった。実はスキルが作れる保証はないんだけどね。繋がっていた世界が閉じちゃってるし…そうなるとそれをこじ開けて移動するような魔法じゃないと無理だろう。生きているうちに完成するといいのだけど。


『……っ』

「リョータさん、そのイヤリング誰か喋っていませんか?」

「あー…そうだね」

「話を聞かないんですか?」

「無視したいんだけどな~」


 軽くため息を吐きだし俺はしぶしぶイヤリングを耳につけ返事を返すことにした。


『いい加減返事を返してくれないか!』

『なんでしょう』

『お、リョータ遅いぞっ』

『こっちも色々と忙しいんですよ』

『嘘つけ! 食事していただけだろうが』

『いや…普通食事中に連絡かえしませんよね』


 さっきレアナさんから渡されたイヤリングから予想通りルシアさんの声が聞こえてきた。


『まあいい。リョータが置いていた建物なんだが…これ本当に貰っていいのか? 一度中を見て見たが結構質がよさそうだったぞ。少しだけ古いが見たことがない外観も中々いい感じだ』


 ちょっと不気味な雰囲気を醸し出している洋館気に入ったんだ…もしかしたら知らないだけでオプションとして幽霊とかいそうなほどだぞ。


『それでだな、使い道のわからないものとか結構あったから教えて欲しいんだが』


 なるほどそれで連絡してきたのか。だけどめんどくさいな…


『えーと…明日以降でもいいですか?』

『急いでいないから時間がある時にでも頼む』


 よし、このまま放置でいいだろう。

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